顧客管理システムで顧客定着率を上げる完全ガイド|LTVを伸ばす施策とKPI・自社最適化【2026年版】

目次

はじめに

顧客管理システム(CRM)は新規顧客の開拓にも役立ちますが、その真価が発揮されるのは「顧客定着率」の向上においてです。新規獲得のコストが年々高騰するなか、既存顧客にリピート購入や継続利用を促すことは、LTV(顧客生涯価値)を引き上げ、マーケティングコストを抑える有力な打ち手だからです。

実際、新規顧客の獲得には既存顧客維持の何倍ものコストがかかるといわれています。つまり、すでに自社を知ってくれている顧客に長く使い続けてもらうことは、派手さはなくとも、収益を安定させる確かな土台になります。さらに、定着した顧客は単に離れないだけでなく、好意的な口コミを広げてくれたり、追加購入につながったりと、新規顧客以上の価値をもたらすこともあります。ところが、CRMを「顧客リストの保管庫」としてしか使えておらず、定着率向上の機能を活かしきれていない企業もあります。せっかくのデータを眠らせたままにしているケースは珍しくありません。

この記事は、CRMを使って顧客定着率を本気で高めたい方に向けて書いています。定着率の算出方法から、CRMに求められる機能、具体的な施策、KPI設計、成功事例に共通するパターン、そして自社のKPIに合わせたオーダーメイドCRMという選択肢までを順に解説します。読み終えるころには、自社の定着率を伸ばすための道筋が描けるようになっているはずです。

顧客定着率とは?重要性と算出方法

顧客の継続率を示すグラフとデータ

顧客定着率(リテンションレート)とは、一定期間内に継続してサービスや商品を利用した顧客の割合を示す指標です。期間中に新しく獲得した顧客は含めず、期首にいた顧客のうち何割が残ったかを見ます。算出方法は次のとおりです。

指標算出式
顧客定着率(期末の顧客数 − 期間中の新規獲得顧客数)÷ 期首の顧客数 × 100
チャーン率(解約率)期間中の解約顧客数 ÷ 期首の顧客数 × 100

(算出式の出典: HubSpot「SaaSのKPI」、2026年10月4日確認)

たとえば期首に100名いた顧客のうち、期中に20名が離れ、新たに10名を獲得して期末が90名になった場合、定着率は(90−10)÷100×100で80%です。新規獲得分を差し引かずに「期末90名÷期首100名」と計算すると90%になり、実態より高く見えてしまいます。定着率を高めることは、売上の安定化や口コミの拡散、顧客単価の向上につながります。獲得コストが上がり続ける今、新規獲得よりも既存顧客の維持のほうがROIが高いケースは多く、CRMが本領を発揮する領域はまさにここにあります。

CRMで定着率を高める主な機能

CRMを定着率向上の観点で評価するなら、次のような機能の有無を確認しましょう。

  • パーソナライズ配信: 顧客属性や購買履歴に基づく自動メール・SMS配信
  • ライフサイクル管理: 新規→定着→休眠の各ステージを可視化し自動アクションを設定
  • ポイント・サブスク管理: 継続利用を促すリワードや定期課金の仕組み
  • アンケート・NPS収集: 満足度を定点観測し、定着要因と離脱要因を分析
  • 分析ダッシュボード: 定着率・チャーン率をリアルタイムに可視化して早期に課題を発見

注意したいのは、同じ製品でも契約プランによって使える範囲が変わることです。たとえばHubSpot Marketing Hubの料金ページでは、自動アクションの件数が無料プランで1件、Starterで最大10件、ProfessionalとEnterpriseで無制限と分かれており、カスタムレポートはProfessional以上で提供されています(2026年10月4日確認)。製品名だけで判断せず、定着施策に使いたい機能が検討中のプランに含まれるかを公式の料金・機能ページで確かめましょう。必要な機能がプランに含まれない場合は、上位プランへの変更か、定着施策を別ツールで補うことを検討します。

定着率を高める具体的な施策

顧客とのコミュニケーション施策を検討するチーム

定着率の向上は、複数の施策を組み合わせることで効果が高まります。代表的な4つの施策を押さえておきましょう。

施策具体例
パーソナライゼーションセグメント配信、行動トリガー通知、ライフタイムシナリオ設計
リワード・サブスクポイント付与、VIPランク、月額課金の継続特典
NPS・満足度観測推薦意向スコアの定期収集、低スコア顧客への自動フォロー
オムニチャネル店舗・EC・アプリを連携し、同一IDで購買履歴を一元管理

取り組みやすいのが、顧客一人ひとりの行動に合わせたパーソナライゼーションです。新規登録直後はフォローアップ、初回購入後はレコメンド、休眠期には再来店クーポンといった具合に、顧客の状態に合ったタイミングでメッセージを届けます。これらをCRMの自動化機能と組み合わせれば、人的な負荷を抑えながら継続して実行できます。NPSなどで顧客の声を継続的に拾い、離脱の兆候を早期にキャッチすることも欠かせません。

定着率を支えるKPI設計

KPIを可視化するダッシュボード画面

施策を成果につなげるには、KPIを設定して可視化し、PDCAを回すことが不可欠です。定着率まわりで追うべき代表的なKPIは次のとおりです。

KPI目標値の決め方解説
顧客定着率自社の過去の推移(前年同期など)を基準に設定期首の顧客のうち期間内に継続利用した割合
チャーン率自社の過去の推移を基準に、月次・年次のどちらで見るかを決めて設定顧客の離脱割合
LTV顧客獲得コストと比べて設定顧客生涯価値
リピート購入率初回購入から一定期間内の再購入を基準に設定再購入に至った顧客の比率

適正な水準は業種や商材、契約形態によって大きく異なるため、他社の数値をそのまま目標にするより、自社の実績から改善幅を決めるほうが現実的です。これらをダッシュボードでリアルタイムに追跡し、数値の変化を見ながら施策を素早く改善していきます。大切なのは、自社のビジネスにとって意味のあるKPIを選ぶことです。指標は多ければよいというものではなく、自社が伸ばしたい数字を絞り込むことが、改善のスピードを上げます。

顧客定着率改善の成功事例

定着率改善に取り組む企業の進め方には、共通するパターンがあります。代表的な2つの型を紹介します。

D2Cなどの物販では、初回購入後の継続率が課題になりやすく、ポイントとサブスクの併用、LINEなどの接点の強化、NPSのフォローを組み合わせる進め方がよく見られます。SaaSなどの継続課金型では、月次の解約率が課題になりやすく、オンボーディングメールの自動化、定期的な満足度調査、カスタマーサクセス担当の配置を組み合わせて解約を防ぎます。どちらも「データに基づき、自動化で迅速に対応する」点が共通しています。注目したいのは、単発の施策ではなく、複数の打ち手を組み合わせて継続的に運用している点です。定着率の改善は一度の施策で劇的に変わるものではなく、地道なPDCAの積み重ねによって少しずつ底上げされていきます。だからこそ、施策を回し続けられる仕組みと体制を持てるかどうかが、成果の差を生むのです。

自社のKPIに本当に合うのは「オーダーメイド」CRM

自社専用に設計されたCRMの画面

ここまで定着率向上の施策を見てきましたが、実践しようとすると「既製のCRMでは、自社の定着率の測り方や独自のKPIにうまく当てはまらない」という壁にぶつかることがあります。業種やビジネスモデルによって、何をもって「定着」とするか、どの行動を重視するかは大きく異なるからです。

既製のSaaS型CRMは汎用的に作られているぶん、自社固有のKPIや社内の運用フローに完全には合わせきれません。そこで選択肢になるのが、ノーコードで自社専用のCRMを作る「オーダーメイド」という考え方です。Bubbleなどのノーコードツールを使えば、自社が本当に追いたい指標や、独自のリワード設計、社内の承認フローまで、必要な要素だけを盛り込んだCRMを、フルスクラッチより低コストで構築できます。既製ツールでの運用については顧客管理システムおすすめ8選を、開発の費用感は業務システム開発の費用相場を参考にしてください。

💡 ポイント: 「自社のKPIに合うツールがない」と感じたら、それはオーダーメイドCRMを検討すべきサインです。

よくある質問(FAQ)

Q. 顧客定着率はどのくらいを目指すべきですか?

A. 適正な水準は業種や商材、契約形態によって大きく異なります。まずは自社の定着率とチャーン率を同じ算出式で継続して測り、過去の推移を基準に改善目標を置くのが現実的です。

Q. 定着率向上に効く施策は何ですか?

A. 取り組みやすいのは顧客ごとのパーソナライズです。自動化と組み合わせると、少ない人手で継続して実行できます。

Q. 既製CRMで自社のKPIが測れない場合は?

A. ノーコードで自社専用のCRMを作ると、独自指標もそのまま追跡できます。

まとめ

顧客定着率は、CRMの導入効果を測るうえで重要な指標です。定着率を高めるには、パーソナライゼーション、リワードやサブスク、NPSによる満足度観測、オムニチャネル化といった施策を、CRMの自動化機能と組み合わせて実行することが鍵になります。そして、KPIを設計してPDCAを回しながら、顧客一人ひとりに合った体験を提供し続けることで、LTVの向上と収益の安定につながります。

ただし、これらの施策を本当に自社に合った形で回すには、ツール選びが重要です。既製のCRMで十分なケースもあれば、自社独自のKPIや運用フローに合わせて、オーダーメイドのCRMを作ったほうが成果につながるケースもあります。大切なのは、「自社の定着戦略」を先に描き、それに合うツールを選ぶという順番です。ツールありきで戦略を後付けすると、機能に振り回されてしまいます。逆に、目指す姿が明確であれば、既製品でもオーダーメイドでも、迷わず成果に近づけます。

私たちノーコード総合研究所は、ノーコードを活用した業務システム・CRMの受託開発を得意としています。「既製CRMでは自社のKPIが測れない」「定着率向上の施策に合わせて仕組みを作りたい」といったご相談を多くいただいています。まずは自社にどんなCRMが合うのかを整理する段階からでも構いません。顧客定着率の向上にお悩みの方は、ぜひお気軽に無料相談へお問い合わせください。貴社の数字を伸ばす仕組みづくりを一緒に考えます。

ビジネスの課題解決をサポートします

  • システム開発を短期間でコストを抑えて作りたい
  • システムのDX推進を進めていきたい
  • 社内の業務効率化を進めたい

ノーコード総合研究所に相談してみる

同意事項
詳細はプライバシーポリシーをご確認ください。
目次