総務省のAI活用施策と支援制度【2026年版】補助金・ガイドライン・導入手順
はじめに
AI活用を検討するとき、「総務省の支援制度は使えるのか」「補助金はあるのか」「生成AIを社内で使ってよいのか」と迷う企業や自治体担当者は多いです。ただし、2026年時点のAI関連施策は、総務省だけで完結しているわけではありません。総務省、デジタル庁、経済産業省、内閣府、中小企業向け補助金の情報を分けて確認する必要があります。
たとえば総務省は地域社会DX推進パッケージ事業で、計画策定支援、実証事業、体制整備支援を進めています。また、自治体DXの推進では、AIやRPAの活用で人手不足などの課題解決を図る方針が示されています。一方、生成AIの調達・利活用ルールはデジタル庁や経済産業省の資料も確認が必要です。
注意したいのは、「AI活用」という言葉の中に、実証、補助金、業務改善、セキュリティ、調達、職員教育が混ざっている点です。制度名だけを追うと、自社が申請できる制度と、自治体向けの政策資料と、AI利用時のガイドラインを混同しやすくなります。まずは制度探しの前に、対象業務、利用者、扱うデータ、期待する効果を整理することが出発点です。
この記事では、総務省のAI活用施策と支援制度を2026年9月時点の公式情報で整理し、自治体向け施策、相談窓口、中小企業が確認すべき補助金、ガイドライン、AI×ノーコードで小さく始める方法まで解説します。公募条件や対象経費は年度や公募回で変わるため、申請前に必ず各公式ページで最新の内容を確認してください。
総務省がAIを推進する理由

総務省は、AIを人口減少と人手不足のもとで行政サービスと地域経済を維持するための手段と位置づけています。自治体DXの推進ページでは、職員の適切な理解と安全性を確保しながら、RPAやAIで人手不足などの課題解決を図る方針が示されています。
総務省がAI推進で目指していることは、次の4つに整理できます。
- 人口減少・労働力不足への対応
- 行政の効率化とデジタル化(自治体DX)
- 地域課題の解決と地域経済の活性化
- 企業の生産性向上と国際競争力の強化
2025年には「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)が6月4日に公布され、9月1日に全面施行されました(内閣府 AI法のページ)。総務省も2026年7月に公表した令和8年版 情報通信白書でAIの進展を特集しており、AIの利活用は国全体の政策課題になっています。
AIで定型業務の自動化や最適化を進め、人が本来取り組むべき判断や対人業務に時間を使える状態を作ることが、総務省の施策に共通する考え方です。
AI活用施策は目的から見る
AI関連の支援制度は、名称だけで探すと混乱します。自治体の地域課題解決、行政内部の業務効率化、中小企業の省力化投資、AIシステムの安全な開発・利用では、見るべき制度が違います。最初に、自社や自治体が何を改善したいのかを一文で決めてください。
| 目的 | 確認する施策・資料 | 主な対象 | 見るべき点 |
|---|---|---|---|
| 地域課題解決 | 総務省 地域社会DX推進パッケージ事業 | 自治体等 | 実証、計画策定、体制 |
| 自治体業務のAI活用 | 総務省 自治体DX推進・AI導入ガイドブック | 自治体 | AI利用推進、事例、利用ルール |
| 専門家への相談 | 総務省 地域情報化アドバイザー | 自治体・地場企業等 | 申請期間、推薦要件 |
| 生成AI利用ルール | デジタル庁ガイドライン | 行政・参考利用 | 調達、リスク、運用 |
| 事業者のAI利用 | AI事業者ガイドライン | 企業・開発者 | チェックリスト、責任 |
| 省力化投資 | 中小企業省力化投資補助金 | 中小企業 | 対象経費、公募要領 |
制度名から探すより、業務課題、対象者、導入形態で絞ることが重要です。補助金は年度や公募回で条件が変わるため、申請前に必ず公式ページの公募要領を確認してください。
企業側で特に見落としやすいのは、AIそのものの費用だけではありません。業務データの整理、社内ルール作成、権限設計、既存システム連携、導入後のログ確認まで含めて計画しないと、申請書や稟議書で効果を説明しにくくなります。事業目的、対象経費、運用体制をセットで説明できるかを先に確認すると、使える施策を絞り込みやすくなります。
総務省の主なAI関連施策【2026年時点】

2026年9月時点で、総務省のAI関連施策は大きく「地域のDX支援」「自治体業務のAI活用」「働き方の相談支援」に分かれます。
地域社会DX推進パッケージ事業
地域社会DX推進パッケージ事業は、自治体などがデジタル技術で地域課題を解決する取り組みを支援する事業です。公式ページには、計画策定支援、自治体の基盤整備支援、地域情報化アドバイザー、AI活用のタイプを含む実証事業、体制整備支援が並んでおり、令和8年度の公募情報も掲載されています。
以前はIoTやAIの地域実装を個別の事業として紹介することが多くありましたが、現在はこのパッケージ事業の中で、計画づくりから実証、体制づくりまでを段階的に支援する形になっています。スマートシティのような地域全体のデータ活用も、実証や計画策定の枠で検討するのが現実的です。
自治体DXとAI・RPAの活用促進
総務省は自治体DX推進計画を改定しながら、自治体のAI・RPA活用を進めています。2026年4月24日には、令和7年度「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」の結果を公表しました(総務省 報道資料)。調査時点は2025年10月31日で、都道府県と市区町村の導入状況を把握できます。
自治体におけるAI活用・導入ガイドブック(第4版)
2025年12月16日に公表された自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編>(第4版)では、生成AIの利用方法、利活用事例、利用時の留意事項が追加されました。自治体が作る生成AI利用ガイドラインのひな形も別添で用意されています。企業にとっても、行政がAIを導入するときに何を確認するのかを知る資料として役立ちます。
テレワークの相談支援
総務省は厚生労働省と連携し、テレワーク相談センターでICTと労務管理の両面から相談を受け付けています。専門家のテレワークマネージャーによる相談もあり、業務の可視化やクラウドツールの導入を検討する段階で使えます。
総務省のAI人材育成・相談支援
AIを導入するには、ツールだけでなく、使いこなせる人材と相談できる相手が必要です。総務省は自治体や地域の事業者向けに、専門家の派遣と体制づくりの支援を用意しています。
地域情報化アドバイザー制度
地域情報化アドバイザー派遣制度は、ICTやDXに詳しい専門家を派遣し、助言を行う制度です。令和8年度は2026年4月27日から12月18日15時まで派遣申請を受け付けています(総務省 報道資料)。
アドバイザーの旅費と謝金は総務省が負担し、1件の申請につき合計21時間以内(1日最大7時間)で支援を受けられます。対象は地方公共団体、NPO、大学、商工会議所、地場企業などで、NPOや大学、商工会議所などが申請する場合は、地方公共団体または総合通信局の推薦が必要です。費用負担なしで専門家に相談できるため、AI導入の最初の壁打ちに向いています。アドバイザーの一覧と申請手順は地域情報化アドバイザー公式サイトで確認できます。
体制整備支援とガイドブックの使い方
地域社会DX推進パッケージ事業には体制整備支援があり、自治体がDXを進める推進体制づくりを後押ししています。職員研修の教材としては、前述のガイドブック第4版が使えます。導入手順、利用ルール、事例がまとまっているため、研修やルール作りの叩き台にしやすい資料です。
補助金や予算措置による支援内容

総務省の地域社会DX推進パッケージ事業は、主に自治体を対象とした予算措置です。企業が直接申請する制度ではないため、民間企業は自治体の実証事業に参加する形で関わるのが一般的です。補助率や上限額はメニューと年度ごとに異なるため、令和8年度の公募要領で確認してください。
中小企業が自社のAI・自動化投資に使える制度としては、中小企業省力化投資補助金(一般型)があります。2026年9月27日時点の公式ページでは、第8回公募の申請受付が9月18日に始まっています。
| 従業員数 | 補助上限額(大幅賃上げ特例の適用時) | 補助率 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円(1,000万円) | 中小企業1/2(最低賃金引き上げ特例で2/3)、小規模企業者・再生事業者2/3 |
| 6〜20人 | 1,500万円(2,000万円) | 同上 |
| 21〜50人 | 3,000万円(4,000万円) | 同上 |
| 51〜100人 | 5,000万円(6,500万円) | 同上 |
| 101人以上 | 8,000万円(1億円) | 同上 |
補助金は後払いが原則で、採択後も交付申請、実績報告、効果報告が続きます。AIツールの購入だけでなく、業務プロセスがどう省力化されるかを数値で説明できることが採択の前提です。AI関連の補助金をより広く比べたい場合は、経済産業省系のAI補助金の比較記事も参考にしてください。
2026年時点で確認すべき公的施策
総務省以外にも、AI活用では確認すべき公的な資料があります。
生成AIの利用ルールでは、デジタル庁が2026年6月12日に行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(第2.0版)を策定しました。2025年5月27日に策定された前版を、技術の進展やユースケースの拡大を踏まえて改定したものです。さらにガバメントAI「源内」は2026年3月から大規模実証を始め、2026年度中に全府省庁約18万人の政府職員が生成AIを利用できるようにする計画です。
企業がAIを開発・提供・利用する場合は、総務省と経済産業省が2026年3月31日に公表したAI事業者ガイドライン(第1.2版)を確認します。あわせて、内閣府が2025年12月19日に決定した人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針(AI指針)も、事業者の責任範囲を整理するうえで参考になります。
自治体のAI活用状況と活用業務

総務省の資料「自治体における生成AI導入状況」によると、2024年12月31日時点で生成AIを導入済みの団体は、都道府県で87.2%、指定都市で90.0%でした。一方、その他の市区町村は29.9%にとどまり、団体規模による差が大きい状況です。
活用が進んでいる業務は、あいさつ文やメール文案の作成、議事録の要約、表計算のマクロ作成などの文書・事務作業です。庁内の規程やマニュアルを参照させて回答を作る仕組み(RAG)を使う例も増えています。こうした事例はガイドブック第4版にもまとまっており、具体的な使い方を検討する材料になります。
小規模な自治体では、職員数が少なく、AIの選定や利用ルール作りに手が回らないことが導入の壁になっています。地域情報化アドバイザーやガイドブックのひな形は、こうした団体が最初の一歩を踏み出すための支援として位置づけられます。
想定ケース: 社内FAQをAI×ノーコードで始める
公的施策を調べるだけでは、AI導入は進みません。中小企業なら、まず社内FAQ、問い合わせ一次対応、議事録整理、営業資料作成のように、効果を測りやすい業務から始めるのが現実的です。

たとえば社内FAQを作る場合、既存マニュアル、問い合わせ履歴、規程を整理し、AIが回答案を作り、人が承認する形にします。Difyで回答生成やナレッジ検索を作り、Bubbleなどのノーコードで質問画面、承認画面、ログ、権限、管理画面を作る構成です。AI導入時の失敗パターンはAI導入失敗を防ぐ方法でも整理しています。
この段階で補助金を検討するなら、ツール名ではなく、事業目的、対象経費、導入効果、事業計画、見積書、効果測定の準備が必要です。AI活用の施策や支援制度は、導入目的と効果測定が説明できて初めて使いやすくなります。
実装を小さく始める場合は、最初から全社の問い合わせをAIに任せないほうが安全です。まずは総務、人事、営業支援など一部の業務に限定し、回答候補、参照元、承認者、修正履歴を残します。生成AIは、回答精度よりも確認者とログの設計が先です。この順番にすると、社内説明、リスク管理、補助金申請時の効果測定がつながりやすくなります。
Nocoderiのようなノーコード開発支援を使う場合、PoC段階では質問画面、管理画面、権限、ログ、簡易レポートまでを短期間で形にできます。その後、利用ログを見ながら対象部署を広げたり、既存のCRM、勤怠、問い合わせ管理と接続したりする流れが現実的です。
総務省の資料・ポータルサイトの使い方
総務省のAI関連情報は複数のページに分かれています。目的に応じて、次のページから確認すると迷いにくくなります。
- 地域社会DX推進パッケージ事業のページ: 実証事業や計画策定支援の公募情報、成果状況を確認できます
- 自治体DXの推進のページ: 自治体DX推進計画、AI導入ガイドブック、RPA導入ガイドがまとまっています
- 地域情報化アドバイザー公式サイト: アドバイザーの一覧と派遣申請の手順を確認できます
- 情報通信白書: 国内外のAI利用の現状や企業の取り組み状況を確認できます
公式ページは更新頻度が高く、同じ事業でも年度ごとにページが分かれることがあります。「AI」「DX」「令和8年度」などの語でサイト内検索し、公表日を確認してから読むと効率的です。
企業・自治体がAI導入時に注意すべきポイント
支援の対象と条件を先に確認する
補助金や実証事業は、対象者、対象経費、実施期間が決まっています。ツールや委託先を先に決めてしまうと、要件に合わず申請できないことがあります。公募要領を読んでから、ツール選定と見積もりに進んでください。
実証から始めて段階的に広げる
いきなり全庁・全社に展開すると、想定外の誤回答や運用負荷が表面化したときに立て直しが難しくなります。小規模に導入し、効果を測り、ルールを直してから広げる流れが安全です。
導入目的を明確にする
「AIを入れること」が目的になると、効果が測れず定着しません。どの業務の、どの作業時間を、どれだけ減らしたいのかを最初に決めてください。
導入後の教育・運用体制を用意する
AIの回答を誰が確認し、誤りを見つけたときに誰が直すのかを決めておく必要があります。操作説明や利用ルールの研修も、導入と同じくらい重要です。
失敗しやすい点とNocoderiで補えること
AI施策や補助金の活用で失敗しやすいのは、制度に合わせて無理にシステムを作ることです。補助対象になりそうだから導入する、生成AIが流行しているから契約する、自治体事例があるから同じことをする、という進め方では現場に定着しません。データ未整理、権限未設計、現場教育不足、運用担当不在があると、AIは使われなくなります。
Nocoderiでは、AIで解くべき業務の選定、PoC設計、Dify/OpenAI API連携、Bubbleによる管理画面、権限、ログ、承認フロー、運用改善まで支援できます。AI導入で失敗しない考え方はAI導入失敗を防ぐ方法でも整理しています。業務システム全体の相談はノーコード総合研究所のシステム開発支援から確認できます。

総務省のAI施策を活用するための第一歩
- 課題を言語化する: 自社や自治体の中で、AIで解決したい業務課題を一文で書き出します
- 相談窓口に連絡する: 自治体の担当課、商工会議所、地域情報化アドバイザーなどに相談し、使える施策を確認します
- 導入パートナーを探す: 業務設計から実装、運用まで伴走できる開発会社やベンダーを選びます
最初の相談では、対象業務、現状の作業時間、扱うデータ、関係者を整理しておくと、使える制度と導入方法を具体的に検討できます。
今後の総務省AI推進の展望
2025年9月にAI法が全面施行され、2025年12月23日には同法に基づく最初の人工知能基本計画が閣議決定されました。2026年7月14日には改定版の人工知能基本計画が閣議決定されており、国全体でAIの利活用と安全性の確保を両輪で進める方向が明確になっています。
行政の現場では、デジタル庁の源内のように、政府職員が日常業務で生成AIを使う環境が整いつつあります。総務省も自治体向けのガイドブック改定や調査を続けており、今後は導入済みの団体と未導入の小規模団体の差をどう埋めるかが焦点になります。企業にとっては、行政のルールやガイドラインに沿った形でAIを提案・導入できるかが、自治体案件や補助金活用の前提になっていきます。
まとめ
総務省のAI活用施策は、地域社会DX推進パッケージ事業、自治体DXとAI・RPAの活用促進、ガイドブック第4版、地域情報化アドバイザーなどに分かれています。さらにデジタル庁の生成AIガイドライン第2.0版や源内、経済産業省と総務省のAI事業者ガイドライン第1.2版、内閣府のAI指針、中小企業省力化投資補助金まで、目的に応じて見るべき資料が変わります。
ただし、制度情報を集めるだけではAI導入は成功しません。最初に決めるべきことは、どの業務を改善するのか、どのデータを使うのか、誰が確認するのか、どのKPIで効果を見るのかです。補助金を検討する場合も、対象経費や公募条件だけでなく、導入後の運用体制まで説明できる必要があります。施策や支援制度は、業務課題と実装計画がそろって初めて活かせます。
まずは、対象業務を一つに絞り、現状の作業時間、発生件数、担当者、確認フロー、使えるデータを棚卸ししてください。そのうえで、制度に合わせて開発するのではなく、必要な業務改善に合う施策を選ぶほうが実務に定着します。
Nocoderiでは、AI×ノーコードで社内FAQ、問い合わせ一次対応、営業支援、議事録・タスク化、管理画面を小さく始める支援ができます。相談前には、困っている業務、利用者、使えるデータ、既存システム、申請したい制度、希望する効果を整理してください。

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