【初心者向け】ノーコードで家計簿アプリを作る方法|AppSheet完全ガイド

「家計簿アプリを入れたけれど、結局続かなかった」
「無料版だと連携できる銀行口座数が足りないし、広告が邪魔……」
「サブスクリプションの固定費だけを管理したいのに、機能が複雑すぎる」

お金の管理は、将来への不安を解消する第一歩です。しかし、市販の家計簿アプリ(マネーフォワードやZaimなど)は非常に優秀である反面、「万人のため」に作られているため、必ずしもあなたのライフスタイルにフィットするとは限りません。機能が多すぎて使いこなせなかったり、逆に欲しい分析機能が有料プラン限定だったりと、痒いところに手が届かないこともしばしばです。

そこでご提案したいのが、「ノーコード(NoCode)で自分専用の家計簿アプリを作る」という選択肢です。 「アプリを作るなんて難しそう」と思われるかもしれませんが、2025年現在、私たちが普段使っている「Googleスプレッドシート」とノーコードツールを組み合わせるだけで、最短30分でオリジナルの家計簿アプリが完成します。

自分で作れば、デザインも項目も自由自在。広告に邪魔されることもありません。そして何より、この「お金の流れをシステム化する」という経験は、そのままビジネスにおける「経費精算システム」や「予実管理」のスキルへと直結します。
本記事では、初心者でも絶対に失敗しないツールの選び方から、Googleスプレッドシートを活用した具体的な構築ステップまでを徹底解説します。
さあ、あなたのお金をコントロールする主導権を、その手に取り戻しましょう。

目次

市販アプリの限界 vs 自作アプリの自由

なぜ、あえて時間をかけて自作する必要があるのでしょうか。
市販アプリと自作(ノーコード)の違いを理解することで、あなたが目指すべきゴールが見えてきます。

市販アプリのメリット・デメリット
銀行口座やクレジットカードとの「自動連携」は市販アプリの最大の強みです。これらをノーコードで個人実装するのはセキュリティ的にも技術的にもハードルが高いため、自動連携が必須なら市販アプリ一択です。しかし、カテゴリ分けが勝手にされてしまったり、過去のデータを見るのに制限があったりと、データの「自由度」は低くなります。

自作アプリ(ノーコード)のメリット
最大のメリットは「自分ルールで運用できること」です。

  • 「食費」ではなく「コンビニ」「自炊」「外食」で分けたい。
  • 「推し活費」という特別予算枠を作りたい。
  • 夫婦で共有の財布と個人の財布を別々に管理したい。

こうした細かいこだわりを全て反映できます。また、データの実体はGoogleスプレッドシートにあるため、Excel感覚で自由に分析したり、グラフ化したりすることが可能です。「入力画面はスマホアプリで手軽に、分析はPCの大画面で」という使い分けができるのも大きな魅力です。

メリット詳細
完全オリジナルなアプリを作れる自分の必要な機能だけを搭載し、使いやすいようにデザインをカスタマイズできます。
プライバシーを保護できる個人情報や金融情報を外部に預ける必要がないため、セキュリティ面で安心です。
費用を抑えられるノーコードツールは無料または低価格で利用できるものが多く、開発費用を大幅に削減できます。
開発スキルが身につくノーコードツールを使うことで、論理的思考力や問題解決能力が向上し、開発スキルを習得できます。
改善・アップデートが容易ユーザーからのフィードバックを基に、機能の追加や修正を簡単に行えます。

ノーコードがおすすめな人、そうでない人

ノーコードでの家計簿アプリ作りは、全ての人におすすめできるわけではありません。以下に、おすすめな人とそうでない人の特徴をまとめました。

おすすめな人おすすめできない人
既存のアプリに満足できないとにかく手軽に家計簿を始めたい
プライバシーを重視したい高度な分析機能や自動連携機能を求める
自分でアプリをカスタマイズしたいデザインやUIに強いこだわりがある(ノーコードツールによっては制約がある)
新しいことに挑戦したいプログラミングの学習に抵抗がない(より自由度の高いアプリ開発が可能)

もしあなたが「既存のアプリでは物足りない」「自分だけの使いやすい家計簿アプリが欲しい」と感じているなら、ノーコードでのアプリ作りは非常におすすめです。次のセクションでは、具体的な作り方をステップバイステップで解説していきます。

家計簿作成に最適なノーコードツール徹底比較

家計簿アプリを作るのに適したツールはいくつか存在します。それぞれの特徴を比較表にまとめました。あなたのITスキルや目的に合わせて選んでください。

ツール名データベース難易度デザイン性おすすめのユーザー
GlideGoogle Sheets初心者・最優先
スプレッドシートがあれば5分でアプリ化可能。UIが美しい。
AppSheetGoogle Sheets機能重視派
Google公式ツール。関数を使った複雑な計算が得意だが、見た目は無骨。
NotionNotion DB一元管理派
日記やタスク管理と一緒に家計簿もつけたい人。
Bubble独自DBプロ志向
将来的にサービスとして公開したいならこれ一択。

結論として、初めての方が家計簿アプリを作るなら「Glide(グライド)」が圧倒的におすすめです。

Googleスプレッドシートとの連携が最もスムーズで、直感的な操作だけで「今月の残高」や「費目別の円グラフ」などを美しく表示できるからです。本記事でも、Glideを使った構築方法をベースに解説します。

ノーコード家計簿アプリの作り方【AppSheetステップbyステップ】

ここでは、ノーコードツールAppSheetを使って、家計簿アプリを実際に作成する手順を解説します。プログラミングの知識は一切不要ですので、ご安心ください。

準備編:AppSheetアカウント作成とスプレッドシート準備

まず、AppSheetのアカウントを作成し、家計簿のデータとなるスプレッドシートを準備します。

  1. AppSheetアカウントの作成:AppSheet公式サイトにアクセスし、Googleアカウントなどでサインアップします。
  2. スプレッドシートの準備:Googleスプレッドシートで、家計簿のデータ管理に必要な項目を用意します。例えば、「日付」「費目」「内容」「金額」「収入/支出」などの列を作成します。

スプレッドシートの準備例:

日付費目内容金額収入/支出
2024/01/01食費コンビニ300支出
2024/01/01給与 200000収入

AppSheetがデータを理解できるように、一番上の行がヘッダー行になっていることを確認してください。

開発編:AppSheetでアプリを作成する

AppSheetにスプレッドシートを接続し、アプリのUIをデザインしていきます。

①データソース(スプレッドシート)を接続
  1. AppSheetにログイン後、「+ Create」から「Start with Google Sheets」を選択します。
  2. アプリ名を入力し、先ほど作成したスプレッドシートを選択します。
  3. AppSheetがスプレッドシートの内容を見て、テーブルを追加するかサジェストしてくれる場合があります。
②UI(見た目)をデザイン

AppSheetのエディタで、アプリの見た目を自由にデザインできます。

  1. Viewの追加:「Views」タブから、データの表示形式(テーブル、カード、マップなど)を選択し、Viewを追加します。
  2. カラムの設定:「Columns」タブで、各カラムのデータ型(テキスト、数値、日付など)を設定します。
  3. UIの調整:表示順序やフォント、色などを調整して、見やすいUIを作成します。
③計算式やアクションを設定

AppSheetでは、計算式やアクションを設定することで、アプリの機能を拡張できます。

  1. 計算式の追加:「Columns」タブで、計算式を設定したいカラムを選択し、「App formula」に計算式を入力します。例えば、収入と支出の差額を計算する式などを設定できます。
  2. アクションの設定:「Behavior」タブで、ボタンの追加やデータの編集などのアクションを設定します。

テスト編:動作確認と修正

作成したアプリが正常に動作するか確認し、必要に応じて修正を行います。

  1. AppSheetのエディタで、アプリをプレビューし、データの入力や表示、計算式などが正しく動作するか確認します。
  2. 問題点が見つかった場合は、UIや計算式などを修正し、再度動作確認を行います。

公開編:アプリを共有・配布

アプリが完成したら、共有・配布設定を行い、実際に利用できるようにします。

  1. AppSheetのエディタで、「Deploy」をクリックし、アプリを公開します。
  2. アプリの共有設定を行い、他のユーザーが利用できるようにします。

AppSheetで作成したアプリは、スマートフォンやタブレットで利用できます。自分だけでなく、家族や友人と共有することも可能です。

AppSheetを使うのは初めてでも、比較的簡単にアプリを作成できます。

これで、あなただけのオリジナル家計簿アプリが完成しました!

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基本機能ができたら、さらに使いやすく進化させましょう

① 「サブスクリプション」の自動管理
毎月発生する固定費(家賃、Netflix、ジム会費など)を毎回入力するのは面倒です。 Glide上で直接設定するのは難しいですが、裏側のGoogleスプレッドシートで「GAS(Google Apps Script)」という簡易プログラムをコピペで少し書くか、あるいは別シートに「固定費リスト」を作り、月初にコピー&ペーストする運用にするだけで、入力の手間を激減させることができます。 「今月、何もしなくても出ていくお金」を可視化することは、節約の第一歩です。

② レシート読み取り(OCR)の壁
「レシートをカメラで撮ったら自動で金額が入るようにしたい」と思うかもしれません。 実は、Glideの標準機能だけでは高精度な日本語OCRの実装は困難です。これを実現するには、「LINE」のOCR機能を活用してスプレッドシートに転送する仕組みを作るか、あるいはChatGPTのAPIなどを連携させる必要があります。 少しハードルは上がりますが、これができれば「自作アプリ」の域を超え、商用レベルのシステムに近づきます。「まずは手入力で習慣化し、慣れてきたら自動化に挑戦する」というステップアップをお勧めします。

③ グラフ表示で支出を可視化
日々の支出をグラフで可視化することで、お金の流れが一目でわかるようになります。円グラフでカテゴリ別の支出割合を表示したり、折れ線グラフで月ごとの支出推移を表示したりすることで、無駄遣いを早期に発見し、改善に繋げることができます。AppSheetのチャート機能を使えば、簡単にグラフを作成できます。

実装のヒント:

  • AppSheetのチャートビューを使って、グラフの種類(円グラフ、折れ線グラフなど)を選択する。
  • グラフに表示するデータ範囲や集計方法を設定する。
  • グラフの色やラベルを調整して、見やすいデザインにする。

④カテゴリ分けをカスタマイズ
家計簿のカテゴリ分けは、人によって必要な項目が異なります。例えば、「趣味・娯楽」をさらに細かく分類したい場合や、「交通費」を「電車」「バス」「タクシー」に分けたい場合など、自分のライフスタイルに合わせて自由にカスタマイズできると便利です。AppSheetでは、カテゴリを自由に設定できるだけでなく、アイコンを設定したり、色分けしたりすることも可能です。

実装のヒント:

  • カテゴリを管理する専用のスプレッドシートを作成する。
  • AppSheetで、カテゴリの選択肢をスプレッドシートから取得するように設定する。
  • カテゴリごとにアイコンや色を設定して、視覚的に分かりやすくする。

⑤予算設定機能で使いすぎを防止
毎月の予算を設定し、支出が予算を超えないように管理する機能は、節約意識を高める上で非常に有効です。カテゴリごとに予算を設定したり、月全体の予算を設定したりすることで、使いすぎを防止することができます。AppSheetでは、予算と支出を比較する計算式を設定し、予算オーバーの場合はアラートを表示することも可能です。

実装のヒント:

  • 予算を管理する専用のスプレッドシートを作成する。
  • AppSheetで、予算と支出を比較する計算式を設定する。
  • 予算オーバーの場合にアラートを表示する設定を行う。

⑥複数端末との連携
家族で家計を共有している場合や、複数のデバイスで家計簿を管理したい場合は、複数端末との連携機能が役立ちます。AppSheetは、Google スプレッドシートをデータソースとして使用するため、スプレッドシートを共有することで、簡単に複数端末との連携を実現できます。外出先でスマートフォンから入力したデータが、自宅のタブレットにもリアルタイムに反映されるので、いつでも最新の家計状況を確認できます。

実装のヒント:

  • Google スプレッドシートを家族と共有する。
  • AppSheetアプリを各端末にインストールし、同じスプレッドシートに接続する。
  • 必要に応じて、ユーザーごとにアクセス権限を設定する。

ノーコード家計簿アプリ完成!継続的な改善と運用のコツ

お疲れ様でした!AppSheetを使ったノーコード家計簿アプリが完成しましたね。しかし、アプリは作って終わりではありません。継続的に改善し、運用していくことで、より便利で使いやすいアプリへと成長させることができます
ここでは、完成した家計簿アプリをさらにパワーアップさせ、長く活用するためのコツをご紹介します。

ユーザーからのフィードバックを収集

自分にとって使いやすいアプリでも、他の人にとっては使いにくいかもしれません。家族や友人に実際にアプリを使ってもらい、フィードバックを収集しましょう。使い勝手の悪さや改善点など、客観的な意見を聞くことで、自分では気づかなかった問題点を発見できます。

フィードバックの収集方法としては、アンケートフォームを作成したり、直接インタビューしたりする方法があります。AppSheetアプリ内にフィードバック機能を組み込むことも可能です。

定期的なアップデートで使いやすさを向上

ユーザーからのフィードバックを参考に、定期的にアプリをアップデートしましょう。UIの改善、新機能の追加、バグの修正など、小さな改善を積み重ねることで、アプリの使いやすさは格段に向上します。

AppSheetは、ドラッグ&ドロップで簡単にUIを変更したり、計算式を追加したりできるため、アップデートも比較的容易に行えます。定期的に時間を設け、アプリの改善に取り組むようにしましょう。

運用ルールを決めて継続的に利用する

せっかく作った家計簿アプリも、使わなくなってしまっては意味がありません。継続的に利用するために、自分なりの運用ルールを決めましょう。

  • 毎日記録する時間を決める: 毎日同じ時間に記録することで、習慣化しやすくなります。
  • 記録する項目を固定する: 毎回記録する項目が変わると、入力が面倒になり、継続が難しくなります。
  • 目標を設定する: 毎月の目標を設定し、達成度を可視化することで、モチベーションを維持できます。

これらのルールはあくまで一例です。自分に合ったルールを見つけ、無理なく継続できるような仕組みを作りましょう。

他のノーコードツールへの展開も検討

AppSheetで家計簿アプリを作成した経験を活かして、他のノーコードツールにも挑戦してみましょう。例えば、よりデザイン性の高いアプリを作成したい場合は、AdaloやBubbleなどを試してみるのも良いでしょう。 akio’s bloggerの記事では、Amazon Honeycodeで家計簿アプリを作成した事例が紹介されています。 様々なノーコードツールを試すことで、新たな発見やアイデアが生まれるかもしれません。

また、Platioのような業務改善に特化したノーコードツールも存在します。 家計簿アプリで培ったスキルを活かして、仕事で役立つアプリを開発することも可能です。

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家計簿作りで身につく「業務システム開発」の視点

ここまで読んで、「たかが家計簿にそこまで?」と思われたかもしれません。しかし、ここで行った作業を振り返ってみてください。

  1. 必要なデータ項目を洗い出す(要件定義・データベース設計)
  2. 入力しやすい画面を作る(UI/UXデザイン)
  3. 集計してグラフ化する(データ分析・BIツール)

これらは全て、企業の「経費精算システム」「営業日報システム」「在庫管理アプリ」を作る工程と全く同じです。 自分の財布の中身を管理できる人は、会社の予算管理システムも作れます。家計簿アプリの自作は、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代に求められる「業務改善スキル」を磨くための、最高のトレーニングなのです。

まとめ:あなたのお金とスキルを同時に資産化しよう

ノーコードで家計簿を作ることは、単に節約のためだけの手段ではありません。それは、自分自身の手で課題を解決するツールを作り出す「創造的なプロセス」であり、これからの時代に必須となるデジタルスキルを習得する絶好の機会です。

まずはシンプルな入力機能だけで構いません。今日からGlideを触って、あなただけの家計簿アプリを作ってみてください。自分の手で作ったアプリなら、不思議と入力するのが楽しくなり、三日坊主も克服できるはずです。

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