勤怠管理のAPI連携とは?主要システム比較と設計手順【2026年版】

目次

はじめに

勤怠管理システムを導入しても、月末にCSVを出力し、給与ソフトへ取り込み、社員番号や残業時間を手作業で照合していると、締め作業の負担が残ります。入社・異動のたびに人事と勤怠の両方を更新する運用では、情報の不一致も起こりえます。

勤怠管理のAPI連携は、システム間で勤怠実績や従業員情報を受け渡す仕組みです。転記を減らせますが、APIがあればすべての情報が即時に同期されるわけではありません。対象項目、更新方向、契約条件、実行できる時間帯によって、実現できる業務は異なります。

導入検討では、製品名だけで選ぶ前に「どの確認作業を減らしたいか」を決めることが大切です。月次の給与連携と毎日の打刻漏れ通知では、必要なデータも実行頻度も違います。人事・勤怠・給与のどこを正しいデータの管理元にするかも、先に合意しておきましょう。

本記事では、2026年9月23日に確認した公式情報をもとに、APIとCSVの違い、主要な勤怠管理システム、連携先ごとの用途、設計と運用の注意点を解説します。給与計算ソフトの入れ替えを検討している方だけでなく、現在のサービスを使いながら転記作業を減らしたい方にも役立つ内容です。

まずは現在の月末処理を書き出し、担当者、入力元、出力先、締め日を整理してください。その一覧と照らし合わせると、標準連携で足りる部分と、追加のAPI開発が必要な部分を判断しやすくなります。

勤怠管理システムにおけるAPI連携とは?

APIは、別のソフトウェアからデータや機能を利用するための窓口です。勤怠では打刻、日別・月別の実績、従業員、休暇などが対象になります。ただし、取得できる項目と登録できる項目は別です。給与向けの確定データを渡す処理と、打刻を登録する処理は分けて設計します。

方式データの受け渡し選ぶ際の確認点
CSV連携ファイル出力・取込月次の少量処理なら運用しやすい。列順・文字コード・取込履歴を管理
標準API連携製品間に用意された連携機能接続先、対象項目、手動実行か定期実行かを確認
個別API開発公開APIを使って連携処理を実装権限・利用制限・開発費・障害対応の担当を決める

API連携がもたらす主なメリット

手入力やファイルの受け渡しを減らすと、担当者は転記よりも例外の確認に時間を使えます。部署や社員情報の更新元を一つに決めれば、部門間で別々の名簿を修正する負担も減らせます。一方、元データの誤りまで直るわけではないため、導入後も件数や集計値の照合は必要です。

情報共有の速さは、定期取得の間隔や通知機能の有無に左右されます。また、APIそのものが法改正や給与制度変更へ対応する機能ではありません。変更時は集計ルールと連携項目を確認し、給与計算まで通したテストを行います。

連携可能な代表的な外部システム一覧

データ分析画面を表示したノートパソコンのイメージ

連携先だけでなく、渡すデータの意味をそろえることが重要です。勤怠の労働時間を渡すだけでは会計の仕訳は完成せず、人事評価も決まりません。必要な給与計算や配賦、判断の工程を含めて担当部署と相談して接続範囲を決めます。

連携先データと用途導入前の確認
給与計算確定した労働時間・残業・休暇を給与へ反映承認済みか、締め後訂正をどう再送するか
会計給与計算結果や部門別人件費を仕訳・配賦に利用勤怠から直接か、給与システムを経由するか
人事・評価社員・所属の同期、勤怠情報の参照更新元を固定。勤怠だけで評価を自動確定しない
シフト・工数予定と実績の比較、案件別工数との照合勤務時間と案件別作業時間を区別
ERP・基幹社員・部門・実績を基幹業務へ連携コード体系、配賦ルール、製品版ごとの仕様
チャット・BI打刻漏れ通知、残業傾向の可視化通知先の閲覧権限、未確定データの表示

具体的には、Touch On Timeの公式連携一覧で、マネーフォワード クラウド給与、freee人事労務、給与奉行クラウドへの勤怠連携を確認できます。SmartHRとの従業員情報連携やカオナビとの連携も掲載されています。同じ「人事連携」でも方向と項目は異なるため、実際の組み合わせで確認しましょう。

API連携が可能な主要勤怠管理システム(2026年版)

主要4製品を、抽象的な対応度ではなく、公式に確認できる連携と利用条件で比較します。標準のサービス間連携が使えることと、自社で自由にAPI開発できることは区別してください。

製品公式に確認できるAPI・連携利用時の確認点
KING OF TIMEWebAPI仕様で従業員・日別/月別勤怠・打刻等を公開アクセストークン、読み書きの範囲、利用禁止時間帯を確認
ジョブカン勤怠管理公式連携案内に他社API連携を掲載有料プラン・事前申請・全権限管理者が条件。ジョブカン給与計算との連携は申請不要
Touch On Time公式FAQでWebAPI公開を案内管理画面で連携を有効化し、規約同意後にトークン発行
勤革時freee公式ヘルプに勤怠API連携手順を掲載全権管理者で認証し、両サービスの従業員番号を一致させる

KING OF TIMEの仕様書には、2026年2月17日の更新として従業員データの一括登録・更新API追加が記載されています。導入済みの連携でも、新しいAPIへ切り替える際は既存項目との互換性をテストします。

連携先のfreee人事労務APIはOAuth 2.0を利用し、利用できるAPIは契約プランのWeb機能に準拠します。SmartHRを人事情報の管理元にする場合も、勤怠実績と人事情報の役割を分け、必要な権限と対象データを確認します。

API連携の活用例と設計手順

連携設計を話し合う打ち合わせのイメージ

複数店舗を持つ小売業なら、店舗で勤怠を確定し、給与担当者が確定済み実績だけを取り込む構成が考えられます。以下は設計例であり、特定企業の削減実績ではありません。まず一店舗で既存の給与計算結果と比較し、深夜勤務や休暇を含めて一致を確認してから広げます。

製造業では、勤怠実績と案件別工数の差を確認する用途があります。勤革時とクラウドログの公式連携手順では、勤怠データの自動・手動連携が案内されています。クラウドログから勤革時への取込はできないため、連携方向を設計図に明記します。

  1. 給与反映・社員同期・通知など、最初の対象業務を一つ選びます。
  2. 社員コード、部門、勤務日、休暇区分の対応表と更新元を決めます。
  3. 日次・月次・通知のタイミングと、確定前後の扱いを決めます。
  4. 退職、異動、夜勤、半休、締め後修正を含めて試験します。
  5. 処理件数と合計値を照合し、失敗時の連絡・再実行を試して公開します。

API連携導入時の注意点と課題

ノートパソコンと認証端末のイメージ

認証情報は閲覧できる担当者を限定し、画面や共有シートへ貼り付けない運用にします。権限は必要な範囲だけにし、担当変更時の失効手順も定めます。実装や保守を外注する際は、開発パートナー選定ガイドも参考に、業務担当と技術担当の責任を分けましょう。

利用時間とレート制限も設計条件です。KING OF TIMEは原則8:30〜10:00と17:30〜18:30(日本時間)にAPIを利用できず、アクセストークンや打刻登録などは例外です。SmartHRのAPI概要ではトークンごとに5,000回/時・10回/秒、サブドメインごとに50,000回/分という制限を案内しています。

通信失敗時は、処理済みの社員・対象日を記録し、同じデータを二重登録しない再実行を設計します。社員コード変更、退職者、休暇区分の違い、締め後修正も要注意です。修正データを再送するか翌月に調整するかは給与担当と決め、エラー通知と復旧担当を運用手順に残します。

ノーコード連携と今後のDX推進

業務フローをホワイトボードで整理するイメージ

ノーコードやiPaaSは、打刻漏れ通知、承認待ち一覧、簡易ダッシュボードなどの構築候補になります。ただし接続先のAPI制限は変わらず、大量更新や複雑な承認には個別開発も比較します。費用を検討するときは構築だけでなく、実行量、監視、仕様変更への対応も含めましょう。

AIで残業傾向を分析する場合も、外部に渡す情報を絞り、閲覧権限を設けます。給与確定や人事評価を全面的に任せず、人が根拠を確認できる構成にします。自動化後の確認業務まで決めることが、継続的なDXの土台になります。

まとめ

勤怠管理のAPI連携は、給与、人事、会計、工数、チャット、BIの間に残る転記や照合作業を減らすための仕組みです。連携できるという表示だけで判断せず、必要な項目が取得できるか、登録もできるか、どのタイミングで動くかを確認しましょう。

KING OF TIME、ジョブカン勤怠管理、Touch On Time、勤革時には、それぞれ公式のAPI仕様や連携手順があります。公開APIと標準連携では使い方が異なり、契約条件、管理者権限、利用時間、回数制限も実装に影響します。導入直前には公式情報と契約環境を再確認してください。

最初に取り組む業務は、月末の給与反映や入社時の社員登録など、効果と照合方法が明確なものがおすすめです。少人数で試し、既存処理との結果の一致を確認すれば、接続範囲を広げる際の判断材料になります。CSVが十分に機能している工程まで一度に変える必要はありません。

実装前には、社員コード、休暇区分、締め後修正、退職者の扱いを決めます。障害時の再実行や手動処理への切り替えまで試すことで、給与確定直前に連携が止まっても対応しやすくなります。日々の監視と仕様変更の確認を誰が担うかも、開発の見積もり段階で明確にしましょう。

ノーコード総合研究所へご相談いただく際は、利用中の勤怠・給与・人事システム、現在のCSV、困っている確認作業を共有してください。標準機能、ノーコード、個別API開発の適用範囲を整理し、業務フローに合う連携方法を検討できます。

ビジネスの課題解決をサポートします

  • システム開発を短期間でコストを抑えて作りたい
  • システムのDX推進を進めていきたい
  • 社内の業務効率化を進めたい

ノーコード総合研究所に相談してみる

同意事項
詳細はプライバシーポリシーをご確認ください。
目次