kintoneの関数を活用する方法:業務効率化のための便利な関数解説
kintoneは、業務プロセスを効率化するために非常に強力なプラットフォームです。その中でも「関数」を使うことで、データの集計や計算などを自動化し、さらに便利に使うことができます。この記事では、kintoneで使える代表的な関数や、それらを活用する方法について詳しく解説します。
kintoneでExcelのCOUNTIFのように条件付きで件数を数えたい場合は、関数ではなく集計機能で考えるのが近道です。結論は次のとおりです。
- kintoneの計算フィールドには、ExcelのCOUNTIFのように複数レコードから条件付きで件数を数える関数はない前提で設計する(公式ヘルプの関数一覧にCOUNTIFは掲載されていない。確認日2026-10-04)。
- 条件に合う件数を知りたい場合は、一覧の絞り込みや集計(グラフ)機能を使うのが基本である。
- IF関数で条件に合うレコードに1を立て、集計で合計すると条件付き件数を出せる。
- 標準機能で足りない場合は、プラグインやJavaScriptカスタマイズを検討する。
kintone関数とは?
kintoneの関数とは、kintoneのアプリ内で計算や集計を自動化するための数式や関数を指します。これらを使うことで、入力されたデータを基に計算や集計をリアルタイムで行うことができ、業務を大幅に効率化することができます。
kintoneでは、フィールドに関数を設定することで、データの表示を動的に変更することができ、また、複雑な計算や集計処理を自動化できます。関数を使いこなすことで、業務の精度向上や手間の削減が期待できます。
関数を書く場所は、主に計算フィールドと、自動計算を有効にした文字列(1行)フィールドです。他のフィールドはフィールドコードで参照します。kintoneヘルプ「関数の使い方」に掲載されている関数は、IF、AND・OR・NOT、SUM、ROUND・ROUNDUP・ROUNDDOWN、DATE_FORMAT、CONTAINS、YENと、文字列をつなぐ&演算子です(確認日2026-10-04)。Excelにある関数がすべて使えるわけではない点を、最初に押さえておきましょう。
kintoneで使える代表的な関数
kintoneで使用できる関数は数多くありますが、代表的なものとして以下のような関数が挙げられます。Excelと同じ名前で探されることが多いAVERAGE・COUNT・TEXTについても、kintoneでの代わりの方法をあわせて紹介します。
1. SUM(合計)関数
SUM関数は、指定した範囲内の数値を合計するための関数です。例えば、売上データや経費データの合計を簡単に求めることができます。
kintoneで「範囲」にあたるのは、レコードの中にあるテーブルの列です。テーブルの外に計算フィールドを置き、テーブル内のフィールドコードを指定すると、テーブルの全行の値を合計できます(kintoneヘルプ「SUM関数」、確認日2026-10-04)。
例:
SUM(売上金額)
これを使うことで、アプリ内の売上金額フィールドに入力された値を自動で合計することができます。ここでの「売上金額」は、明細テーブルの中にある数値フィールドです。合計されるのは1件のレコードに含まれるテーブルの行で、ほかのレコードの売上金額までは合計しません。複数レコードの合計は、後述するグラフの集計で求めます。
2. AVERAGE(平均)関数
AVERAGE関数は、Excelでは指定した範囲内の数値の平均を求める関数です。たとえば、社員の評価点数の平均や、月間売上の平均を計算できます。
ただし、kintoneの関数一覧にAVERAGE関数はありません(確認日2026-10-04)。1件のレコード内で平均を出すときは、四則演算で合計を項目数で割ります。
例:
(評価1 + 評価2 + 評価3) / 3
複数のレコードをまたいだ平均は、グラフの集計方法で「平均」を選ぶと表示できます。部署別や月別に分類して平均を並べることも可能です。
3. IF(条件分岐)関数
IF関数は、特定の条件に基づいて異なる結果を返すための関数です。例えば、売上が目標を超えた場合に「目標達成」、達成していない場合に「目標未達成」と表示することができます。
書式は `IF(条件式, 真の場合に返す値, 偽の場合に返す値)` です。文字列を返す場合は、自動計算を有効にした文字列(1行)フィールドに設定します(kintoneヘルプ「IF関数」、確認日2026-10-04)。
例:
IF(売上金額 > 1000000, "目標達成", "目標未達成")
このように条件分岐を使うことで、データに基づいたダイナミックな判断が可能になります。IF関数は入れ子にでき、`IF(点数=100,”満点”,IF(点数>=80,”合格”,”不合格”))` のように3段階以上の判定も書けます。
4. COUNT(件数カウント)関数
COUNT関数は、Excelでは指定した範囲内で数値が入力されているセルの件数をカウントする関数です。例えば、特定のステータスにある案件数をカウントしたり、依頼件数を集計したりするのに便利です。
kintoneの関数一覧にはCOUNT関数もCOUNTIF関数もありません(確認日2026-10-04)。進行中の案件数を数えたい場合は、グラフの集計方法で「レコード数」を選び、絞り込み条件に「案件ステータス」が「進行中」を指定します。
例:
集計方法:レコード数
条件:案件ステータス = 進行中
この設定で、進行中の案件の数を自動でカウントすることができます。レコードが追加・更新されるたびに、グラフを開いたときの件数に反映されます。
5. TEXT(文字列操作)関数
TEXT関数は、Excelでは文字列を操作するために使われます。例えば、日付や数値を指定のフォーマットで文字列として表示したり、複数の文字列を結合したりすることができます。
kintoneにTEXT関数はなく、日付の書式変更にはDATE_FORMAT関数、文字列の結合には&演算子を使います。DATE_FORMAT関数は自動計算を有効にした文字列(1行)フィールドに設定し、日付フィールドではタイムゾーンに「Etc/GMT」を指定します(kintoneヘルプ「DATE_FORMAT関数」、確認日2026-10-04)。
例:
DATE_FORMAT(日付フィールド, "YYYY/MM/dd", "Etc/GMT")
これにより、日付を指定のフォーマットで表示することができます。
ExcelのCOUNTIFをkintoneで置き換える考え方
Excelから業務をkintoneへ移すと、最初につまずきやすいのがCOUNTIFやSUMIFのような条件付き集計です。kintoneでは「1件のレコードの中で計算するもの」と「複数のレコードをまたいで集計するもの」で、使う機能が分かれます。この違いを押さえると、COUNTIFの置き換え先が見えてきます。
Excelの関数とkintoneの計算フィールドの違い
Excelの関数は、シート上の好きな範囲を参照できます。A列の全行から「進行中」の行を数える、という使い方が自然にできます。
kintoneの計算フィールドは、同じレコードの中にあるフィールドを参照して計算します。1件の案件レコードに置いた計算式から、ほかの案件レコードの値を数えることはできません。Excelでいう「1行の中の計算」は計算フィールドへ、「表全体をまたぐ集計」は一覧やグラフへ移す、と考えると整理しやすくなります。
条件に合うレコード件数は一覧の絞り込みとグラフで数える
条件に合う件数を知りたいときは、まず一覧の絞り込みで対象のレコードだけを表示します。定期的に確認する件数なら、グラフ(集計)として保存しておくと便利です。
kintoneのグラフでは、集計方法として「レコード数」「合計」「平均」「最大値」「最小値」を選べます。分類する項目は大項目・中項目・小項目の3段階まで設定でき、絞り込み条件で対象レコードを限定できます。表示形式には棒グラフや円グラフのほか、表やクロス集計表もあります(kintoneヘルプ「グラフを作成する」、確認日2026-10-04)。たとえば「担当者別・ステータス別の案件数」は、分類する項目に担当者とステータスを指定し、集計方法をレコード数にすれば一覧表で確認できます。
グラフの設定はアプリに保存でき、ほかのユーザーも同じ集計を使えます。保存にはアプリの管理権限が必要です。
IF関数でフラグ(0/1)を立てて合計する
1件のレコードの中にテーブル(明細)がある場合は、IF関数で条件に合う行に1、合わない行に0を立て、テーブルの外でSUM関数を使って合計します。これがテーブル内でのCOUNTIFの代わりになります。
例:
テーブル内の計算フィールド「進行中フラグ」:IF(ステータス = "進行中", 1, 0)
テーブル外の計算フィールド「進行中の件数」:SUM(進行中フラグ)
1の代わりに金額フィールドを返せば、SUMIFと同じ条件付き合計になります。kintoneヘルプでも、SUMIF関数は無いものの、IF関数とSUM関数を組み合わせてテーブル内の数値を条件ごとに合計する方法が案内されています(kintoneヘルプ「kintoneにSUMIF関数はありますか?」、確認日2026-10-04)。
標準機能で難しい場合はプラグインやカスタマイズを検討する
別のアプリの件数を自動で書き込みたい、集計結果を毎日レコードに保存したい、といった要件は標準の計算フィールドだけでは実現できません。この場合は、集計系のkintoneプラグインを使うか、JavaScriptカスタマイズやREST APIで集計処理を作ります。
プラグインは設定だけで使える反面、細かな条件に合わないことがあります。カスタマイズは自由度が高い一方で、保守の担当者を決めておく必要があります。進め方はkintone開発の完全ガイドで詳しく解説しています。
Excel関数とkintoneでの対応方法
| Excelでやりたいこと | kintoneでの主な対応方法 | 設定する場所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| COUNTIF(条件付き件数) | 一覧の絞り込み、グラフの集計方法「レコード数」+絞り込み条件で数える。テーブル内はIFで1/0のフラグを立ててSUMで合計する | 一覧・グラフの設定、計算フィールド | 計算フィールドは同じレコード内しか参照できず、複数レコードの件数は数えられない(関数一覧にCOUNTIFは無い。確認日2026-10-04) |
| SUMIF(条件付き合計) | グラフの集計方法「合計」+絞り込み条件で集計する。テーブル内はIFで条件に合う金額だけを返してSUMで合計する | グラフ・集計の設定、計算フィールド | 集計結果をレコードに保存したい場合は、プラグインやJavaScriptカスタマイズ、REST APIで書き込む |
| IF(条件分岐) | 計算フィールド、または自動計算を有効にした文字列(1行)フィールドにIF関数を書く | 計算フィールド・文字列(1行)フィールド | 入れ子にできるが、深くなると条件の追加・変更時に読み解きにくく保守しにくい |
| テーブル内の合計 | テーブルの外に計算フィールドを置き、SUM(テーブル内のフィールドコード)で全行を合計する | 計算フィールド(テーブルの外) | 合計する対象は数値フィールドまたは計算フィールドにする |
出典: kintoneヘルプ「関数の使い方」、「テーブル内のフィールドを計算する」(いずれも確認日2026-10-04)
kintone関数の活用事例
1. 売上管理
売上データをkintoneに入力し、SUM関数を使用して明細テーブルの売上合計を計算します。月間売上の合計は、グラフの集計方法「合計」で月単位に分類すると確認できます。さらに、IF関数を使って売上目標を達成したかどうかを自動で判定し、ステータスを更新することができます。
2. プロジェクト管理
プロジェクトの進捗状況を管理するために、グラフの「レコード数」とステータスの分類を使って、進行中のタスク数や完了したタスク数をカウントできます。また、グラフの集計方法「平均」を使って、進捗率フィールドの平均値を表示し、進行具合を簡単に把握できます。
3. 人事評価
社員の評価点数をkintoneに入力し、計算フィールドの四則演算で1人ずつの平均評価点を算出したり、IF関数を使って一定以上の評価点を達成した社員を「優秀」とマークすることができます。
kintone関数を使う際の注意点
kintoneの関数を使用する際にはいくつかの注意点があります。これらを押さえておくと、より効率的に利用できます。
1. データ型の確認
関数を使用する前に、対象となるデータが正しいデータ型であるか確認することが大切です。例えば、数値を計算する場合、そのフィールドが「数値型」になっている必要があります。文字列型のフィールドを比較する場合、IF関数で使える演算子は「=」「!=」「<>」に限られます。
2. 関数のネストに注意
複雑な計算式や条件を設定する際、関数をネストして使用することがありますが、あまりにも多くのネストを重ねるとエラーが発生しやすくなるため、適切に関数を組み合わせるようにしましょう。
3. リアルタイムで更新されない場合
kintoneは基本的にリアルタイムでデータを更新しますが、場合によってはフィールドの更新が即時に反映されないことがあります。この場合は、ページを再読み込みすることで更新を反映させることができます。
kintoneの関数とCOUNTIFのよくある質問
kintoneでCOUNTIF関数は使えますか?
使えません。kintoneヘルプの関数一覧にCOUNTIF関数は無く、計算フィールドで複数レコードを条件付きで数える関数は用意されていません(確認日2026-10-04)。一覧の絞り込みやグラフの「レコード数」、テーブル内ならIF関数のフラグとSUM関数の組み合わせで代替します。
条件に合う件数を別のアプリに自動で表示できますか?
標準の計算フィールドでは難しいです。計算フィールドは同じレコード内のフィールドしか参照できないためです。アプリ間の集計は、プラグインやJavaScriptカスタマイズ、外部サービスとの連携で実現します。選び方はkintone拡張機能の選び方で比較しています。
Excelの計算をそのままkintoneに移せますか?
1件ごとの計算は計算フィールドへ移しやすいですが、表全体をまたぐ集計は一覧・グラフ機能へ置き換える設計が必要になります。移行前に、Excelの数式を「1行の中の計算」と「表全体の集計」に分けて洗い出しておくと、設計の手戻りを防げます。
まとめ
kintoneの関数を活用することで、業務の自動化やデータの集計を効率的に行うことができます。SUMやAVERAGE、IFなど、様々な関数を組み合わせて使用することで、煩雑な業務を簡素化し、業務効率を大幅に向上させることができます。これらの関数を適切に活用し、業務改善を進めましょう。
ただし、kintoneの計算フィールドで使える関数はExcelより限られています。AVERAGE・COUNT・COUNTIF・TEXTのような関数は無いため、平均は四則演算かグラフの「平均」、件数はグラフの「レコード数」やIF関数のフラグ集計、日付の書式はDATE_FORMAT関数で置き換えます。1件のレコード内の計算は計算フィールド、複数レコードの集計は一覧とグラフ、と役割を分けることが設計のポイントです。
標準機能で足りない集計は、プラグインやJavaScriptカスタマイズで補えます。Excelからの移行や集計の自動化で迷ったら、要件を整理するところから相談してみてください。
表:
| 関数名 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| SUM | 数値の合計を求める(テーブルの列を合計) | SUM(売上金額) |
| AVERAGE | kintoneに関数は無い。数値の平均は四則演算かグラフの「平均」で求める | (評価1 + 評価2 + 評価3) / 3 |
| IF | 条件分岐を行う | IF(売上金額 > 1000000, “目標達成”, “目標未達成”) |
| COUNT | kintoneに関数は無い。条件に合う件数はグラフの「レコード数」+絞り込み条件でカウントする | 条件:案件ステータス = 進行中 |
| COUNTIF | kintoneに関数は無い。テーブル内はIFのフラグをSUMで合計する | SUM(進行中フラグ) |
| SUMIF | kintoneに関数は無い。IFとSUMを組み合わせて条件ごとに合計する | IF(店舗=”大阪”,売上,0) |
| TEXT | kintoneに関数は無い。文字列の操作(フォーマット変更など)はDATE_FORMAT関数と&演算子で行う | DATE_FORMAT(日付フィールド, “YYYY/MM/dd”, “Etc/GMT”) |