病院向け勤怠管理システムおすすめ比較【2026年版】|夜勤・シフト・料金
はじめに
病院、クリニック、訪問看護ステーション、介護施設を複数運営している医療法人では、勤怠管理の難しさが一般企業よりも一段上がります。日勤、準夜勤、深夜勤、宿日直、オンコール、時短勤務、兼務、応援勤務が混在し、拠点ごとに締め日や承認者が違うこともあります。
紙やExcelで集計していると、打刻漏れの確認、残業時間の集計、給与ソフトへの転記、拠点間勤務の合算に時間がかかり、月末にまとめて不備が見つかる状態になりがちです。特に病院では、医師の働き方改革、宿日直許可、勤務間インターバル、様式9、夜勤手当、給与連携まで絡むため、単に安いクラウド勤怠を入れるだけでは解決しません。
この記事では、病院向け勤怠管理システムを複数拠点の運用まで含めて比較します。2026年9月1日時点で確認できる公式情報をもとに、主要製品の料金・機能、夜勤や変形労働への対応、給与計算・人事・電子カルテとの連携、導入前の確認事項を整理します。
先に比較軸を決めておけば、資料請求後の確認も短くできます。拠点数、職種、夜勤の有無、給与ソフト、電子カルテ、既存Excelの扱いを並べ、自院に必要な機能だけを見れば、過剰な機能や見落としを避けやすくなります。
比較表は、候補を絞るための入口です。契約前には、必ず自院の勤務表と給与計算の流れに当てはめて確認してください。現場確認も必ず事前に欠かせません。
病院・医療機関の勤怠管理が複数拠点で難しくなる理由

医療機関の勤怠管理で失敗しやすいのは、本部だけが使いやすい仕組みを選び、現場の勤務パターンを後から合わせようとするケースです。病棟、外来、検査部門、訪問看護、介護施設、複数クリニックでは、打刻場所、勤務表の作り方、休憩の取り方、承認者が違います。
注意したいのは、夜勤、宿日直、オンコール、応援勤務、兼務の扱いです。職員が複数拠点で働く場合、拠点別だけでなく法人全体の総労働時間も見ます。勤怠管理システムの複数拠点対応では、拠点別の権限管理と本部横断の集計を同時に確認することが重要です。
医師については厚生労働省「医師の働き方改革」で示される時間外労働、面接指導、勤務間インターバルの管理も必要です。
主要製品の機能・料金比較表

医療特化型は様式9や電子カルテ連携に強く、汎用クラウド型は料金が読みやすい一方で、医療特有の帳票や手当計算は事前確認が必要です。
| 製品 | タイプ | 公式料金・前提 | 夜勤・宿日直 | 複数拠点 | 連携の確認ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| Dr.JOY 勤怠管理 | 医療特化 | 要問合せ。打刻・勤怠・給与連携など利用機能で確認 | 当直、勤務間インターバル、兼業先を含む労働時間管理に対応 | 大規模病院向け | 給与連携、立入検査帳票、ビーコン・IC・Web/アプリ打刻 |
| CAERU勤怠 | 医療・介護向け | 初期費用0円、人数課金なし、1拠点7,500円。税表記は公式ページで要確認 | 夜勤・宿直などの回数や時間数の計上に対応 | 拠点課金で把握しやすい | タイムレコーダー、申請承認、給与規定の設定 |
| タイムノート for medical | 医療特化 | 要問合せ | 様式9、出勤簿、施設基準届を重視 | 病院・施設向け | 給与CSV、電子カルテ連動はメーカー制限の確認が必要 |
| アマノ TimePro-VG / VG Cloud | 中堅・大規模向け | 要問合せ | 勤務間インターバル、変形労働、シフト管理など | 大規模・グループ運用向け | オリジナル帳票、PCログ、入退室、医療導入事例 |
| KING OF TIME | 汎用クラウド | 1人月額300円、初期費用不要。税抜・税込は公式ページで確認。打刻機器は別途必要な場合あり | 変形労働や各種打刻は設定確認 | 拠点・管理者権限を要確認 | 外部給与ソフト連携、タイムレコーダー |
| Touch On Time | 汎用クラウド | 初期費用0円、月額300円/人、追加オプションなし。税表記は公式ページで要確認 | シフト、有休、残業集計に対応 | 最低利用人数・契約期間なし | Web、モバイル、IC、生体認証、顔認証端末 |
| ジョブカン勤怠管理 | 汎用クラウド | 初期費用・サポート0円、税抜200〜500円/月、月額最低2,000円 | 機能組み合わせで確認 | 複数サービス利用時は料金確認 | 医療機関向けセット、給与計算・労務HR連携 |
| ジンジャー勤怠 | 人事労務連携型 | 税抜月額300円〜、初期費用は要問合せ | 変形労働や多様な勤務形態を確認 | グループ・多拠点利用を確認 | 人事、給与、ワークフローとの連携 |
| マネーフォワード クラウド勤怠 | バックオフィス連携型 | 5名以内は基本料金内、6名以上は税抜300円/名。別途クラウド基本料金が必要 | 医療固有要件は設定確認 | 法人単位の管理を確認 | クラウド給与とのAPI連携 |
| freee勤怠管理Plus | バックオフィス連携型 | 初期費用ゼロ、月額300円/ユーザー。2026年5月以降は最低5ライセンス分の基本料金に注意 | 勤務間インターバルや残業抽出に対応 | 海外拠点・英語表示にも対応 | freee人事労務へAPI連携 |
金額は2026年9月1日時点で公式ページを確認した範囲です。料金ページに税抜・税込や最小契約数の記載がある製品は、表内に前提を入れています。医療特化製品や連携費用は個別見積もりになりやすいため、月額、初期設定、端末費用、連携費用、保守費用を分けて確認してください。
病院向け勤怠管理システムおすすめ10選【2026年版】
小規模クリニックは汎用クラウド、中規模以上の病院は宿日直、様式9、電子カルテ連携まで確認できる医療特化型を含めて比較しましょう。
夜勤・変形労働・複数拠点への対応比較

夜勤や変形労働への対応は、「シフト管理あり」だけでは判断できません。宿日直、オンコール、兼務、応援勤務を給与規定に合わせて処理できるかを確認します。
| 確認項目 | 医療特化型で見ること | 汎用クラウド型で見ること |
|---|---|---|
| 夜勤・明け | 2交代・3交代、2暦日勤務、夜勤明けの扱い | 勤務パターン、日跨ぎ集計、手当対象回数 |
| 変形労働 | 医師・看護師・事務職で異なる勤務形態 | 日・週・月単位の集計、アラート設定 |
| 宿日直 | 許可を受けた宿日直と通常労働の記録分離 | 勤務区分、申請、例外処理の設定可否 |
| 複数拠点 | 拠点別承認、本部集計、兼務者の合算 | 管理者権限、所属異動、応援勤務の扱い |
| オンコール | 待機、呼出、実労働時間の記録 | 申請区分、手当計算、給与連携項目 |
厚生労働省の宿日直許可相談窓口でも案内されている通り、宿日直は労働基準法に基づく許可制度と関係します。導入時は、通常業務、待機、呼出、休息の勤務区分を決めておきます。
拠点別権限や本部集計の考え方は、複数拠点の勤怠管理を効率化する方法でも整理しています。
給与計算・人事・電子カルテとの連携

勤怠管理システムは、打刻だけで完結しません。病院では、勤怠データが給与計算、人事情報、電子カルテ、様式9とつながります。連携方式はCSV、API、電子カルテ連動、補助ツールの4つに分けて確認すると失敗しにくくなります。
CSV連携は始めやすい一方、項目名や締め処理の順序がずれると手作業が残ります。API連携や電子カルテ連携は、対象製品と権限設定を確認してください。
標準SaaSだけで足りない場合は、承認状況、応援勤務、独自手当、給与CSVの整形だけをBubbleで補う構成もあります。考え方は、BubbleとDifyで効率的な勤怠管理システムを作成する方法で紹介しています。
仮想ケーススタディ:3拠点クリニックで勤怠と給与連携を整える流れ

ここでは、3つのクリニックと訪問診療チームを持つ医療法人を仮想例として考えます。実在する医療法人の導入事例ではなく、複数拠点で起きやすい課題を整理するための例です。
最初から全機能を切り替えるより、拠点別の打刻、承認、本部集計、給与連携の順に整える方が現実的です。まず各拠点で同じ打刻ルールを決め、例外勤務を洗い出します。
最後に、給与ソフトへ渡す項目を固定します。独自手当や兼務集計が残る場合は、外側に補助画面や変換処理を作ると、本部業務を減らせます。
導入前に確認するチェックリスト

導入前には、製品比較より先に運用条件を固めます。締め日、勤務パターン、承認者、修正権限、給与連携項目を一覧化してください。
- 拠点ごとの締め日、承認者、修正権限を決める
- 夜勤、宿日直、オンコール、緊急呼出、応援勤務の区分を決める
- 医師、看護師、事務職、非常勤、兼務者で勤務ルールを分ける
- 給与計算へ渡す項目、CSV形式、API連携の可否を確認する
- 電子カルテや既存台帳との連携が必要かを確認する
- 打刻端末、ICカード、スマホ、GPS、ビーコンなど現場に合う方法を試す
- 1拠点で試験運用し、打刻漏れ、承認遅れ、給与データの不一致を確認する
無料トライアルでは、「現場が迷わず打刻できるか」「拠点長が自分の担当範囲だけ確認できるか」「本部が全拠点を横断して見られるか」を見てください。
病院向け勤怠管理のFAQ
病院向け勤怠管理システムでは様式9まで作れますか?
製品によります。医療特化型には様式9や施設基準届の作成支援を掲げる製品があります。病床を持つ病院では、帳票出力の範囲を確認してください。
宿日直許可がある場合も勤怠記録は必要ですか?
必要です。許可の有無と、日々の勤務実態を記録できるかは別です。通常業務、呼出、休息を勤務区分として残せるかを確認しましょう。
複数拠点の医療法人では何を優先すべきですか?
最初に拠点別権限と本部集計を確認します。各拠点の責任者が自拠点だけ修正でき、本部が全体を横断して確認できる状態にします。
電子カルテと連携できる製品を選ぶべきですか?
電子カルテ連携が必要かは、労働時間の根拠をどこから取るかで変わります。まず給与計算に必要な勤怠データを出せるかを優先してください。
標準SaaSで合わない場合はどうすればよいですか?
製品をすぐ変える前に、設定変更、CSV加工、ノーコード補助ツールの順に検討します。独自手当、例外勤務、給与連携前の整形だけを補助ツールで扱うと、導入済みシステムを活かしやすくなります。
まとめ
病院向け勤怠管理システムを選ぶときは、製品名や月額単価だけでなく、自院の勤務パターンをどこまで標準機能で扱えるかを確認してください。複数拠点では、拠点別の承認、本部集計、応援勤務、夜勤、宿日直、オンコール、給与連携が絡みます。
小規模クリニックなら、CAERU勤怠、ジョブカン、freee、マネーフォワードのように導入しやすい製品から比較できます。中規模以上の病院では、Dr.JOY、タイムノート for medical、アマノ、KING OF TIME、Touch On Time、ジンジャーなどを含め、宿日直、様式9、打刻端末、連携範囲を詳しく確認しましょう。
標準SaaSだけで全てを解決しようとすると、独自手当、複数拠点の例外勤務、既存台帳との突合で運用が止まる場合があります。標準製品で足りる部分と、個別設計が必要な部分を分けることが導入成功の近道です。
ノーコード総合研究所では、Bubbleを活用した業務システムや補助ツールの開発を支援しています。勤怠システム本体はSaaSを使い、拠点別の確認画面、給与CSVの整形、独自申請フローだけをノーコードで補う設計も可能です。すでに勤怠SaaSを導入している医療法人でも、連携前のデータ整形や本部確認画面だけを追加すれば、既存契約を活かしながら運用を改善できます。まずは自院の勤務ルール、拠点数、給与連携の現状を整理し、標準製品で足りる部分と個別設計が必要な部分を分けることから始めてください。導入判断に迷う場合は、現場で使う打刻・承認と、本部が必要とする集計・連携を分けると、相談内容も具体化できます。

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