SaaS導入事例【教育業界編】|学校・教育機関のDX成功事例と導入のポイント

目次

はじめに

教育現場のICT化が進み、学校や教育機関でSaaS(Software as a Service)を使う場面が増えています。GIGAスクール構想による1人1台端末の整備、遠隔授業の経験、教職員の働き方改革などが背景にあり、クラウドサービスで教育環境や校務を見直す動きが広がっています。

本記事では「SaaS 導入事例 教育」という観点から、小中高・大学・専門学校・民間教育機関で使われている代表的なSaaSを取り上げ、どのような課題に使われているかを解説します。製品名と機能は2026年10月時点の公式情報で確認しています。学校名や効果の数値を挙げていない例は、使い方を示すための説明用の例です。

既製のSaaSでは自校や自社の業務に合わず、独自のシステムを作るか外注するかを検討する場合もあります。その際は、webシステム開発会社の選び方|種類・費用相場と失敗しない発注のコツで、依頼先の種類と費用相場を確認できます。

学校現場でのSaaS活用:Google Workspace for Educationの活用事例

GIGAスクール構想で整備された端末と合わせて、「Google Workspace for Education」を使う小中学校は多くあります。無償エディションの「Education Fundamentals」は所定の要件を満たす教育機関が利用でき、Classroom、Gmail、カレンダー、Google Meet、ドキュメント、フォームなどが含まれます。高度なセキュリティ機能などを加えた有償の「Education Plus」もあります。

授業では、資料の配布や課題の提出・返却をClassroomにまとめ、コメントでフィードバックを返す使い方が一般的です。たとえば、全教員と生徒にアカウントを配り、配布物をClassroomで一元管理すれば、紙の印刷や回収の手間を減らし、未提出者もその場で把握できます。オンライン授業や保護者面談にはGoogle Meet、行事予定の共有にはカレンダーを使えます。

(出典:Google for Education「エディションの比較」、2026年10月3日確認)

高等学校における進路指導の効率化:キャリアSaaSの導入効果

高校教育では、進路指導や進学対策で生徒ごとの対応が求められます。リクルートは学校向けに、適性診断や学校情報の提供を通じて高校3年間の進路指導を支援するサービスと、先生が生徒一人ひとりの進路・学習情報を一元化・可視化できるシステムを案内しています。生徒は進路情報サイト「スタディサプリ進路」で大学・短大・専門学校の情報を調べられます。

たとえば、生徒の志望校や適性診断の結果、面談の記録をクラウド上にまとめておけば、担任と進路指導担当が同じ情報を見ながら指導できます。保護者面談でも、最新の情報をその場で示しやすくなります。

(出典:スタディサプリ 学校向けサービス、スタディサプリ進路、2026年10月3日確認)

大学でのLMS導入事例:授業と成績管理のDX化

大学ではLMS(Learning Management System)として「Canvas」「Moodle」「manaba」などが使われています。たとえばCanvas LMSは、成績表の「Gradebook」、課題の採点やルーブリック評価、フィードバックをまとめて行う「SpeedGrader」、授業テンプレートを全学に展開する「Blueprint コース」、学生のアクセスや提出状況を確認するレポートなどを備えています。

授業資料・課題提出・小テスト・成績管理をLMSにまとめると、Excelでの集計や転記の手間が減ります。入力ミスの防止やフィードバックの迅速化にもつながります。学生にとっても、提出状況や成績を一か所で確認できる利点があります。

(出典:Instructure「Canvas LMS」、2026年10月3日確認)

教育系ベンチャーのオンライン学習SaaS事例:自社プロダクトの展開とスケーラビリティ

民間の教育系企業が自社でオンライン教材を開発し、全国の教室へ提供する例もあります。たとえば、子ども向けプログラミング教室「QUREO(キュレオ)」は、サイバーエージェントグループとスプリックスが共同で設立した会社が運営し、独自開発のオンライン教材を使う教室を全国に展開しています。

教材をクラウドで提供すると、教室の規模や立地にかかわらず同じ内容の教材を使え、新しい教室を加えるときも教材を一から用意する必要がありません。生徒ごとの進み具合に合わせて個別に指導しやすい点も、オンライン教材の特徴です。

(出典:QUREO プログラミング教室 公式サイト、サイバーエージェント プレスリリース、2026年10月3日確認)

専門学校での就職支援SaaS導入:キャリア指導の個別最適化

専門学校では、卒業後の就職支援が教育機関の大きなミッションの一つです。学生が使う就職支援サービスには、企業が学生のプロフィールを見て、興味を持った学生にオファーを送る「OfferBox」のようなオファー型の就活サービスがあります。OfferBoxは適性診断「AnalyzeU+」も備えています。

たとえば、学生がこうしたサービスに自己PRや経験を登録し、教職員が面談で登録内容を一緒に見直せば、学生ごとの強みや希望に合わせた指導がしやすくなります。応募状況や面接予定を学校側でも把握できる仕組みを用意しておくと、支援が必要な学生に早めに声をかけられます。

(出典:OfferBox 公式サイト、2026年10月3日確認)

SaaS導入により実現した教職員の業務効率化

教育業界では、生徒・学生への教育だけでなく、教職員の事務処理や校務のDXも大きな課題です。校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」は、成績処理、通知表、指導要録、保健、出欠などの情報を一元管理し、学校や教育委員会向けのダッシュボードも備えています。インターネット経由で利用できるクラウド版「C4thクラウド」も提供されています。

手作業で転記していた成績や出欠のデータをシステムで集計すれば、通知表作成などの負担を減らせます。管理職が学校全体の出席状況や成績の傾向を把握しやすくなる点も、校務支援システムを使う利点です。

(出典:EDUCOM「EDUCOMマネージャーC4th」、2026年10月3日確認)

校務に限らず、バックオフィスや営業など部門ごとにSaaSで業務が効率化できる理由や、導入時の選定ポイントは「SaaSによる業務効率化のすべて」で詳しく解説しています。

保護者連携の強化:連絡帳SaaSの成功事例

保護者との連絡も、SaaSで見直しやすい業務です。学習塾・スクール向けの「Comiru」は、プッシュ通知で届くお知らせとアンケート、アプリからの欠席連絡、面談予約、指導報告書、請求書の配信などを備えています。学校向けの「Classi」には、保護者がお知らせを受け取ったり欠席連絡をしたりできる「Classiホーム」があります。

たとえば、欠席連絡や面談予約を電話からアプリに移せば、朝の電話対応や日程調整の手間を減らせます。既読・未読を確認できれば、緊急の連絡が届いたかも把握しやすくなります。

(出典:Comiru 公式サイト、Classi 公式サイト、2026年10月3日確認)

教育データ活用とSaaSの連携:学習ログとBIツールの融合

SaaSの導入が進むと、教育データの活用もしやすくなります。たとえば、LMSの学習ログをBIツール(Tableau、Lookerなど)とつなげ、生徒の学習パターンや課題の傾向を可視化する方法があります。

特定の単元で正答率が低いことがわかれば、その単元の補習や授業の進め方を見直す判断材料になります。教育分野のSaaSは、単なるツールにとどまらず、指導方針の意思決定を支える基盤にもなり得ます。

導入時の課題と乗り越え方:教育現場ならではのポイント

教育機関でSaaSを導入する際には、ICTリテラシーの差、保護者や教職員の抵抗感、予算確保、個人情報保護といった課題があります。これらは導入の進め方である程度和らげられます。段階的な導入、デモの実施、教職員研修、試験運用期間の設定、校内での好事例の共有が有効です。

予算面では、国や自治体の補助制度を使える場合があるため、所管の教育委員会や自治体の案内を確認しましょう。ベンダーとの連携体制も重要で、教育機関での導入支援の経験があるかどうかは、現場への定着を左右する確認事項になります。

まとめ

「SaaS 導入事例 教育」の分野では、ICTツールの導入にとどまらず、授業の質と効率の向上、保護者との連絡の改善、教職員の働き方改革、教育データの活用といった価値が生まれています。小中高・大学・専門学校・塾などの教育機関で、それぞれの課題に合わせてSaaSが使われています。

導入を検討する際は、単なる機能比較ではなく、自校の課題にフィットするかどうかを軸に、試験運用で現場の使い勝手を確かめてから広げることをおすすめします。まずは手間がかかっている業務を洗い出し、既製のSaaSで足りるかどうかを見極めることが出発点になります。

ノーコード総合研究所では、既製のSaaSでは合わない校務や教室運営の業務について、同様の課題があれば要件整理の段階から相談を受けています。

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