顔認証の勤怠管理【2026年版】指紋・静脈との違いと主なシステムの料金

目次

はじめに

顔認証で勤怠管理を始める企業が増えている背景には、なりすまし打刻、打刻漏れ、カード紛失、複数拠点の勤怠確認といった課題があります。ICカードやスマホ打刻は始めやすい一方で、本人がその場で打刻したかを確かめる力には限界があります。店舗、工場、介護施設、コールセンターのようにシフト勤務や共用端末が多い職場ほど、本人確認の強さが締め作業の手間に直結します。

顔認証の勤怠管理は、iPadやスマートフォンのカメラで本人確認できるため、専用端末を置かずに始められる点が強みです。2026年時点では、ジョブカンのiPad顔認証やタッチオンタイムのFaceeのように、マスクを着けたまま認証できるサービスが公式に案内されています。一方でKING OF TIMEは、ICカードや生体認証など有料の打刻機器を使う場合は購入費用が別途必要と案内しています(KING OF TIME FAQ)。月額料金だけで比べると総額を見誤ります。

また、勤怠管理の失敗はシステムの機能より、現場の運用設計で起こります。端末の設置場所が悪い、認証に時間がかかる、アルバイトの入退社が多く顔登録が追いつかない、修正申請の承認者が曖昧といった状態では、生体認証を入れても締め作業は楽になりません。

この記事では、指紋・指静脈・顔認証の仕組みと違い、メリットとデメリット、向いている業種、主なシステムの公式料金と端末費、導入手順、失敗例、個人情報の注意点までを2026年9月時点の情報で整理します。

生体認証勤怠の仕組み

生体認証タイムレコーダーで打刻する手元

生体認証勤怠は、従業員の身体的特徴を事前に登録し、打刻のたびに照合して本人確認をしたうえで出退勤を記録する仕組みです。ICカードを持ち歩かないため、貸し借りによる代理打刻が起こりにくくなります。

方式読み取るもの向いている職場注意点
指紋認証指先の紋様少人数、室内の固定拠点手荒れや乾燥で認証しづらい場合がある
指静脈認証指の内部の静脈パターン本人確認を厳格にしたい現場専用機器が必要。皮膚の状態に左右されにくい
顔認証顔の特徴非接触、共有端末照明やカメラ位置の影響を受ける
虹彩認証目の虹彩の模様高セキュリティ施設装置が高価で、一般企業の勤怠では採用が少ない
併用型複数の方式拠点や職種が混在方式ごとの代替打刻ルールが必要

方式はスペックだけで比べず、出勤ピーク時の混雑や夜間照明での認証を実際の勤務場所で試してください。

顔認証で勤怠管理するメリットとデメリット

顔認証用タブレット端末

顔認証は端末に触れずに打刻でき、手袋や汚れの影響を受けにくい方式です。ジョブカンのiPad顔認証は、FaceMe®のなりすまし防止機能で写真や動画による不正打刻を防ぐと案内しています(ジョブカン 顔認証(iPad))。

区分内容
メリットなりすまし・代理打刻を防ぎやすい
メリットICカードの紛失や貸し借りがなくなる
メリット非接触で衛生的。手がふさがっていても打刻できる
メリット本人確認済みの客観的な出退勤記録を残せる
デメリット端末・ライセンス費用がPCやスマホ打刻より高くなりやすい
デメリット照明、カメラ位置、登録時の写真の状態で認証しにくい場合がある
デメリット顔データを個人情報として扱い、同意取得と削除ルールが必要
デメリット端末故障や通信障害のときの代替打刻を決めておく必要がある

デメリットの多くは運用で抑えられます。認証できない時の代替打刻と承認ルールまで決めて初めて、生体認証は不正防止として機能します。

顔認証と指紋・ICカード、どれを選ぶべきか

指紋認証リーダーに指を置く様子

選び方の軸は、使用環境、従業員数、本人確認の厳しさの3つです。

顔認証と指紋・指静脈の違い

顔認証は非接触で、衛生面を重視する職場や手袋を使う現場に向きます。マスク着用のまま認証できることは、ジョブカン、タッチオンタイムのFacee、アマノの顔認証タイムレコーダーが公式に案内しています。指紋認証は機器が比較的安く、室内の固定拠点に向きます。指静脈認証は指先の怪我や皮膚の状態に左右されにくく、より厳格な本人確認が必要な現場に向きます(タッチオンタイム 指静脈認証)。

ICカード・スマホ打刻との違い

ICカードやスマホ打刻は端末費を抑えやすく、KING OF TIMEではPC・スマホ打刻が無料です。ただし、貸し借りや本人以外の操作を防ぐ力は生体認証に劣ります。

条件向いている方式
屋外作業や衛生面を重視顔認証
室内常設でコストを抑えたい指紋認証
本人確認を厳格にしたい指静脈認証
直行直帰や在宅勤務が多いスマホ打刻(GPS)+拠点のみ顔認証
数百人規模・多拠点顔認証と指静脈などの併用

生体認証が向いている業種

工場の作業員が交代で出勤する様子

生体認証は、共用端末で多くの人が打刻する職場や、代理打刻が起こりやすい職場で効果が出ます。

業種よくある課題向いている方式
製造業手袋を着けていてICカードを扱いにくい顔認証
建設業現場が移動し屋外での打刻が多いタブレットの顔認証+スマホ打刻
医療・介護衛生面への配慮、夜勤の交代顔認証
小売・飲食(多店舗)店長不在時の代理打刻顔認証、指静脈認証
コールセンター大人数が同じ時刻に出勤する認証速度の速い顔認証
官公庁・学校記録の厳格性が求められる指静脈認証、顔認証

主な生体認証対応の勤怠管理システムと料金

従業員が勤怠端末で出勤打刻する様子

2026年9月27日に各社の公式サイトで確認できた、生体認証に対応する主な勤怠管理システムです。月額利用料と打刻端末の費用は別に発生するため、分けて比較します。

サービス生体認証の方式月額・初期費用(前提条件)出典
KING OF TIME指紋・指静脈(PC接続)、顔認証(iPad専用)1人あたり月額300円、初期費用0円、最低利用人数なし(料金ページに税込・税抜の記載なし)。生体認証機器は別途購入公式料金
Touch On Time指紋+ICカード、指静脈、顔認証Facee1人あたり月額300円(税抜)、初期費用0円、最低利用人数・最低契約期間なし。Faceeは1人あたり月額100円(税抜)を追加公式料金
ジョブカン勤怠管理指静脈、顔認証(iPad)金額は公式料金ページで確認。顔認証アプリの費用内訳は機能ページに記載公式料金
アマノ(TimePro-VG、VG CLOUDほか)顔認証タイムレコーダー公式サイトに価格の記載なし(要問い合わせ)。認証速度1秒以下(実測0.3秒)と案内公式製品ページ

端末費とレンタル費

端末価格(前提条件)出典
タッチオンタイムレコーダー(指紋+ICカード)94,800円(税抜・購入)打刻方法
静脈認証リーダー(USB・PC接続)37,500円(税抜・購入)指静脈認証
Faceeタブレット月額1,700円/台(税抜・レンタル、最短契約12か月、成約企業が対象)Faceeレンタル
手持ちのスマホ・タブレット追加購入なし(Faceeはカメラ付き端末で利用可)Facee

試算では、拠点数、端末台数、予備機まで含めます。たとえばタッチオンタイムで30人がFaceeを使う場合、月額は1人400円の30人分で12,000円(税抜)となり、タブレットを1台レンタルすると1,700円(税抜)が加わります。月額だけでなく端末費と拠点数を足して比較することが重要です。

導入手順と運用ルール

導入では、打刻方式を決める前に勤務ルールを整理します。勤務形態、休憩、残業申請、シフト、直行直帰、ヘルプ勤務、認証できない場合の代替打刻を先に決めます。生体情報を扱うため、取得目的、保存範囲、利用者、保管期間、同意取得の流れも文書化します。

  1. 対象拠点と対象者を決める
  2. 指紋、指静脈、顔認証の方式を比較し、現場で試す
  3. 個人情報の説明と同意の流れを整える
  4. 代替打刻と修正申請のルールを決める
  5. 給与ソフト連携と締め処理をテストする

給与連携では、休憩、深夜、残業、承認状態が正しく集計されるかを確認します。給与連携前のテスト運用を1か月以上置くと、例外処理を洗い出せます。たとえば「顔認証に失敗したらスマホ打刻を許可し、理由入力と上長承認を必須にする」と決めておきます。修正申請の設計は打刻修正の申請と承認フローで詳しく解説しています。

よくある導入失敗パターンと対策

失敗例原因対策
指紋認証が反応しない乾燥肌、手荒れ、汚れ顔認証や指静脈認証との併用、代替打刻を用意
高額な機器を入れたが使いにくい操作性の検証不足1〜2拠点で試験導入してから全社へ広げる
ITに不慣れな現場で混乱する教育不足マニュアルと動画を用意し、初週は担当者が立ち会う
顔認証がなかなか通らない逆光や動線を考えない設置照明と人の流れを見て設置場所を決める
出勤ピークに端末前で列ができる端末台数の不足ピーク時の人数から台数を決める
顔登録が追いつかない入退社が多い登録担当と登録のタイミングを決める

成功の鍵は、運用フローと人の動きを事前に確かめることです。

多拠点店舗での進め方(想定ケース)

店舗スタッフがタイムレコーダーで打刻する様子

多拠点店舗では、店長が不在の時間帯に代理打刻や打刻漏れが起こりやすくなります。顔認証や指静脈認証を使えば本人確認を強めながら、紙の出勤簿やカード管理を減らせます。本部は未打刻や残業超過を日次で確認でき、締め日前の差し戻しを減らせます。

ただし、全拠点へ一斉導入すると、ネットワーク環境や設置場所の違いで運用が乱れます。まず1〜2拠点で試し、認証できない従業員、ピーク時の混雑、管理者の確認手順を検証します。SaaSだけでは足りない周辺申請の作り方は、自社専用業務システムの新しい作り方でも解説しています。

個人情報の扱いとノーコードで補う範囲

勤怠申請ワークフローのダッシュボード

顔や指紋などの生体情報を本人認証に使えるようにしたデータは、個人情報保護法の個人識別符号にあたりうると個人情報保護委員会が示しています(個人情報保護委員会 Q&A)。取得目的、利用者、保管期間、退職時の削除方法を決めて従業員に説明し、登録に抵抗がある人には代替手段を用意します。

nocoderiでは、打刻と集計の中核は実績ある勤怠SaaSに任せ、例外申請、店舗別の確認画面、ヘルプ勤務申請、端末故障時の報告、未承認アラートをBubbleなどのノーコードで補う設計を提案しています。ノーコードで例外処理を補うことで、給与計算に関わるデータは安定したサービスに置いたまま、自社固有の承認フローに合わせられます。

💡 ポイント: 既製の勤怠システムを無理に改修せず、足りない運用面だけを周辺システムで補うと、導入後の改修コストを抑えられます。

まとめ

顔認証を使った勤怠管理は、なりすまし打刻やカード紛失を減らし、本人確認を強めたい企業に向いています。指紋、指静脈、顔認証にはそれぞれ得意な場面があり、オフィス、店舗、工場、介護施設、コールセンターなど、働く場所によって選ぶべき方式は変わります。マスクを着けたまま認証できる顔認証サービスも増え、専用端末を置かずに手持ちのタブレットで始める選択肢もあります。

比較するときは、月額料金だけでなく、端末の購入費かレンタル費、顔認証の追加料金、拠点数、予備機、ネットワーク環境まで含めて総額を出してください。料金は税抜か、税区分の記載がないかも確かめます。KING OF TIME、タッチオンタイム、ジョブカン、アマノは、いずれも公式サイトで生体認証の打刻方法を案内しています。

導入時は、個人情報の説明と同意、保存期間、認証に失敗したときの代替打刻、給与連携、締め処理のテストを必ず行います。最初から全拠点へ一括導入するより、代表的な拠点で試し、打刻成功率、修正申請の件数、締め作業にかかった時間を記録するほうが失敗を減らせます。

nocoderiは、Bubbleを中心に業務システムや社内ツールの開発を支援しています。生体認証の勤怠を導入したいが、現場の例外処理や承認フローまで整理できていない場合は、ご相談ください。勤怠SaaSの安定性を活かしつつ、足りない周辺業務をノーコードで補うことで、導入後も使われ続ける勤怠管理を作りやすくなります。

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