kintone 競合比較【2026年版】主要7製品の機能・料金・選び方
はじめに
kintoneの競合を比較するときは、料金表だけで判断しないことが重要です。 kintoneは社内業務アプリを現場主導で作りやすいサービスですが、Microsoft環境、Google Sheets連携、顧客管理、オンプレミス運用、外部向けWebアプリでは、別の選択肢が合うことがあります。
難しいのは、kintoneの代替候補として名前が挙がる製品の目的がそろっていないことです。業務データベース、営業支援(SFA)、ノーコード・ローコードの開発基盤、オープンソースのアプリ基盤では、得意な業務も料金の数え方も違います。目的の違う製品を同じ表に並べて点数を付けると、導入後に「思っていた使い方ができない」というずれが起きやすくなります。
この記事では、kintoneと類似する主要7製品(Power Apps、AppSheet、Airtable、Notion、Salesforce Sales Cloud、Forguncy、NocoBase)を、カテゴリ、機能、料金、権限、連携、内製の難しさ、運用、オンプレミス対応で比較します。料金は2026年10月3日に各社の公式ページで確認した内容です。
なお、この記事は競合製品の横断比較に絞っています。kintone単体のプラン別料金や数年運用の総額はkintone料金の解説記事、基本機能やできないことはkintoneとは?の解説記事で詳しく扱っています。
kintone 競合の比較対象を定義

kintoneと比べられる製品は、大きく4つのカテゴリに分かれます。最初にカテゴリを分けておくと、目的が違う製品を同列に評価する失敗を避けられます。
| カテゴリ | 主な製品 | 得意なこと | kintoneとの比べ方 |
|---|---|---|---|
| 業務データベース・ノーコード | kintone、AppSheet、Airtable、Notion | 表形式のデータ管理、入力フォーム、一覧、通知 | 現場がどこまで自分で作れるか、既存のグループウェアと合うか |
| ローコード開発基盤 | Power Apps、Forguncy | 業務画面の作り込み、既存DBや社内システムとの接続 | IT部門の統制や既存環境との連携をどこまで求めるか |
| SFA・CRM | Salesforce Sales Cloud | 顧客、商談、売上予測などの営業管理 | 汎用の業務アプリを作るのか、営業管理の型を使うのか |
| OSSのアプリ基盤 | NocoBase | 自社サーバーで動かすデータ管理アプリ | データの置き場所とライセンス費用の考え方 |
同じカテゴリの中で比べれば、料金や機能の差がそのまま判断材料になります。一方でカテゴリをまたぐ比較では、製品の優劣より「自社の課題がどのカテゴリに当たるか」を先に決める必要があります。
kintone 競合を選ぶ前に決めること
最初に決めるべきことは、何を作りたいのかです。社内の案件管理や申請管理を作るのか、顧客向けサービスを作るのか、既存SaaSをつなぐのかで、必要な機能は変わります。
比較の前に、利用者、データ量、権限、外部公開、連携先、画面の自由度、予算を整理します。
| 選定軸 | 確認すること |
|---|---|
| 利用者 | 社内だけか、取引先や顧客も使うか |
| データ | 一覧管理中心か、複雑なDB設計が必要か |
| 連携 | API、フォーム、チャット、会計との接続 |
| 権限 | 部署別、顧客別、管理者別の制御 |
| 画面 | 業務画面で十分か、外部向けUIが必要か |
| 設置場所 | クラウドでよいか、自社サーバーに置く必要があるか |
この段階で、現場が自分で改善を続けたいのか、IT部門が全社統制したいのかも確認します。前者ならkintoneやAppSheet、後者ならPower Appsや個別開発が合う場合があります。自社の業務フローと運用体制に合うかを先に見ておくと、導入後の作り直しを避けやすくなります。
主要競合の比較表(機能・公式料金・オンプレ可否)

まず、料金と提供形態を比べます。各行の金額は、行内に書いた前提(税抜・税込、年払い・月払い、最小人数、課金単位)で読んでください。
| 製品 | 公式料金の要点(確認日: 2026-10-03) | 料金の前提 | オンプレ可否 |
|---|---|---|---|
| kintone | ライト1,000円、スタンダード1,800円、ワイド3,000円/ユーザー月額 | 税抜、月額または年額、最小10ユーザー(ワイドは1,000ユーザー)(公式) | クラウド提供 |
| Power Apps | Developer Plan無料、Premium $20/user/month、2,000席以上は$12/user/month | 年払い、米ドル表示、Developer Planは開発・テスト用(公式) | クラウド提供。オンプレのDBはゲートウェイ経由で接続(公式) |
| AppSheet | Starter $5、Core $10、Enterprise Plus $20/user/month | ユーザー月額、米ドル表示、Coreは多くのGoogle Workspaceプランに含まれる、Enterprise PlusはWorkspace管理者のみ購入可(公式) | クラウド提供 |
| Airtable | Free、Team $20、Business $45/user/month、Enterprise Scaleは個別見積もり | 年払い、米ドル表示(公式) | クラウド提供 |
| Notion | Free、Plus ¥1,650、Business ¥3,150/メンバー/月、Enterpriseは個別見積もり | 月払い、年払いで最大20%割引、消費税は該当する場合に加算(公式) | クラウド提供 |
| Salesforce Sales Cloud | Starter Suite 3,000円、Pro Suite 12,000円/ユーザー/月、上位エディションあり | 税抜、Starter Suiteは月払いまたは年払い、Pro Suite以上は年間契約(公式) | クラウド提供 |
| Forguncy | 開発用Builder Pro 189,200円、Server基本ライセンス594,000円、同時接続5接続308,000円から | 税込、買い切り型、初年度保守込み、2年目以降は保守更新費、同時接続数で課金(公式) | 可(自社サーバーやクラウドの仮想マシンに設置。月額のクラウドプランもあり) |
| NocoBase | Community無料、Standard $800、Professional $8,000、Enterpriseは問い合わせ | 買い切り型、商用版は1年間のアップグレード付き、米ドル表示、ユーザー数・アプリ数は無制限(公式) | 可(オープンソース、自社環境に設置) |
次に、機能と運用面を比べます。内製難易度は、各製品の作り方をもとにした当社の目安です。
| 製品 | 主な機能 | 権限 | 連携 | 内製難易度の目安 | 運用 |
|---|---|---|---|---|---|
| kintone | フォーム、一覧、プロセス管理、コメント | アプリ・レコード・フィールド単位 | REST API、プラグイン(スタンダード以上) | 低(現場担当者が作れる) | ベンダーがクラウドを運用 |
| Power Apps | キャンバスアプリ、モデル駆動型アプリ、Dataverse | Microsoft Entra IDとセキュリティロール | Microsoft 365、Teams、多数のコネクタ | 中(数式とデータ設計の理解が要る) | IT部門の環境管理と組み合わせる |
| AppSheet | スプレッドシートやDBからアプリ生成、自動化 | ユーザーごとのアクセス制御、セキュリティフィルタ | Google Sheets、Google Workspace、各種DB | 低〜中 | Google Workspace管理と組み合わせる |
| Airtable | グリッド、カンバン、カレンダーなど複数ビュー | ワークスペース・ベース単位の共有 | API、自動化、外部サービス連携 | 低 | ベンダーがクラウドを運用 |
| Notion | ドキュメント、データベース、タスク管理 | ページ単位の共有 | API、外部サービス連携 | 低 | ベンダーがクラウドを運用 |
| Salesforce Sales Cloud | 顧客・商談・売上予測などの営業管理 | プロファイル、ロール、共有ルール | API、AppExchange | 中〜高(設定項目が多い) | 管理者の設定・保守が前提 |
| Forguncy | Excelに近い画面設計、業務Webアプリ | ユーザー・ロールによる制御 | 外部DB、Web API | 中 | 自社でサーバーを運用 |
| NocoBase | データモデル、画面、ワークフローをプラグインで構成 | ロールと権限設定 | 外部DB、API、プラグイン | 中〜高 | 自社でサーバーと更新を運用 |
料金体系の違いに注意する
料金は、同じ「月額」でも数え方が違います。kintone、Power Apps、AppSheet、Airtable、Notion、Salesforceは利用ユーザー数で、Forguncyは同時接続数で、NocoBaseは買い切りのライセンスで費用が決まります。利用者が100人いても同時に使う人が少ない業務では同時接続課金が合う場合があり、逆にサーバー運用の人件費を含めると買い切り型が割高になる場合もあります。
月額料金だけでなく、最小ユーザー数、APIの上限、外部公開、権限管理、運用の手間まで含めて比べることが、導入後のずれを減らします。 レビューサイトの満足度は参考になりますが、利用規模や用途の違う回答が混ざるため、候補を絞った後の確認に使うのが現実的です。
用途別の選び方

比較表を見ても候補が多い場合は、用途から絞ります。
現場内製で業務アプリを作る
社内の案件管理、申請、日報、問い合わせ管理を現場主導で作るならkintoneが候補になります。フォーム、一覧、通知、承認、コメントがまとまっており、非エンジニアでも業務アプリを作りやすいからです。Google Workspaceとスプレッドシートを中心に業務を回している企業なら、AppSheetも同じ位置付けの候補です。
Microsoft環境を活かす
Microsoft 365、Teams、SharePoint、Dataverseを使っている企業ならPower Appsが合います。既存のMicrosoft環境と連携しやすく、IT部門主導で統制しながらアプリを作りたい場合に向いています。
顧客管理・営業管理(CRM)が中心
顧客、商談、売上予測の管理が目的なら、Salesforce Sales CloudのようなSFA・CRMが比較対象です。kintoneは汎用の業務アプリを組み立てる製品、Salesforceは営業管理の型を持つ製品という違いがあります。 営業以外の業務もまとめたいならkintone、営業プロセスの標準化を優先するならSFAが合います。
OSS/オンプレで運用したい
社内規程でデータを自社サーバーに置く必要がある場合は、オンプレミスに設置できるForguncyやNocoBaseが候補になります。NocoBaseはオープンソースで、ユーザー数に応じた費用がかからない一方、サーバーの構築と更新を自社で担います。導入の流れはNocoBaseの使い方で解説しています。
大規模業務・全社展開
全社の基幹に近い業務では、承認フロー、監査ログ、部署ごとの入力制限、帳票出力が重要になり、見た目の使いやすさだけでは判断できません。kintoneの大規模向けのワイドコース、Power Apps、個別開発を含めて、データの持ち方、権限設計、将来の拡張方法まで比べます。
柔軟なDB・ナレッジ管理
Airtableは、データベースを複数のビューで見せたいチームに向いています。Notionは、業務アプリというより、ナレッジ、タスク、議事録、軽量DBをまとめたい場合に向いています。Notion連携の活用例やNotionのノーコード自動化も参考にしてください。小さな部署の管理表ならAirtableやNotionで十分なこともあります。
kintoneではなく個別開発が向くケース

kintoneや競合製品は、社内業務を早く整えるには有力な選択肢です。ただし、要件によっては製品の標準機能では収まらず、個別開発のほうが合うことがあります。
| 状況 | 製品で進める | 個別開発を検討する |
|---|---|---|
| 利用者 | 社内メンバーが中心 | 顧客や取引先が直接使う |
| 画面 | 業務画面で十分 | スマホ向けUIや会員画面を作り込みたい |
| 権限 | 部署・役割単位 | 顧客ごと、契約ごとに細かく分けたい |
| 連携 | 標準連携・プラグインで足りる | 複数システムとAPIで双方向につなぐ |
| 事業 | 社内の効率化 | サービスとして収益化したい |
予約、マッチング、決済、会員制サービスのように外部ユーザーの体験が重要な場合は、Bubbleのようなノーコード開発や通常のプログラミング開発が比較対象になります。両者の違いはノーコードとプログラミングの違いで整理しています。kintoneで業務管理の土台を作り、外部向け画面だけをBubbleや別システムで作る分担も現実的です。
当社ではBubbleを使った業務システムやWebアプリの受託開発を支援できます。kintoneの標準機能やプラグインで足りるのか、個別開発に切り替えるべきかという段階から相談でき、外部向け画面だけを作る構成も一緒に検討できます。発注先の選び方はBubble開発会社の選び方も参考にしてください。
まとめ
kintoneの競合を比べるときは、まず製品のカテゴリを分け、そのうえで料金、機能、権限、連携、運用、オンプレミス対応を見ます。業務データベース、ローコード開発基盤、SFA・CRM、OSSのアプリ基盤では得意分野が違うため、同じ土俵で点数を付けても判断材料になりません。
用途で整理すると、現場内製ならkintoneやAppSheet、Microsoft環境を活かすならPower Apps、営業管理が中心ならSalesforce、データを自社サーバーに置くならForguncyやNocoBase、柔軟な情報管理ならAirtableやNotionが候補です。全社の基幹に近い業務では、kintoneの上位コースやPower Appsに加えて個別開発も比較に入れます。
料金は課金単位と前提条件をそろえてから比べることが重要です。 ユーザー課金、同時接続課金、買い切りでは同じ利用人数でも総額の出方が変わり、税抜・税込や年払い・月払いでも見え方が変わります。この記事の金額は2026年10月3日時点の公式情報なので、最終判断の前に候補を2、3製品に絞り、公式見積もりを確認してください。
最終的には、候補ツールで小さな業務を1つ作り、入力、検索、承認、通知、権限、保守のしやすさを確かめるのがおすすめです。実際の運用に近い形で試すと、料金表だけでは見えない使い勝手や制約を判断できます。製品で収まらない要件が見えた場合は、個別開発との組み合わせも含めて検討してください。

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