業務効率化の成功事例7選|具体例と導入メリットを解説

業務効率化 成功事例

業務効率化とは、業務における「ムリ・ムダ・ムラ」を削減し、効率的に業務を遂行できるようにするための施策です。

本記事では、業務効率化の成功事例や意外なメリットについて解説します。

企業風土の地盤強化や長期形成を図る上では欠かせない業務効率化に有効な施策について、詳しく見ていきましょう。

目次

業務効率化のメリット

業務効率化とは、業務における「ムリ・ムダ・ムラ」を排除し、効率的に業務を遂行できるようにするための取り組みです。業務効率化のメリットには、生産性の向上やコスト削減、従業員の負担の削減などが挙げられます。

ここからは、上記3つのメリットについて解説します。

生産性の向上

業務効率化を行うことで、生産性の向上が期待できます。

業務効率化には、ワークフローの自動化や作業工数の削減、コスト削減、ペーパーレス化などがあり、企業で発生する一連の不要な業務を業務効率化によって削減できます。

無理があるもの・無駄があるもの・ムラがあるものを見つけ出して省くことで、平常時から発生していた非効率的な業務を解消することができます。

コストの削減

業務上での「ムリ・ムダ・ムラ」が解消されることで、業務にかかるコストを一定数削減することが可能となります。

コストが削減するということは、最終利益の向上にも繋がるため、生産性の向上にも一役買っていることになります。

従業員の負担削減

業務が効率化され全体的な業務量が減ることで、従業員の負担を軽減することも可能です

業務の負担や、ストレスが削減されるということは、生産性の向上にも繋がるということですので、それぞれのメリットが連携してシナジー効果を発揮するでしょう。

業務効率化の成功事例7選

ここでは、業務を効率化することにより、生産性やコスト削減の点で大きな改善が見られた事例について7社ご紹介いたします。

  • 株式会社白崎コーポレーション
  • ヨネックス株式会社
  • きずな綜合会計事務所
  • 株式会社フィナンシャル・エージェンシー
  • 三井住友海上火災保険株式会社
  • 株式会社カクヤス
  • 株式会社マイナビ

株式会社白崎コーポレーション

株式会社白崎コーポレーションは、防草・植栽シートなどの資材を企画販売しているグリーンアップ事業と、再生トナーカートリッジを扱う再生トナー事業を手がける企業です。

今回、営業業務の効率化のため、顧客情報の効率的な管理が可能なデータベースサイトの導入を行いました。

幅広い情報発信から獲得したリードを元に、顧客リストの作成が可能となったため、自社メルマガの配信等を効率よく行えるようになり、最終利益や生産性に大きく貢献しました。

参照元:株式会社白崎コーポレーション様|都市まちづくり|リード獲得|顧客育成

ヨネックス株式会社

スポーツ用品の製造及び販売、ゴルフ場の運営を手がけるヨネックス株式会社が導入したのは、日立の需要予測・需給調整ソリューション「ネットストックLBP」です。

ネットストックLBPは、米国のネットストック社が開発し、2007年から販売を行っている戦略技術的需要予測・需給計画に特化したソフトウェアです。

ツールを導入したことで、需要予測や出荷見込み、販売計画などの作成・編集、補充計画、生産購買依頼の作成や編集などが行えるようになり、需要予測等の2割ほどの業務効率化が可能となりました。

ヨネックス株式会社 SCM部長柴崎氏は、人とシステムの融合が必要不可欠であるとした上で、システムの精度を上げることを、今後の目標として掲げています。

参照元:ヨネックス株式会社様 – 日立ソリューションズ東日本

きずな綜合会計事務所

150社から200社のクライアントを抱えるきずな綜合会計事務所が導入したのは、クライアントとの打ち合わせ議事録やチームのタスクを簡単に管理できる業務効率化ソフト「Stock(ストック)」です。

従来までは、議事録の管理はワードファイルにより行われており、山積するファイルの中から情報を行ったり来たりして情報を確認する非効率的な状態が続いていました。

また、150社から200社の複数のクライアントとのタスク管理は全てエクセルを用いて行われており、複数人が競合編集することで事故につながりかける等の問題が発生していました。

業務効率化アプリストックは、ファイル管理と比べて情報へのアクセス性が段違いに高いことが特徴で、サクサクと情報を探すことができます。

議事録とタスクの紐付けも簡単にでき、山積するクライアント情報やタスクを容易に整理することが可能となりました。情報の管理にかかるストレスが大幅に改善されています。

参照元:「会計事務所内の『情報ストック』と『タスク管理』が、 すべてStock(ストック)上で完結しています」会計事務所の導入事例 – Stock

株式会社フィナンシャル・エージェンシー

株式会社フィナンシャル・エージェンシーでは、保険代理店として、約40の保険会社の詳細を扱い、保険会社のコンタクトセンター運営を展開しています。

従来までは、年間4万時間分に及ぶ音声データの引き起こしにより「禁則ワード」のチェックや重要事項の説明漏れチェックなどで対処してきました。

しかしながら、人力によるチェックでの応対品質担保には限界があり、申し込みを行った顧客の約20%のチェックに留まっていました。

今回、AIによる自動テキスト化とチェック作業の効率化を行ったことにより、音声認識率90%の文字起こし自動化を実現。年間約5000万円のコスト削減を予測しています。

参照元:Watsonによる通話内容の自動書き起こしで応対品質管理業務を効率化 – AIsmiley

三井住友海上火災保険株式会社

三井住友海上火災保険株式会社は、働き方改革で普及したリモートワークなどを背景に、少ない人数でも効率よく業務を遂行する力を身につけることを目標として掲げました。

働き方改革を推進するとともに、「19時前退社」のルールを定め、業務効率化のためのRPAやVBAを利用し、単純作業を自動化させたことにより、月1200時間の労働時間の削減に成功しています。

参照元:19時前退社で「仕事力絶対に上げる」 三井住友海上 – 日本経済新聞
参照元:最優秀賞 厚生労働大臣賞

株式会社カクヤス

株式会社カクヤスは、飲食店や家庭向けの酒類・食品を販売する企業です。各店舗での勤怠エラーや、打刻漏れなどの問題が発生しており、勤怠管理者へ大きな負担がかかっていました。

アマノ社製の新たな勤怠管理システムの導入により、保守コストを2割削減することに成功しています。

参照元:大規模企業の勤怠管理課題をカスタマイズなしで解決! 小売業界の悩み解消の一手は「アラート機能」- アマノ株式会社

株式会社マイナビ

株式会社マイナビは、会社全体でのRPAの活用を組織戦略として組み込み、年間3万5356時間1億607万円相当の最適化を実現しています。

導入したRPAソリューションは高い管理性を持つ「UiPath」で、自社内でもロボットの開発や保守による運用を可能としました。

参照元:導入事例 | 株式会社マイナビ – UiPath

成功事例でわかる業務効率化のポイント

上記の成功事例から分かる「業務効率化」のポイントは、以下の3つです。

  • 業務プロセスを分析
  • AIの活用
  • 実装と改善を繰り返す

ここからは、上記のポイントについて詳しく解説します。

業務プロセスを分析

まずは、現時点の業務プロセスを誰でもわかる形式でまとめます。業務内容や担当者、必要な人員、作業時間なども可視化して、効率化すべきポイントをまとめましょう。書き出された業務プロセスの中で、業務を複雑化させている問題点について確認します。

改善の余地があるようであれば、改善の実施を行い、どの程度の業務効率化が見られたか把握できるよう、効果測定を行います。

AIの活用

近年では、業務の効率化や効果測定にAIが多く活用されています。

AIだけでなく、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)やRPA/VBAなど、業務を効率化させるための手段がAI以外にも多く存在します。自社に最適な業務改善プロセスを選定し、活用していきましょう。

実装と改善を繰り返す

業務効率化のためには、実装と改善の試行錯誤が必要です。

導入したツールによって、業務効率化の効果が得られなかった場合であっても、別ツールの導入や新たなアイデアの提案など引き続き業務が効率化されるかどうかの考察を行っていきます。

業務効率化のアイデア

上述した業務効率化・業務改善のポイントに加え、以下のアイデアも実践してみましょう。

  • 情報の一元管理
  • デスクワークの効率化
  • 不要な業務内容の見直し

情報の一元管理

「一元管理」とは、様々な領域のデータを一箇所に集約することです。部門ごとに情報を管理することが従来の方法でした。近年においては、部門同士での連携を高め、企業全体の業務を効率化することを目的とした情報の一元管理が重要視されています。

単に情報を集めて見ることができるようにするだけでなく、統一した方法で管理するという意味合いも含まれているものです。

「人事」「生産」「在庫」「財務」「会計」「給与」などの期間系データや現場での業務情報系データなどを、定量的に分析できるようワークフロー全体の情報としてまとめ、業務効率化へ繋げていきます。

デスクワークの効率化

システムでも代替可能なデスクワークについて、考察してみましょう。データの抽出や議事録の整理など、システムで自動化することにより、さらなる業務の効率化を図れます。

加えて、人の手で行うと生じやすいミスまで減らすこともできるため、さらなる生産性の向上へ繋がります。

不要な業務内容の見直し

AIシステムの導入や業務改善によって削減できそうな不要な業務について、見直しを行います。

具体的には「何時から何時まで」「誰が」「何をしているか」をタイムライン形式で書き出すことで、やらなくてもいい業務をしている人が見えてくるでしょう。

似たような仕事をしている人が別々の部署に存在するケースなど、まとめられそうな業務がありそうな場合も、どちらか一方へ業務を任せることで、業務効率性の向上へ繋がります。

同じメンバーで行う会議についても、日程や回数など、重複しているところがないか確認してみましょう。

業務効率化の成功事例に関するよくある質問

ここからは、業務効率化の成功事例に関してのよくある質問についてまとめていきます。

業務効率を向上させる方法は?

業務効率の向上における最終的な目標は「ムリ・ムダ・ムラ」を省くことです。

業務上で使用しているツールを、さらなる効率化が可能なツールへ変更することで、業務の効率化へつなげることができます。

業務効率化に役立つ具体的なツールとしては、各種業務をロボットによって自動化できるRPAや、SlackやChatworkなどのコミュニケーションツール、ズームなどのオンライン会議サービス、クラウド型のマニュアルサービス、単純作業を外注できるBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)などが挙げられます。

最終的に、これらのツールの使用方法や業務効率化のための一連のプロセスをマニュアルによってまとめることで、継続的な業務改善・業務効率化を図ることが可能です。

業務効率化は何のためにするの?

業務の効率化は、業務における「ムリ・ムダ・ムラ」の削減を目的として行われます。

改善を行うことで、業務の効率化や最終利益の向上が見込めるだけでなく、従業員のストレスまで大幅に緩和され会社全体のモチベーションが大いに向上するでしょう。

加えて、業務効率化が進むと、組織全体において改善を追求する文化が醸成されやすくなります。効率的な作業が定着し、様々なプロセスや部門において「もっといい方法はないか?」という考え方が広がり、イノベーションの風土が生まれることもあるでしょう。

業務効率化はノンコア業務に逼迫されている幹部や経営者が検討されることが多く、業務効率化のアイデアを実践することで、多くの企業が業務の効率化に成功しています。

まとめ

ここまで、業務効率化の成功事例やメリット・アイディアについて、詳しく解説しました。

業務の内容が改善、効率化されると、従業員のストレスが軽減されるだけでなく、顧客側も満足度が向上するなどのメリットを得ることができます。

企業の時間や人材、資金などのリソースの最適な活用を促進し、長期的な成長の基盤を築いていきましょう。

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