MVP開発 コスト見積もり完全ガイド|内製・外注・ノーコード別に徹底比較!
はじめに
新規サービスやプロダクトの立ち上げに欠かせない「MVP開発(Minimum Viable Product)」。しかし、初期段階では「一体どれくらいのコストがかかるのか?」という点が大きな懸念材料となります。
開発費用を過剰にかけてしまえばリスクが増大し、逆に節約しすぎると質の低いMVPになり、仮説検証が失敗に終わることもあります。そこで本記事では、内製・外注・ノーコードという3つの開発手法別に、MVP開発にかかるコストの目安や見積もりポイントを具体的に解説します。
MVP開発の費用構造とは?
まず、MVP開発にかかる主な費用要素を整理しましょう。以下が典型的なコスト構成です。
費用項目 | 内容 |
---|---|
要件定義 | MVPに含める機能、ターゲットユーザー、KPIの設計など |
UI/UX設計 | デザインモック、ワイヤーフレーム、ユーザビリティ設計 |
開発費用 | フロントエンド・バックエンドの実装、API連携など |
テスト・修正 | QAテスト、バグ修正、ユーザーテスト |
保守・運用 | リリース後のデータ管理・軽微な改善対応など |
このうち、MVPでは「必須機能に絞った構成」が基本となるため、フルプロダクトよりもスリムな設計が可能です。
【外注の場合】MVP開発の相場と見積もり例
外注の場合は、開発会社やフリーランスへの委託費用が中心になります。相場としては以下のような価格帯が目安です。
開発規模 | 内容 | 想定コスト(税抜) |
---|---|---|
小規模MVP | 会員登録+投稿+一覧表示など | 約50〜100万円 |
中規模MVP | 決済機能・チャット・通知など含む | 約150〜300万円 |
大規模MVP | 複雑な業務ロジックや管理機能込み | 400万円以上 |
外注コストを抑えるコツ
- 要件定義を自社で行う(外注に丸投げしない)
- 開発パートナーの選定時に工数ベースで見積もる
- スコープを明確にし、後から追加機能を避ける
【内製の場合】MVP開発にかかる社内コスト
内製では直接的な開発費用は発生しませんが、「人的リソースの機会損失コスト」が発生します。
例えば、月額60万円のエンジニアを3ヶ月専任でアサインした場合:
- 60万円 × 3ヶ月 = 180万円(1人分)
- エンジニア2名+PM1名体制なら:約500〜600万円規模
また、UI/UXやQAなどを外部に発注する場合は追加費用が発生します。
内製コストの特徴
- 社内ノウハウが蓄積されるため、長期的には効率的
- 短期的なキャッシュアウトは少ないが、スケジュール遅延リスクあり
- 技術スタックや人材の質によって、開発速度が大きく変動する
【ノーコード開発の場合】圧倒的低コストでMVP開発可能
BubbleやAdalo、FlutterFlowといったノーコードツールを使うと、開発コストを10分の1〜3分の1程度に抑えることが可能です。
ノーコードMVP構成 | 想定コスト例 |
---|---|
自社内で作成(人件費のみ) | 実質0〜50万円程度 |
外部ノーコード開発者に依頼 | 約30〜150万円 |
専門エージェンシー利用 | 約80〜250万円 |
ノーコードの利点
- UI構築がドラッグ&ドロップで可能
- プログラミング不要で検証までのスピードが早い
- 開発・修正が容易なためピボットにも強い
ただし、複雑な業務ロジックやAPI連携が多いMVPでは、ノーコード開発の限界もあるため注意が必要です。
コスト別比較まとめ表
開発方式 | 初期コスト | スピード | 拡張性 | 向いているケース |
---|---|---|---|---|
外注開発 | 中〜高(50〜400万円) | 早い | 高い(要追加費用) | スピード優先/社内リソース不足 |
内製開発 | 高(人件費500万円〜) | 普通〜遅い | 高い | 技術チームあり/長期運用前提 |
ノーコード | 低(0〜150万円) | 非常に早い | 中(制限あり) | アイデア検証/小規模SaaS開発 |
コスト見積もり時の注意点5つ
- MVPの目的を明確にする
- 検証したい仮説をもとに、最小構成を設計
- “Nice to have”を削る
- 必須機能と欲しい機能を分ける
- シナリオベースで要件を整理
- ユーザーの行動フローから必要機能を逆算
- スコープの範囲を可視化
- スコープ外の要望が増えるとコストも増加
- 運用・保守も含めて計算
- ローンチ後の改善予算も想定しておく
まとめ
MVP開発にかかるコストは、手法や規模によって大きく異なります。スピードを優先するなら外注やノーコード、長期的な拡張を見据えるなら内製という選択が有力です。
最も重要なのは「なぜMVPを作るのか」「何を検証したいのか」を明確にし、それに応じた適切なスコープと体制、そしてコスト設計を行うことです。無駄な出費を避けつつ、最大の学びが得られるMVPを目指しましょう。