システム開発 高い【2026年版】見積もりが膨らむ理由と下げ方
はじめに
システム開発の進め方や費用のご相談は、お問い合わせから承ります。
社内のExcel業務をシステム化しようと決め、開発会社から見積もりを取ったところ、金額に驚いた経験はないでしょうか。A社は300万円、B社は800万円と差が大きく、内訳は「基本設計:〇人月」「実装:〇人月」と書かれているだけで、妥当かどうか判断できない。勤怠管理を置き換えたいだけなのに、なぜこれほど高いのかと感じる担当者は少なくありません。
見積もりの根拠が分からないままでは、稟議も通しにくくなります。かといって安価なSaaSは、自社独自の承認フローや帳票に合わないことがあります。SaaSでは機能が足りないが、フルスクラッチは高すぎるというジレンマです。
システム開発が高い理由は、開発会社の利益だけではなく、人月で積み上げる見積もりの出し方と、手戻りに備えた安全幅にあります。加えて、既存システムとの連携、権限、セキュリティ、テスト、データ移行、保守運用といった目に見えにくい作業も含まれます。
この記事では、見積もりが高く不透明になる構造、見積書で確認すべき項目、ノーコード開発で見積もりの出し方がどう変わるか、外注前に整理する情報を2026年版として解説します。2026年に検討するなら、SaaS、ノーコード、個別開発を組み合わせ、必要な部分だけを作る考え方が現実的です。見積もりを下げる目的は、安い会社を探すことではなく、必要な機能と作らなくてよい機能を分けることです。発注側がこの整理をしておくと、開発会社も過剰な安全幅を入れにくくなります。
なぜ従来の開発(フルスクラッチ)の見積もりは高額で不透明なのか

システム開発が高いと言われる主な理由は、見積もりの出し方そのものにあります。
見積もりの正体は「人月単価」
フルスクラッチ開発は、エンジニアがプログラムを一から書く労働集約型の仕事です。そのため見積もりは、エンジニアの単価に作業期間を掛けた人月で計算されます。要件定義に2人月、設計に3人月、実装に5人月という積み上げ方です。
発注者には、その5人月が妥当なのか、なぜ必要なのかを判断する材料がありません。金額の大半が人件費で、しかも工程単位でしか示されないことが、見積もりを不透明に見せる原因です。
要件定義と手戻りのリスクが上乗せされる
従来のウォーターフォール型開発は、最初に仕様を確定させることを前提にします。しかし、IT専門家ではない発注者が、まだ存在しないシステムを文章だけで説明しきるのは困難です。
そこで開発会社は、仕様変更による手戻りに備えたリスク費用を、あらかじめ見積もりへ上乗せします。
見積もりを膨らませる作業項目
最初は顧客管理だけのつもりでも、実際にはログイン、権限、検索、帳票、通知、承認、履歴、CSV出力、外部連携が必要になります。費用は画面数よりも業務ルールと例外処理で膨らみます。
| 高くなる要因 | 内容 |
|---|---|
| 要件定義 | 業務フロー、例外、承認、権限の整理 |
| 既存連携 | 会計、CRM、SaaS、基幹システムとの接続 |
| 非機能要件 | セキュリティ、速度、可用性、監査ログ |
| テスト | 権限、入力、帳票、移行データの確認 |
| 保守運用 | 障害対応、軽微改修、問い合わせ対応 |
差し戻し、代理承認、締め日後の修正、退職者の権限などが入ると、設計とテストが増えます。
見積書で確認すべき費用項目

見積書は総額だけでなく、要件定義、画面設計、データ設計、実装、テスト、データ移行、マニュアル、保守、PM費用が含まれているかを確認します。安い見積もりほど、テストや保守が別料金になっていないかを見てください。項目ごとの見方はシステム開発 費用の内訳【2026年版】で詳しく解説しています。
相見積もりは、保守やデータ移行の有無など条件をそろえて比べます。高く見える見積もりでも、セキュリティや移行まで含まれていれば妥当な場合があります。
ノーコード開発は「見積もりの出し方」が根本から違う

工数の前提が違う
ノーコードでは、用意された部品を画面上で組み立ててシステムを作ります。コードを書く範囲が減るため、フルスクラッチで最も人月がかかる実装工程を短くできます。見積もりの土台になる工数が小さくなることが、費用が下がる根拠です。
「人月」ではなく「機能」で積算できる
実装工数が小さくなると、人月という大きな単位で見積もる必要が薄れ、機能単位の積算がしやすくなります。たとえば勤怠管理なら、次のように機能ごとに費用を分けられます。
- 勤怠打刻(スマホ対応)
- 残業申請・承認フロー(3段階)
- Excel出力
何を作るかといくらかかるかが対応するため、発注者が納得しやすく、削る機能も選びやすくなります。
手戻り(追加見積もり)のリスクを小さくできる
ノーコードはアジャイル型の進め方と相性がよく、数週間で動く試作品を見せ、触りながら修正を反映できます。認識のずれを早い段階で直せるため、手戻りによる高額な追加見積もりや、最初から上乗せするリスク費用を小さくできます。
ノーコードで下げやすい費用と下げにくい費用
ノーコードで下がるのは、主に実装と試作の工数です。一方で、要件定義、業務整理、権限設計、データ移行、セキュリティ確認、テスト、運用設計は消えません。ノーコードでも、設計を省略すれば安くなるわけではありません。また、ツールの月額費用が継続して発生します。Bubbleの現行プランは次のとおりです(2026年9月27日に公式で確認)。
| Bubbleのプラン | 月額(Webのみ・年払い) | 月額(Webのみ・月払い) | 条件 |
|---|---|---|---|
| Free | $0(年払い・月払いの区別なし) | $0 | 月50Kワークロード、開発中のアプリ向け |
| Starter | $29(年払い、ドル建て、税別の扱いは公式で確認) | $32(月払い) | 月175Kワークロード、公式に初期費用の記載なし |
| Growth | $119(年払い、ドル建て、税別の扱いは公式で確認) | $134(月払い) | 月250Kワークロード、公式に初期費用の記載なし |
| Team | $349(年払い、ドル建て、税別の扱いは公式で確認) | $399(月払い) | 月500Kワークロード、公式に初期費用の記載なし |
- 出典: Bubble Pricing、Bubble Docs: Pricing and plans
- Web+モバイルのプラン(年払い): Starter $59、Growth $209、Team $549
Nocoderiの支援範囲を知りたい場合は、株式会社ノーコード総合研究所【2026年版】Bubble受託開発・業務システム支援も参考になります。
【比較表】開発手法と見積もりの出し方

| 比較項目 | 既製SaaS | フルスクラッチ | ノーコード開発 |
|---|---|---|---|
| 見積もりの根拠 | 機能・ID数の月額 | 人月(工程単位で不透明になりやすい) | 機能単位で積算しやすい |
| 初期費用の傾向 | 小さい | 大きい | 中程度 |
| 自社業務へのフィット | SaaSに業務を合わせる | 高い | 高い |
| 手戻り・追加見積もり | 仕様変更は原則できない | 高額になりやすい | 試作で早めに調整できる |
| 向いているケース | 標準業務、早期導入 | 大規模、複雑な連携、高負荷処理 | MVP、社内業務、管理画面 |
SaaSで足りる業務はSaaSを使い、足りない部分だけをノーコードで補う構成が、見積もりを抑える近道です。近年は生成AIを使った要件整理やテスト支援も広がっており、見積もりの前提となる工数はさらに見直されつつあります。
見積もり前に整理する情報
開発会社へ相談する前に、現状の業務フロー、使っているExcelやSaaS、入力項目、承認者、帳票、通知先、権限、データ件数、外部連携、移行したい過去データを用意すると、見積もりの不確実性が下がります。
特に重要なのは、必須機能と後回し機能を分けることです。最初から全帳票を自動化せず、利用頻度が高い帳票だけを対象にする方法があります。最小構成で運用を始める考え方はMVP開発の費用とコスト見積もり【2026年版】も参考になります。
外注判断とNocoderiへの相談

外注すべきなのは、業務ルールが複雑、複数部署が使う、権限が細かい、既存システム連携がある場合です。単純な一覧管理や入力フォームだけなら、SaaSで足りることもあります。
Nocoderiに相談すると、SaaSで足りる範囲、Bubbleで作る範囲、個別開発が必要な範囲を切り分けられます。業務フローを見ながらMVPを設計し、無駄な見積もりを減らします。
まとめ
システム開発が高い理由は、エンジニアの人件費を人月で積み上げる見積もりの出し方と、仕様変更に備えて上乗せされる手戻りのリスク費用にあります。そこへ要件定義、例外処理、既存連携、権限、セキュリティ、テスト、データ移行、保守運用が加わり、金額が大きくなります。
見積書は総額だけで判断せず、どの作業が含まれ、どれが別料金かを確認してください。相見積もりでは条件をそろえることが前提です。
ノーコード開発は、実装工数を減らし、機能単位で見積もりを出せるため、何にいくらかかるのかが分かりやすくなります。試作を触りながら進めることで、手戻りによる追加費用も抑えやすくなります。ただし、要件定義や権限設計、テストは省けず、ツールの月額費用も継続してかかります。
見積もり前には、現状業務、入力項目、承認フロー、帳票、権限、連携、過去データを整理し、必須機能と後回し機能を分けてください。作る範囲をMVPとして絞れば、開発会社も現実的な提案をしやすくなります。
株式会社ノーコード総合研究所は、Bubbleなどのノーコードに特化した受託開発会社です。他社でフルスクラッチの見積もりを受け取ったシステムを、ノーコードならどの範囲で作れるか、どこまで費用を抑えられるかを一緒に確認できます。見積もりの出し方に疑問を持ったら、業務フローや既存の見積書をお持ちのうえでご相談ください。高い理由を分解できれば、削ってよい費用と守るべき品質を判断しやすくなります。
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