API連携とは?ノーコードで基幹システムをつなぐ3つのステップ

基幹システムのAPI連携ガイド:ノーコード×生成AIで実現する業務効率化

🏁 はじめに

  • 課題:二重入力とCSV作業のムダ
  • ゴール:API連携の基本と、ノーコード×AI開発による内製判断軸を解説

1. API連携とは?基本整理

  • 定義:システム同士が自動で会話する「データの通り道」
  • 効果 ヒューマンエラー削減とリアルタイム共有

2. 基幹システムでよくある連携シナリオ

  • 事例:勤怠→給与、受注→在庫・請求など部門横断
  • 効果 リードタイム短縮と、リアルタイムな経営指標の把握

3. ノーコード×生成AIで進める3ステップ

  • 手順:フロー整理 → ツール確認 → リスクの低いフローから小さくテスト
  • AI活用 APIドキュメントの要約など、非エンジニアの理解を加速

4. 外部パートナーに相談すべきタイミング

  • 判断軸:古い基幹システムの複雑な仕様、セキュリティ・監査要件の厳しさ
  • 連携: ノーコードと個別開発の線引きを含めた全体設計

✅ まとめ

  • 結論:ノーコードとAIで小さく試しながら基盤を育てる

はじめに

勤怠管理システムや会計ソフト、販売・在庫管理など、会社の中にはクラウドサービスや業務システムが次々に増えています。その結果、「同じ情報を何度も入力している」「CSVでのエクスポート/インポート作業がつらい」といった悩みが現場から絶えません。

こうしたムダを減らすキーワードとして注目されているのが「API連携」です。本記事では、現場寄りの情報システム担当・DX推進担当の方に向けて、API連携の基本と、ノーコードツールとChatGPTなどの生成AIを組み合わせた“AI開発”によってどこまで内製できるのかを、専門用語をできるだけ使わずに解説します。ここで言うAI開発とは、PythonでゼロからAIモデルを作ることではなく、生成AIに設計や設定・テストを手伝ってもらう開発スタイルを指します。

第1章 API連携とは?非エンジニアのための基本整理

まず押さえておきたいのは、「API連携=システム同士を自動で会話させるための決まりごと」というイメージです。勤怠管理システムと給与計算システムを例にすると、本来は両方に同じ従業員情報や勤務時間を登録する必要がありますが、API連携を使えば、勤怠側に登録した情報を自動で給与側に送ることができます。この「自動でデータを受け渡す通路」こそがAPI連携です。

従来のファイル連携(CSVエクスポート→インポート)は、人が手を動かす前提の仕組みでした。そのため、担当者が忙しいと連携が止まったり、ファイルの選択ミスや貼り付けミスが起きたりします。API連携では、あらかじめ「どのタイミングで、どの項目を、どの形式で渡すか」を決めておくことで、システム同士が自動でデータをやり取りするため、ヒューマンエラーの削減とリアルタイムに近い情報共有が期待できます。

一方で、すべてのシステムが自由にAPI連携できるわけではありません。そもそもAPIが公開されていないクローズドな基幹システムもありますし、API自体は用意されていても仕様が複雑で、ある程度の技術知識が必要なケースもあります。こうしたギャップを埋める手段として、ノーコードツールやiPaaSと呼ばれる連携専用サービスが登場しており、「難しいコードを書く代わりに、画面上で設定してつなぐ」というアプローチが一般的になってきました。

第2章 基幹システムでよくあるAPI連携シナリオ

では、実際の業務ではどのような場面でAPI連携が活躍するのでしょうか。中堅・中小企業でよく見られるのは、「勤怠・人事・会計」「販売・在庫・請求」「顧客管理・問い合わせ対応」といった、部門をまたぐデータの流れです。たとえば、勤怠システムで確定した残業時間を自動で給与計算ソフトに連携したり、受注管理システムから在庫管理・出荷管理まで一気通貫でデータを流したりするイメージです。

以下の表は、よくある課題とAPI連携による改善例を整理したものです。

現状の課題API連携でできること期待できる効果
勤怠と給与で同じ従業員情報・勤務時間を二重入力している勤怠システムの確定データをAPIで給与システムに自動連携入力工数とミスの削減、月初残業の圧縮
受注データをExcelで加工して在庫・請求システムへ転記している受注システム→在庫管理→請求管理まで一連のデータをAPIで連携受注〜請求までのリードタイム短縮、在庫の見える化
Webフォームからの問い合わせ内容をメールだけで処理しているフォーム送信内容をAPIで顧客管理・チケット管理ツールへ自動登録対応漏れ防止、案件ステータスの一元管理
基幹システムのデータを週1回だけCSVで別システムに取り込んでいる必要なデータをAPI経由で定期的またはトリガーに応じて自動連携ほぼリアルタイムな情報共有、経営指標のタイムリーな把握

このように、API連携は「今行っている手作業のデータ受け渡し」をそのまま自動化するところからスタートできます。いきなり高度な分析基盤を目指さなくても、まずは現場のCSV作業を一つずつ減らしていくだけで、担当者の時間が浮き、ミスも減り、経営層が使えるデータも増えていきます。

第3章 ノーコード×生成AIで進めるAPI連携3ステップ

ここからは、本記事で定義する「AI開発」、つまりChatGPTなどの生成AIを相棒にしながらノーコードでAPI連携を進める流れを3ステップで整理します。

ステップ1:現状フローとデータ項目を整理する
まずは、紙とペン、もしくはスプレッドシートを使って、現状の業務フローを書き出します。「どのタイミングで、どのシステムに、どんな項目を入力しているか」「その結果、次のシステムでどんな作業が発生しているか」を、できるだけ具体的に整理します。

ステップ2:ノーコード連携ツールとAPI対応状況を確認する
次に、連携したい各システムがAPIに対応しているか、自社で使えるノーコード連携ツールがあるかを確認します。公式サイトの「API連携」「外部連携」ページや管理画面のメニューを見ながら、分からない用語は生成AIに質問して噛み砕いてもらうと理解が早まります。「○○という勤怠システムのAPIドキュメントを要約して」といった依頼も有効です。

ステップ3:小さくつなぎ、テストしながら範囲を広げる
最後に、いきなり全社展開を目指すのではなく、リスクの低いフローから小さく始めるのがおすすめです。例えば、「勤怠の打刻データの一部だけをテスト環境の給与システムに連携してみる」といった形で、ノーコードツール上に連携フローを作成し、テストデータで動作確認を行います。エラー内容の読み解きやフィールド名の対応付けなど、細かい部分は生成AIに相談しながら進めると、非エンジニアでも理解しやすくなります。

第4章 外部パートナーに相談すべきタイミングと選び方

とはいえ、すべてのAPI連携を社内だけで完結させる必要はありません。特に、古い基幹システムが絡んでいたり、複数のAPIを組み合わせて複雑な処理を行ったりする場合は、ノーコードだけでは対応が難しいケースもあります。また、「障害時の切り分けや保守体制をどうするか」といった運用設計まで考えると、専門家の知見があるかないかで、後々の安心感が大きく変わってきます。

外部パートナーに相談するかどうかを判断する目安としては、次のようなポイントがあります。
・基幹システム側のAPI仕様が複雑で、社内だけでは読み解きに不安がある
・セキュリティや監査の観点から、ログ管理や権限設計をしっかり行う必要がある
・連携範囲が複数部門・複数拠点にまたがり、影響範囲が大きい
・社内にノーコードツールやAPI連携に詳しい人材がほとんどいない

ノーコード開発やAPI連携を得意とする受託開発会社であれば、「まずは現状業務と使っているシステムをヒアリングし、どこをノーコードでつなぎ、どこを個別開発するか」といった全体設計から伴走してもらうことができます。ChatGPTなどの生成AIを活用したドキュメント整備やテストの自動化まで含めて相談すれば、「自社で運用しやすい形」を前提にしたAPI連携基盤づくりが進めやすくなるでしょう。

まとめ

API連携は、一言でいえば「システム同士に自動で会話してもらう仕組み」です。
勤怠・会計・販売・在庫・顧客管理といった基幹システムの間でデータを行き来させることで、これまで人が担っていた転記作業やチェック作業を減らし、リアルタイムに近い形で情報を共有できるようになります。

ノーコードツールと生成AIを組み合わせれば、非エンジニアでも小さな連携から試しながら改善を重ねていくことができます。現状の業務フローとデータ項目さえ整理できれば、あとはツールや外部パートナーの力を借りながら段階的に自社に合ったAPI連携基盤を育てていけます。

「自社のシステム構成でどこまでAPI連携が可能か知りたい」「ノーコードと個別開発の線引きを相談したい」と感じたら、業務システムとAPI連携の両方に知見のあるパートナーに一度相談してみてください。要件整理や簡易診断の段階から伴走してもらうことで、現実的なロードマップを描きやすくなります。

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