【2026年版】Bubbleの制限・デメリットは?開発前に知るべき「限界」と「回避策」のすべて

「Bubbleでアプリを作りたいが、制限がきついと聞いた」 「大規模なアプリ開発には向かないって本当?」

ノーコードツールの中でも圧倒的な機能を誇るBubbleですが、導入を検討する際に技術的な限界を懸念される方は非常に多いです。

結論から申し上げますと、Bubbleには明確な「制限」が存在します。しかし、その制限の正体を知り、適切な「回避策」を持っていれば、多くのビジネスアプリケーション(SaaSやマッチングアプリ含む)は問題なく開発・運用が可能です。

本記事では、数多くのBubble案件を手掛けてきたプロフェッショナルの視点で、公式ドキュメントに基づく「ハードリミット(絶対的な限界)」から、現場で直面する「ソフトリミット(実質的な限界)」、そしてそれらをどう乗り越えるかという具体的なソリューションまでを徹底解説します。

Bubbleについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

目次

1. パフォーマンスとスケーラビリティの制限

Bubbleで最も懸念されるのが「動作の重さ」や「データ量の限界」です。しかし、近年のBubbleはパフォーマンス改善が進んでおり、「Bubbleだから遅い」のではなく「設計が悪いから遅い」ケースが大半です。

データベースの限界:何万件から重くなる?

BubbleのデータベースはAWS(Amazon Web Services)上で動いており、堅牢です。しかし、データの「持ち方」や「検索方法」には物理的な制限があります。

公式のハードリミット(Hard Limits)

Bubble公式ドキュメントには、以下のような明確な制限が定義されています。

機能制限内容影響と対策
テキストフィールド1,000万文字これを超える長文は稀ですが、ログデータなどを詰め込む際は注意が必要です。
データのサイズ1つのThing(レコード)あたり20MB画像やファイルは別のストレージに保存されるため、純粋なデータだけで20MBを超えることは通常ありません。
検索結果のソート最大50,000件ソート済みの検索結果は5万件までしか取得できません。これを超える場合は、ページネーションやフィルタリングで絞り込む必要があります。
リスト型フィールド推奨100件以下(ハードリミット自体は10,000件)1つのデータの中に「User’s Tasks」のようにリストでデータを持たせる場合、100件を超えると著しくパフォーマンスが低下します。

【プロの解決策】大量データはどう扱うべきか?

「リスト型フィールド(List of Things)」にデータを詰め込むのは、初心者が陥る典型的なミスです。 例えば「ユーザー」データの中に「注文履歴リスト」を持たせると、注文が増えるたびにユーザーデータの読み込みが重くなります。

解決策: リレーショナルデータベース(RDB)の原則に従い、「注文」データ側に「ユーザー」を紐付ける形に設計してください。これなら、データが数百万件になっても、適切なインデックス(Indexing)が効いていれば高速に動作します。

複雑な処理のタイムアウト(Workflow Timeout)

Bubbleのワークフローには、「5分(300秒)」というタイムアウト制限があります。 CSVのアップロード処理や、全ユーザーへの一括メール送信などで5分を超えると、処理は強制終了されます。

【プロの解決策】重い処理の逃がし方

  1. 再帰的ワークフロー(Recursive Workflow): 一度に全件処理するのではなく、「100件処理したら自分自身を再度呼び出す」というループ処理を組みます。これにより、5分の壁を回避して数万件のデータを安全に処理できます。
  2. 外部バックエンドの利用: 極端に複雑な計算や解析が必要な場合は、そこだけXanoSupabaseといった外部バックエンド、あるいはAWS Lambdaに処理を任せ(API連携)、結果だけをBubbleで受け取る構成にします。

2. 機能・仕様面での「できないこと」

「何でも作れる」と言われるBubbleですが、不得意な領域も明確にあります。

ネイティブアプリ化(iOS/Android)の壁

Bubbleで作ったアプリを、App StoreやGoogle Playで公開することは可能です(PWAやラッパーを使用)。 しかし、スマホのネイティブ機能(ヘルスケアデータ連携、高度なBluetooth通信、AR機能など)をフル活用するアプリには不向きです。

  • △ 苦手: ポケモンGOのようなARゲーム、ヘルスケア連携が必須のフィットネスアプリ
  • ◎ 得意: マッチングアプリ、業務管理アプリ、SNS、Eコマース

【プロの解決策】

ネイティブ機能が必須の場合は、FlutterFlowなどのネイティブアプリ特化型ノーコードツールを検討するか、BDK(Native wrapper)のようなサードパーティ製プラグインで機能を補完します。

FlutterFlowについてより詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

SEO対策の弱点

Bubbleは動的にページを生成する仕組み(SPA: Single Page Application)であるため、WordPressのような静的サイトに比べるとSEO(検索エンジン最適化)難易度が高い傾向にあります。 SSR(サーバーサイドレンダリング)の設定も可能ですが、完璧ではありません。

【プロの解決策】ハイブリッド構成

「集客用のLP(ランディングページ)やブログ」は、SEOに強いWordPressWebflowで構築し、 「ログイン後のアプリ本体」をBubbleで構築する。 そして、サブディレクトリ(例: app.yourdomain.com)で接続するハイブリッド構成がビジネスにおける正解パターンです。

ソースコードのエクスポート不可

これはBubble最大のリスクとして語られます。Bubbleで開発したアプリのソースコードを書き出して、自社サーバーに移すことはできません。

【プロの解決策】ロックインをどう考えるか?

スタートアップにおいて最も重要なのはコードを所有することではなく、素早くPMF(市場適合)を達成することです。 Bubbleなら開発期間を1/3以下に短縮できます。将来的にBubbleを卒業するほどサービスが成長したなら、その収益でスクラッチ開発へリプレイスすれば良いのです。これは「制限」ではなく、ビジネススピードを優先するための「戦略的選択」です。

3. 保守・運用・セキュリティの制限

Workload Unit (WU) によるコスト変動

2023年に導入された新料金体系「Workload Unit (WU)」制により、非効率なアプリは運用コストが高騰するリスクがあります。 サーバーのリソース消費量に応じて課金されるため、「無駄な検索」や「ループ処理」が多いと、請求額が跳ね上がります。

【プロの解決策】WU節約のテクニック

  • 「Do a search for」を減らす: 検索回数を減らす設計にする。
  • フロントエンドで処理する: サーバー(バックエンド)を使わず、ブラウザ側で計算できるものはブラウザで完結させる。
  • APIレスポンス制限を知る: API Connectorのレスポンスには50MBの制限があります。巨大なJSONを受け取る場合は注意が必要です。

データの保管場所(コンプライアンス)

デフォルトでは、BubbleのデータはAWSの米国リージョン等に保管されます。日本の厳しい金融機関や官公庁の案件で「国内サーバー必須」の要件がある場合、通常のプランでは対応できません。

【プロの解決策】Dedicatedプラン

BubbleのDedicated(専用)プランを契約すれば、AWSの東京リージョンを指定することが可能です。ただしコストは高額になるため、要件定義の段階で慎重な判断が必要です。

4. 【判断基準】Bubbleを採用すべきか?

これまでの制限を踏まえ、プロジェクトがBubbleに適しているかを判定するチェックリストを用意しました。

Bubbleをやめるべきケース

  1. 0.1秒を争うリアルタイム性が求められる(FPSゲーム、株取引ツール)
  2. オフラインでの完全な動作が必須
  3. スマホのまた特殊なハードウェア機能(LiDARスキャナ等)を多用する
  4. 国内サーバー必須だが、Dedicatedプランの予算はない

Bubbleがベストなケース

  1. SaaS(BtoB向けクラウドサービス): 最も得意な領域です。
  2. マッチングプラットフォーム: メルカリやUberのようなモデル。
  3. 社内業務システム(DX): CRM、SFA、在庫管理など。
  4. AI活用アプリ: OpenAI (ChatGPT) APIなどを組み込んだツール。

5. プロはこう乗り越える!「制限」を突破するアプローチ

Bubbleの制限は、技術力でカバーできるものがほとんどです。 私たちのようなノーコード開発のプロフェッショナルは、以下のようにして「制限」を感じさせないアプリを構築しています。

  1. DB設計の最適化: RDBの正規化理論に基づき、数万件データでもサクサク動く設計を行います。
  2. API連携 (API Connector): Bubbleが苦手な「あいまい検索」はAlgolia、「メール」はSendGrid、「決済」はStripeと、餅は餅屋に任せる構成を取ります。
  3. バックエンドの分離: 必要に応じて、バックエンドのみXanoのような特化ツールに切り出すことで、スケーラビリティを無限大に拡張します。

Bubbleは「おもちゃ」ではありません。制限を正しく理解し、適切なアーキテクチャで設計すれば、上場企業レベルのシステムすら構築可能な強力なプラットフォームです。

まとめ

Bubbleには確かに制限がありますが、それは工夫次第で回避できる制限やビジネスの初期フェーズでは無視できる制限が大半です。 重要なのは、Bubbleで何でもやろうとしないこと、そして制限を理解した上で設計できるパートナーを選ぶことです。

弊社では、Bubbleの制限を熟知したエキスパートが、あなたのアイデアがBubbleで実現可能か、それとも別の手段を選ぶべきか、フラットな目線で診断いたします。

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