saas 市場【2026年版】国内規模と成長予測

目次

はじめに

SaaSは、会計、人事、営業管理、顧客対応、プロジェクト管理などの業務をクラウド経由で利用する仕組みとして定着しました。2026年時点では、単に「クラウドで使えるソフト」ではなく、業務標準化、AI活用、データ連携、カスタマーサクセスまで含む経営インフラとして見られています。

一方で、saas 市場を調べると、世界市場、国内SaaS/PaaS市場、IaaS/PaaSを含むクラウド市場、法人向けソフトウェア市場が混ざって語られることがあります。数字だけを比較すると、市場規模が大きく見えたり、成長率の意味を誤解したりしやすくなります。

この記事では、2026年時点で確認できる公開情報に基づき、国内SaaS/PaaS市場の見方、成長ドライバー、導入企業の判断軸、SaaSベンダーや新規参入者が考えるべき戦略を整理します。根拠が確認できない古い2025年予測は使わず、SaaSが伸びる領域と、SaaSだけでは解きにくい業務の切り分けまで見ていきます。

市場規模を知りたい担当者にとって大切なのは、成長しているかどうかだけではありません。自社がSaaSを導入すべきか、SaaS事業に参入できるか、既存SaaSでは足りない業務をどう補うかまで判断できることです。そのため、買い手と売り手の両方の視点で整理します。

saas 市場を見る前に定義を分ける

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最初に整理したいのは、市場規模の対象範囲です。SaaSはアプリケーションをサービスとして利用する形です。一方、IaaS/PaaSはシステムを動かす基盤側のクラウドです。さらに、法人向けソフトウェア市場には、SaaS/PaaSだけでなくパッケージ製品も含まれます。

区分主な対象見るときの注意点
SaaS会計、人事、CRM、予約、チャットなど業務アプリの利用料が中心
SaaS/PaaSSaaSと開発基盤・業務基盤調査会社により対象品目が異なる
IaaS/PaaSサーバー、DB、クラウド基盤SaaSを含まない調査もある
法人向けソフトウェアSaaS/PaaS、パッケージ等市場全体の大きな流れを見る

たとえば矢野経済研究所のクラウド基盤市場調査では、IaaS/PaaSを対象とし、SaaSは含まないと明記されています。

国内SaaS/PaaS市場の成長予測

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国内の法人向けソフトウェアは、パッケージからクラウドへ移る流れが続いています。富士キメラ総研の企業向けソフトウェア53品目の国内市場調査では、2029年度のソフトウェア53品目のSaaS/PaaS市場を3兆3,975億円、2024年度比73.0%増と予測しています。ローコード開発市場も2,166億円、85.3%増とされています。

また、同社のソフトウェアビジネス新市場2026年版は、SaaS/PaaSとパッケージ別に2025年度実績から2030年度予測まで扱う資料です。2026年の市場を見る場合は、対象品目と提供形態を確認することが欠かせません。

IDCも、国内ソフトウェア市場はAIによって縮小するのではなく変革すると見ています。IDCの国内ソフトウェア市場分析では、2030年までに国内ソフトウェア市場が20兆円規模へ向かうとされ、アプリケーション市場もAI対応を進めながら成長すると示されています。

2026年以降の成長ドライバー

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2026年以降のSaaS市場を動かす要因は、クラウド移行だけではありません。第一に、AIエージェントの実装です。これまでのSaaSは入力、承認、検索、集計を効率化するものでしたが、今後は提案、要約、異常検知、次アクションの提示まで担う方向へ進みます。AIを業務フローに深く組み込めるかが差別化になります。

第二に、BPaaSや運用代行との融合です。中小企業では、ツールを導入しても設定、入力、分析、改善まで回せないことがあります。そのため、ソフトウェアと業務代行を組み合わせた形が伸びやすくなります。単なる月額ツールではなく、成果に近いところまで支援するモデルです。

第三に、ローコード/ノーコードの拡大です。富士キメラ総研の公開情報でも、ローコード開発市場の拡大が示されています。社内に専任エンジニアがいない企業でも、業務アプリを小さく作り、現場で改善するニーズが高まっています。IDCの国内IT市場分析でも、中堅企業のIT支出拡大が示されており、中堅・中小企業向けのデジタル化需要は今後も重要です。

導入企業が見るべき判断軸

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SaaS市場が伸びているからといって、すべての業務をSaaSに合わせればよいわけではありません。導入企業は、標準業務に近いか、外部連携が必要か、現場独自ルールが多いかを見ます。会計、人事、CRMのように標準化しやすい領域はSaaSが向いています。一方、業界固有の承認、現場別の入力、特殊な帳票、複雑な権限が多い場合は、SaaSだけでは合わないことがあります。

判断するときは、月額料金だけでなく、初期設定、移行、教育、運用、解約時のデータ取り出しまで見ます。安いSaaSでも、現場が使わなければ費用対効果は出ません。逆に、ノーコードで専用業務システムを作る場合も、保守、権限、データ設計、セキュリティを考える必要があります。

SaaSが合わない業務の考え方は、地方創生DX、SaaSが合わないなら「ノーコード」で専用業務システムを低コスト開発でも整理しています。

SaaSベンダーと新規参入者の戦略

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SaaSベンダーにとって、2026年以降は市場が伸びる一方で競争も厳しくなります。汎用機能だけでは比較されやすく、価格競争に巻き込まれます。勝ち筋は、業界特化、AIによる業務支援、データ連携、導入後の定着支援にあります。

新規参入者は、最初から巨大なSaaSを作る必要はありません。特定業界の1業務に絞り、手作業、スプレッドシート、ノーコードMVPで有料検証を行い、継続利用が見えてからSaaS化する方が現実的です。新規事業として進める場合は、新規事業 DXで成功する方法新規事業 提案書の書き方も参考になります。

特に中小企業向けでは、プロダクト単体よりも、初期設定、データ移行、運用改善、問い合わせ対応を含めた価値が評価されます。SaaSを作るか、ノーコード専用開発にするかは、顧客の業務が標準化できるかで決めるべきです。

まとめ

saas 市場は、2026年時点でも拡大基調にあります。ただし、数字を見るときは、SaaS単体、SaaS/PaaS、IaaS/PaaS、法人向けソフトウェア全体を分ける必要があります。富士キメラ総研の公開情報では、2029年度のソフトウェア53品目のSaaS/PaaS市場が3兆3,975億円と予測され、IDCも国内ソフトウェア市場がAIネイティブ化しながら拡大すると見ています。

成長の中心は、クラウド移行だけではありません。AIエージェント、BPaaS、ローコード/ノーコード、中堅企業のIT投資拡大、現場業務の標準化が重なっています。そのため、SaaS導入企業は、料金だけでなく、現場適合性、データ連携、運用定着、解約時のデータ管理まで確認する必要があります。

ベンダー側は、成長市場だから参入すればよいと考えるのではなく、どの業界のどの業務を標準化できるかを見極める必要があります。買い手側も、市場が伸びているサービスほど選択肢が増えるため、自社の業務に合う範囲と、合わせるべきでない範囲を分けることが重要です。

一方で、SaaSが合わない業務もあります。独自ルールが強い、現場ごとに入力項目が違う、既存システムとの連携が複雑、業務がまだ固まっていない場合は、ノーコードMVPや専用業務システムで小さく検証する方が早いことがあります。ノーコード総合研究所では、既存SaaSで足りる範囲、ノーコードで作るべき範囲、将来的にSaaS化できる範囲を整理し、Bubbleなどを使った初期開発まで相談できます。市場の伸びに乗る前に、自社の業務と顧客課題から最小の検証範囲を決めましょう。

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