フレックス対応の勤怠管理システム8選【2026年版】料金と運用のコツ

目次

はじめに

フレックス対応の勤怠管理システムは、清算期間の集計、コアタイムの扱い、給与への連携まで確認して選ぶことが大切です。同じ「フレックス対応」でも、扱える期間や不足時間の処理、必要なプランは製品ごとに異なります。月額単価だけで契約すると、締め日になって手作業が残ることがあります。

フレックスタイム制は、従業員が始業・終業時刻を決める制度です。しかし、勤務時間を自由に増減できることと、労働時間を記録しなくてよいことは別です。休憩や深夜労働、法定休日の勤務を分け、期間中の過不足を把握する必要があります。在宅勤務や外出が多い職場ほど、打刻方法と修正申請の流れも重要になります。

本記事では、2026年9月24日に確認した厚生労働省の資料と各社の公式情報をもとに、8製品の料金と選定ポイントを紹介します。KING OF TIMEやジョブカンだけでなく、旧AKASHIの現名称や、freeeでフレックスを運用する際の条件も比較します。

制度をこれから導入する企業は、対象者、清算期間、総労働時間、コアタイムの有無を先に整理してください。すでに導入している企業は、毎月発生する集計修正や確認作業を書き出すと、必要な機能を絞れます。機能表の比較に加え、自社の勤務データで検証することが、運用に合うシステムを選ぶ近道です。

とくに、固定時間勤務とフレックス勤務が混在する企業では、部署や雇用形態によって集計ルールを切り替える必要があります。休暇を取った日や異動した月も正しく計算できるか、実際の担当者が結果を説明できるかを確認しましょう。ここで紹介する比較表は候補を絞る入口として使い、最後は自社の条件を提示して判断してください。

フレックスタイム制とは?基本の仕組みと2026年の制度要件

勤務ルールを話し合う担当者

フレックス制度の構成要素

制度の導入には、始業・終業時刻を労働者の決定に委ねる旨を就業規則等に定め、労使協定を締結します。清算期間は最長3か月で、1か月を超える場合は協定の届出も必要です。コアタイムとフレキシブルタイムは任意です(厚生労働省の導入の手引き)。

構成要素意味・設定例
対象者適用する部署・職種などの範囲
清算期間と総労働時間期間の起算日と、その期間で働く所定の時間
標準となる1日の労働時間年次有給休暇を取得した日などの算定に用いる時間
コアタイム必ず勤務する時間帯。例として10〜15時(休憩時間を別途設定)
フレキシブルタイム始業・終業を選べる時間帯。例として始業7〜10時、終業15〜20時

清算期間と時間外労働の計算

月の法定労働時間の総枠は一律160時間ではありません。週40時間制の場合、原則「40時間×清算期間の暦日数÷7」で求めます。会社が定めた所定時間と法定総枠は区別し、所定時間を超えた時間をすべて法定時間外と判定しない設定が必要です。

清算期間が1か月を超える場合は、月ごとの週平均50時間超を確認し、期間末にも総枠超過を精算します。すでに時間外として扱った時間を二重計上しないことが重要です。深夜・法定休日の勤務も別に集計します(厚生労働省の時間外労働Q&A)。

フレックスタイム制の勤怠管理における課題と必須機能

パソコンで勤務記録を確認する場面

日々の勤務が変動すると、月末に不足時間と残業が同時に発覚しやすくなります。月中の過不足と日々の例外を分けて確認することが運用の基本です。自動計算だけでなく、本人による確認、上長の承認、締め後の変更履歴まで評価してください。

課題必須機能・試用時の確認
清算期間の超過・不足日次・月次・複数月の集計、所定時間と法定総枠の区別
コアタイム不在遅刻・早退の判定条件、休暇や例外申請の反映
深夜・休日労働清算対象との区別、割増用時間の出力、36協定アラート
在宅・外出・複数拠点PC・スマホ・ICカード等の打刻、拠点別設定と閲覧権限
打刻漏れと訂正修正申請、承認、変更履歴、未申請の通知
給与締めの手戻りCSV/API連携、締め解除と再出力の手順

集計方法の整理には、勤怠管理の自動集計ガイドも参考になります。スマホ打刻は外出先からの記録に便利ですが、位置情報の取得範囲と利用目的を社内で共有し、打刻忘れを修正できる窓口も用意しましょう。

フレックス対応の勤怠管理システム8選【2026年版】

システム費用を比較する電卓

料金・プラン・初期費用の比較

以下は公式情報の確認時点の比較です。1人単価、会社単位の基本料金、個別見積もりは同じ条件ではありません。利用人数と必要機能をそろえた総額で比較し、打刻機器や導入支援の費用も見積もりに含めてください。

製品・公式料金月額・支払条件・下限初期費用・選定のポイント
KING OF TIME1人月額300円(税抜)、1名から初期0円、打刻機器別途。勤怠と給与をまとめたい企業の候補
ジョブカン勤怠管理1人月額200〜500円(税抜)、1〜4機能で変動、最低月額2,000円初期0円、機器別途。出勤管理と必要な申請機能を組み合わせる
マネーフォワード クラウド勤怠ビジネス:年払い月換算6,480円、月払い7,980円(税抜)。5名分込み、6名目から1人月額300円追加初期0円。4名以上向けプランの例。1名・3名までの下位プランとは区別
マネーフォワード クラウド勤怠Plus(旧AKASHI)問い合わせ価格。支払方法・最低人数は見積時確認初期費用も個別確認。複雑な就業ルールや外部連携を重視する企業向け
楽楽勤怠月額30,000円〜(税抜)、人数で変動。支払条件・最低人数は見積時確認初期・オプション・機器費用別途。設定支援を含む総額で比較
CYBER XEED要件別見積もり。月額・支払条件・最低人数は個別確認初期費用を含めて見積もり。SEによる設定支援を求める企業の候補
タッチオンタイム(Touch On Time)1人月額300円(税抜)、1名から、最低契約期間なし初期0円、端末別途。拠点ごとに打刻方法を選びたい企業の候補
freee人事労務スタンダード:年払い月換算4,000円、月払い5,200円(税抜)、最低5名分。6名目から1人月額800円追加初期0円。打刻・申請承認・アラートを含める場合の比較例

ジョブカンの最低料金と課金人数は公式ヘルプでも確認できます。マネーフォワードの従量分は、ビジネスプランを10名で使う場合、5名分の1,500円が基本料金に加算されます(公式計算例)。

フレックス対応範囲と選び方

AKASHIは2026年4月に名称変更されました。旧名称の単価を現行契約に当てはめず、公式の変更案内と現行見積もりを確認してください。クラウド勤怠とクラウド勤怠Plusは別製品です。

freeeではスターター以上でフレックス設定が可能ですが、打刻・申請承認等はスタンダード以上です。清算期間は1か月で給与締め期間と一致させるなど、適用条件があります。不足時間の繰越やコアタイムに基づく遅刻控除を行う運用は、公式の適用チェックと照合してください。

製品フレックス運用で確認する点
KING OF TIME1〜3か月の清算期間とコアタイムの有無を設定可能
ジョブカン出勤管理を中心に、必要な申請・アラートを契約機能と照合
マネーフォワード クラウド勤怠総枠・不足時間繰越等を自社規程と照合
クラウド勤怠Plusフレックス集計とCSV/API連携、工数管理は上位プラン
楽楽勤怠勤務体系別集計、例外を含む設定を担当者と確認
CYBER XEED個別の就業ルールをSEに提示し、対応できない条件も確認
タッチオンタイム3か月フレックス対応。複数拠点の打刻と自社の休暇条件を試用で確認
freee人事労務1か月清算・給与締め一致等の適用条件と対象プランを確認

フレックス勤務の見える化と運用例

勤務状況を共有するチーム

IT企業で勤務過多を見つける運用例

ここでは導入実績ではなく、運用設計の例を示します。勤務時間が分散するIT企業では、上長が週次で累計時間と残りの勤務予定を確認します。勤務状況の見える化は、在席表示を見るだけでなく、コアタイム不在、打刻忘れ、勤務過多を抽出して本人と確認するところまで設計します。

累計が多い従業員に一律で警告するだけでは、繁忙の原因は分かりません。上長が担当案件や予定休暇も確認し、仕事の再配分や期限の調整を検討します。出勤状況を共有する範囲は、本人・直属上長・労務担当など役割ごとに定め、必要以上に個人の勤務情報を公開しない設計にします。

Web制作会社で給与・案件工数をつなぐ運用例

制作会社では、勤怠時間と案件別の作業時間を照合すると、業務量の偏りを確認しやすくなります。ただし、社内会議や研修もあるため、案件工数の合計をそのまま給与計算へ渡してはいけません。承認済み勤怠を給与へ送り、案件工数は採算管理に使うなど、データの用途を分けます。

導入時の注意点と運用のコツ

従業員へ操作を説明する場面

導入前に制度を明文化し、通常勤務だけでなく例外を含めて検証します。月中の通知を受けた後に誰が対応するか、給与締め後の訂正を誰が承認するかまで決めることが重要です。アラートを設定するだけで運用は完結しません

  1. 対象者、清算期間、所定時間、休憩、コアタイム、不足時間の扱いを整理します。
  2. 深夜勤務、法定休日、有休、途中入退社、打刻修正を含むデータで試算します。
  3. 集計結果を確認し、給与側の項目とCSV/APIの対応を照合します。
  4. 従業員研修で打刻・休暇・訂正申請を実演し、問い合わせ先を案内します。
  5. 月中レビューと締め後の変更履歴確認を定例化します。

SaaSで足りるケースと個別開発すべきケース

業務データの連携を相談する場面

標準SaaSで就業ルールと給与連携を処理できれば、まず標準機能を優先します。部門別承認や案件原価の集計が不足する場合は、周辺機能の個別開発が候補です。APIの有無だけで判断せず、取得できる項目や締め後の再連携も確認してください。

判断軸標準SaaSで進める場合周辺開発を検討する場合
就業ルール標準設定で表現できる標準設定の外に独自の確認工程がある
給与・業務連携標準CSV/APIで必要項目を渡せる案件・請求・CRMなどとの変換処理が必要
可視化既存の勤怠画面で足りる部門別稼働率や案件採算を横断して見たい
承認標準の承認経路で足りる独自条件による通知・確認画面が必要

個別開発では保守や制度変更時の検証が必要になります。ノーコード総合研究所では、Bubbleを使う業務画面やデータ連携の開発を相談できます。勤怠SaaSを集計の基盤として残す構成も含め、給与ソフトと勤怠管理システムの連携ガイドを参考に役割を整理してください。

まとめ

フレックス対応の勤怠管理システムを選ぶ際は、自社の制度を正しく集計できるかを先に確認しましょう。清算期間、コアタイム、所定時間と法定総枠、深夜・休日勤務、不足時間の扱いが整理できていれば、試用時に確かめる項目も明確になります。自動化できる範囲と人が判断する範囲を分けることが、運用を定着させる土台になります。

料金比較では、初期費用と月額単価に加えて、最低料金、対象人数、年払いか月払いか、必要な申請機能や打刻機器までそろえて見積もってください。フレックス設定ができるプランと、日々の打刻・承認まで使えるプランが同じとは限りません。複数月で清算する企業は、製品の対応範囲を契約前に確かめる必要があります。

制度を導入した後も、勤務状況を月末だけ確認する運用では手戻りが残ります。本人が過不足を確認できる画面、上長が勤務過多に気づける通知、労務担当者が訂正履歴を追える仕組みを整えてください。研修と問い合わせ窓口を用意し、通知後の対応まで決めることで、システムを日々の管理に使えるようになります。

標準SaaSで処理できる範囲を確かめてから、不足する業務機能を検討しましょう。給与連携や案件別工数、独自承認に課題が残る場合は、既存システムを活用した周辺開発も選択肢です。ノーコード総合研究所へ相談する際は、現在の勤怠ツール、就業ルール、毎月の手作業、連携したいデータを共有いただくと、必要な業務画面や連携方式を具体的に検討できます。

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