Difyプラグイン活用法|非エンジニアでも業務に使える拡張機能の使い方と事例
「DifyでAIアプリを作れたけど、もっと便利に使えないだろうか?」
「外部の情報やツールと連携できたら、もっと業務に活かせるのに…」
そんな悩みを解決するのが、Difyのプラグイン機能です。
Difyは、ChatGPTのようなチャット型AIを作るだけでなく、プラグインを活用することで外部サービスとの連携や業務処理の自動化が可能になります。
しかも、ノーコードで設定できるため、ITに詳しくない方でも簡単に拡張できます。
この記事では、非エンジニアでも理解できるように、Difyのプラグイン機能の仕組みから活用方法、導入手順、具体的な活用事例まで、丁寧に解説します。
Difyプラグインを使いこなせば、あなたの業務にピッタリのAIツールが完成するでしょう。
1-1 Difyのプラグイン機能とは?基本の仕組みを解説
Difyのプラグイン機能は、AIアプリが外部のデータやサービスとやりとりできるようにする拡張機能です。
これはChatGPTの「プラグイン」や「ツール呼び出し機能」と同じ概念で、APIを通じて外部の処理を行うことができます。
Difyプラグインの基本構成:
- 呼び出し元: Difyアプリ(ユーザーの入力に応じてAIが動く)
- 呼び出し対象: 外部APIやツール(Google検索、データベース、スプレッドシートなど)
- 連携方式: OpenAPI仕様の定義に基づいてAIが外部関数を実行
つまり、「ユーザーの問いに応じてAIが外部ツールを呼び出し、自動で結果を取得する」ことができるのです。
1-2 プラグインでできること【代表的な用途】
プラグインを活用すると、AIアプリの用途が大幅に広がります。以下はその一例です。
●外部データの検索・取得
- Web検索やニュース情報のリアルタイム取得
- 在庫や価格の確認
●社内システムとの連携
- 顧客データベースの検索
- 日報や業務データの登録・更新
●他サービスとの連携
- Googleカレンダーへの予定登録
- SlackやChatworkへの通知
●AIから業務処理を自動化
- タスクの自動作成
- ファイル作成・送信などの一連作業
つまり、AIが“対話するだけの存在”から“実務を行うパートナー”へ進化するのが、プラグイン機能の最大の魅力です。
2-1 Difyにプラグインを追加する手順【ステップ別】
Difyでは、以下の手順でプラグインを追加できます。
ステップ①:プラグイン画面へアクセス
- 管理画面にログイン
- 左メニューから「Plugins(プラグイン)」を選択
ステップ②:「Add Plugin(プラグインを追加)」を選択
- OpenAPI仕様のURL、またはローカルJSONファイルでアップロード
- 例:
https://api.example.com/openapi.json
ステップ③:プラグインの情報を確認して登録
- 名前、説明、エンドポイントなどを確認
- 認証が必要な場合はAPIキーやヘッダー設定を追加
ステップ④:アプリでプラグインを有効化
- プラグインを使いたいAIアプリを開く
- 「Plugin」設定から対象のプラグインをONにする
これで、AIアプリからそのプラグインが自動的に呼び出されるようになります。
2-2 ノーコードでも扱える?非エンジニア向けの使い方
Difyのプラグインは、技術的な部分を隠蔽した設計になっており、エンジニアでなくても使えます。
ノーコードでも扱える理由:
- OpenAPI形式の定義ファイルを読み込むだけで自動的にUI化
- APIキーの入力もフォームから設定可能
- Difyが自動で関数名やパラメータをAIに教えるため、プロンプト設計に集中できる
つまり、難しいコードを書くことなく、外部連携が可能になるノーコード型拡張機能といえます。
3-1 Difyプラグイン活用事例①:Google検索と連携するAI
ユースケース:最新情報を回答できるチャットボット
目的: ユーザーの質問に対して、リアルタイムの情報を取得して回答
設定概要:
- RapidAPIなどを経由してGoogle検索APIを取得
- OpenAPI仕様に基づく定義ファイルをDifyに登録
- プロンプトに以下を追加:
ユーザーの質問に対して、社内データに該当がない場合は、Google検索APIを使用して補足情報を取得してください。
取得した結果は「出典:URL」を付けて簡潔に紹介してください。
このように、DifyアプリからGoogle検索を呼び出し、信頼性の高い回答を構成できます。
3-2 Difyプラグイン活用事例②:社内データベースとの連携
ユースケース:顧客情報を即時に検索・回答
目的: 顧客名や案件IDから、対応履歴や担当者名をAIが即答
設定概要:
- 自社のCRMやGoogleスプレッドシートのAPIをOpenAPI形式で記述
- Difyにプラグイン登録
- プロンプトに以下を記述:
ユーザーが顧客名を入力した場合は、CRM検索プラグインを使って対応履歴を取得してください。
顧客が存在しない場合は「該当の顧客データは見つかりませんでした」と回答してください。
これにより、カスタマーサポートや営業の現場で、リアルタイムに正確な情報提供が可能になります。
4-1 Difyでプラグインを使いこなすためのプロンプト設計術
プラグインを活用する際は、AIがいつ・どう使うべきかを明確に指示することが重要です。
プロンプト設計のコツ:
- 利用条件を明確に指定
- 例:「社内FAQに該当がない場合のみプラグインを使用」
- 出力フォーマットを指定
- 例:「結果は箇条書きで簡潔に、出典URLも明記」
- 呼び出しタイミングのルール化
- 例:「ユーザーが“最新情報”と発言したら検索プラグインを使用」
プロンプトに「条件付きでプラグインを使う」という判断ロジックを組み込むことで、AIの動きに無駄がなくなります。
4-2 よくあるトラブルと対策
●プラグインが反応しない
→ プラグインがアプリに割り当てられているか確認
→ 必要なAPIキーや認証設定が入っているかチェック
●想定外のタイミングでプラグインを使ってしまう
→ プロンプト内に「いつ、どの条件で使うか」を厳密に記述
●レスポンスが遅い
→ 外部API側の速度や制限が影響している可能性あり。軽量APIやキャッシュ活用を検討
5-1 プラグインを自作するには?【中上級者向け】
もし自社で独自のAPIを開発している場合、Dify用プラグインとして登録できます。
作成の手順(概要):
- 自社APIをOpenAPI 3.0仕様で定義(YAML or JSON)
- 公開URLまたはローカルで定義ファイルを用意
- Difyの「Add Plugin」で読み込み・認証設定
- アプリに組み込み、プロンプトで使い方を定義
これにより、自社のあらゆるシステムをDifyのAIアプリから呼び出すことが可能になります。
まとめ|Difyプラグインを使って、AIの可能性を無限に広げよう
Difyはもともと高機能なノーコードAIツールですが、プラグインを使うことで“使えるAI”から“働くAI”へと進化します。
- 社内データとの連携
- Webサービスとの統合
- 業務処理の自動化
これらすべてが、専門知識不要で実現可能です。
今あるAIアプリに、あと少しの力を加えたい。
そんなときこそ、Difyのプラグインを活用してみてください。
あなたの業務に、さらに“手が届くAI”が誕生します。