ZAC 比較【2026年版】管理会計システムの選び方と費用確認
はじめに
管理会計システムを比較するときは、製品名の知名度や口コミだけで決めるのではなく、自社が見たい数字をどの単位で管理したいのかを先に整理する必要があります。部門別損益を見たいのか、案件別の粗利を見たいのか、予算と実績の差異を月中に追いたいのかで、選ぶべきシステムは変わります。
特にZACは、案件・契約・プロジェクト単位で業務が進む企業向けのクラウドERPとして位置づけられています。公式サイトでは、プロジェクト管理、販売管理、購買管理、勤怠管理、工数管理、ワークフロー、経営モニタリングなどが示されています。一方で、予実管理に特化したクラウドや大企業向け会計システムとは得意領域が異なります。
この記事では、ZAC 比較を2026年版として整理します。ZAC、Manageboard、Loglass、BizForecast、OBIC7、Workday Adaptive Planningを対象に、機能、操作性、サポート体制、料金、業種・規模別の向き不向きを順に見ていきます。料金や機能は、2026年9月に各社の公式サイトで確認した内容をもとにしています。
比較の目的は、どの製品が有名かを決めることではありません。自社の管理粒度、現場入力の負荷、経営会議で使うレポート、導入後の運用体制に合う選択肢を残すことです。
ZAC 比較で先に決めるべき選定軸

最初に決めるべきなのは、管理したい単位です。ZACはプロジェクト型ビジネスに強く、案件、契約、工数、原価、売上をひも付けて見たい企業と相性があります。広告、制作、IT、コンサルティング、建設コンサルタントなど、案件単位で損益を追う業種では、プロジェクト別損益を軸に見ることが重要です。
一方で、全社予算、部門別予算、KPI、非財務情報、グループ合算を中心に見たい場合は、予実管理や経営管理クラウドのほうが合うこともあります。比較時は、製品名ではなく、数字の粒度、承認フロー、会計ソフト連携、レポート作成、権限管理、導入支援を同じ表で見ます。
| 選定軸 | 確認する内容 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 管理単位 | 案件、部門、プロジェクト、会社、グループ | 見たい損益の単位に合うか |
| データ連携 | 会計、勤怠、工数、販売、購買、スプレッドシート | 二重入力を減らせるか |
| 内部統制 | ワークフロー、証跡、権限、ログ | 上場準備や監査に耐えられるか |
| レポート | 予実差異、案件別粗利、KPI、配賦 | 経営会議で使える形になるか |
| 導入支援 | 要件整理、初期設定、定着支援 | 現場に運用が残るか |
比較対象の主要管理会計システム一覧

本記事で比較するのは、次の6製品です。ZACのようにプロジェクト型の業務全体を統合するERPと、予実管理・経営管理に特化したクラウド、制度会計と管理会計を一体で扱う大企業向けシステムでは、そもそもの守備範囲が違います。まずは製品の位置づけをそろえて見てください。
| 製品 | 提供企業 | 位置づけ(公式サイトの説明より) |
|---|---|---|
| ZAC | オロ | 案件・契約・プロジェクト単位で業務進行する業種向けのクラウドERP |
| Manageboard | マネーフォワードコンサルティング | 予実管理と財務・非財務情報の一元管理 |
| Loglass | ログラス | 予実管理を中心とした経営管理クラウド |
| BizForecast | プライマル | 予算策定から予実管理、着地見込管理までを扱う予実管理SaaS |
| OBIC7 会計情報システム | オービック | 財務会計と管理会計、予算、連結を扱うERPの会計システム |
| Workday Adaptive Planning | Workday | 計画・予算・フォーキャストと決算・連結を扱うEPMソフトウェア |
以前は比較候補として挙がることの多かったPCA会計DXは、PCAの公式案内によると買取パッケージ版の販売を2024年3月31日で終了しています。サポートは2029年3月までで、移行先はクラウドのPCA ArchとサブスクリプションのPCAサブスクです。PCA製品は制度会計が中心のため、管理会計の仕組みを別に持つかどうかを含めて検討します。
機能面の比較:得意な管理単位と主な機能
管理会計システムを導入する際に重要なのは、「何ができるか」だけでなく、どの管理単位を得意としているかを理解することです。以下は各社の公式サイトに明記されている機能を整理したものです。公式サイトで確認できない機能は「できない」という意味ではないため、デモや資料で個別に確認してください。
| 製品 | 得意な管理単位 | 公式サイトに明記されている主な機能 |
|---|---|---|
| ZAC | 案件・プロジェクト | プロジェクト管理、販売・購買管理、勤怠・工数・経費管理、ワークフロー、経営モニタリング、電子帳簿保存法・インボイス対応 |
| Manageboard | 全社・部門 | 予実管理、KPIなど非財務情報と財務数値の一元管理、会計ソフトとのAPI連携(マネーフォワード クラウド会計、freee会計、勘定奉行クラウド)、スプレッドシート・CSVの取り込み |
| Loglass | 全社・部門・子会社 | 予算策定、見込・実績の収集統合、予実管理、多軸分析、子会社・部門管理、AIによる差異分析とレポート作成 |
| BizForecast | 部門 | 予算策定、予実管理、着地見込管理 |
| OBIC7 | 全社・部門・グループ | 管理会計(異なる集計基準、原価配分、人件費配分)、予算設定・配分・管理、連結決算、IFRS対応 |
| Workday Adaptive Planning | 全社・グループ | 予算編成、シナリオプランニング、人員計画、決算・連結処理、外部データの自動接続 |
ZACは案件ごとの売上・原価・工数を業務データから集める仕組みで、会計データを取り込んで予実を見る製品とは発想が逆です。案件の業務から数字を作るのか、会計の数字から分析するのかが、最初の大きな分かれ目になります。
一方でOBIC7やAdaptive Planningは、配賦や連結、グループ全体の計画に強みがあります。海外子会社を含めた連結や、複数の集計基準で損益を見たい大企業では、こちらが候補の中心になります。機能の見方をさらに整理したい場合は、管理会計システムの主要機能とはも参考になります。
操作性と現場定着の確認ポイント
いくら高機能でも、現場が使いにくければ定着しません。管理会計システムは経理だけでなく、案件の担当者や部門長が入力・確認する場面が多いため、操作性は機能と同じくらい重要な選定軸です。
操作性は、カタログや他社の評価ではなく、自社の業務で試して判断するのが確実です。ZACは無料デモ相談と製品ツアーを、Workday Adaptive Planningは30日間の無料トライアルを公式サイトで案内しています。デモの場では、普段の月次作業の流れを持ち込み、担当者が実際に入力する画面を触ってもらうと差が見えやすくなります。
確認するときは、入力画面の項目数、承認までのクリック数、スマートフォンからの入力可否、Excelからの取り込み方法、レポートの作り直しを誰ができるかを見ます。特にレポートの修正を情報システム部門やベンダーに頼らずに済むかは、導入後の運用負荷を大きく左右します。
サポート体制・導入支援の比較

システム選定時には、導入後のサポートが充実しているかも非常に重要です。管理会計システムは、科目体系や部門階層、配賦ルールを最初に設計しないと使える数字が出てきません。導入支援の範囲は製品ごとに大きく違うため、公式サイトで確認できたメニューを整理しました。
| 製品 | 公式サイトで確認できた導入支援 |
|---|---|
| ZAC | 導入支援費用はフリープラン(適用条件あり)とスタンダードプラン(都度見積もり)の2種類。無料デモ相談あり |
| Manageboard | 初期費用として初期アカウント開設・環境構築を案内 |
| Loglass | 公式サイトに導入支援の料金記載なし。問い合わせで確認 |
| BizForecast | Standard Editionにコーチング形式の標準導入支援(オンライン、2〜3ヶ月目安)をオプションで用意 |
| OBIC7 | 公式サイトに導入支援の料金記載なし。電話・フォームで問い合わせ |
| Workday Adaptive Planning | 30日間無料トライアルでコアプランニング機能のガイド付き説明を提供 |
見積もりを取るときは、導入支援と定着支援を分けて確認します。初期設定までで支援が終わるのか、運用開始後の問い合わせや追加のレポート作成まで含むのかで、社内に残る作業量が変わります。導入に不安のある企業は、支援範囲を文書で確認できるベンダーを選ぶのが安全です。
料金・費用の比較:公式で確認できる金額

料金は製品ごとに公開範囲が違います。公開金額がある製品でも、ユーザー数、導入支援、連携範囲、データ量、権限設計によって総額は変わります。料金公開の有無より見積もり条件が重要です。以下は2026年9月27日に各社の公式サイトで確認した内容です。
| 製品 | 公式サイトで確認できた料金 |
|---|---|
| ZAC | 初期費用: 初期設定費用10万円、導入支援費用は0円(フリープラン・適用条件あり)または都度見積もり。月額: ライセンス費用(機能×ライセンス数、単価は製品資料で案内)と保守費用6万円〜/月(ライセンス数で変動)。税抜・税込の明記なし |
| Manageboard | 初期費用、固定の月額費用、ユーザー数に応じた月額従量課金。プランはエッセンシャル・スタンダード・プレミアム。金額は非公開 |
| Loglass | 公式サイトに料金の記載なし |
| BizForecast Standard Edition | 3ユーザーで年払い50,000円/月(税抜・年額600,000円)。追加ユーザーは1名あたり年払い5,000円/月(税抜・年額60,000円、10名以上は割引)。標準導入支援は500,000円〜(税抜・初期費用に相当) |
| OBIC7 | 公式サイトに料金の記載なし |
| Workday Adaptive Planning | 価格は条件により異なるため見積もり。30日間無料トライアルあり |
ZACの料金は、2023年1月1日の新規契約分から一括ライセンス買取型が廃止され、月額ライセンス利用型のみになっています(オロのお知らせ)。公開されているのは初期設定費用と保守費用の下限で、ライセンス単価は製品資料で確認する必要があります。ZACの総額を他製品と比べるには、利用する機能とライセンス数を決めてから見積もりを取ります。
管理会計システムの費用は、月額料金だけでは判断できません。初期設定、マスタ整備、会計科目の設計、部門階層、配賦ルール、既存データ移行、外部連携、権限設計、レポート作成、導入後の定着支援まで含めて見ます。見積もり依頼時は、現在のExcel管理、会計ソフト、販売管理、勤怠、工数管理、月次締めの流れを共有し、何を標準機能で対応し、何を設定や個別開発で補うのかを分けて確認します。
口コミ・レビューの読み方
管理会計システムは一度導入すると数年単位で使い続けることになるため、実際に利用している企業のレビューは貴重な情報源です。ZACについては、IT製品のレビューサイトであるITreviewのZACレビューページで、利用企業の評価を読めます。同サイトの競合・類似製品の比較ページでは、OBIC7などZACと並べて検討されやすい製品も確認できます。
ただし、レビューは書き手の業種、規模、利用している機能によって評価が大きく変わります。読むときは、自社と同じ業種か、同じくらいの従業員規模か、評価しているのが案件管理なのか経費精算なのかを確認します。また、クラウド製品は機能の追加や画面の変更が続くため、投稿時期が古いレビューは現在の画面や機能と違う可能性があります。
レビューで気になった点は、デモの場でベンダーに直接確認するのが確実です。同業他社の導入事例を資料で求めたり、紹介を依頼したりすると、自社の業務に近い使い方を具体的に聞けます。
業種・規模別おすすめシステムマップ
ここまでの比較をもとに、業種と規模ごとに最初に検討したい製品を整理しました。あくまで候補を絞るための目安で、最終的には自社の管理単位と運用体制で判断します。
| 業種・規模 | 最初に検討したい製品 | 理由 |
|---|---|---|
| プロジェクト型(広告・制作・IT・コンサル・設備工事) | ZAC | 案件単位で売上・原価・工数・外注費を業務データから集められる |
| 中小〜中堅企業で部門別予実を早く始めたい | BizForecast、Manageboard | 予実管理に機能を絞っており、小規模から始められる |
| 事業部や子会社が多く、経営データを横断で見たい | Loglass | 子会社・部門管理と多軸分析を公式に掲げている |
| 大企業で制度会計と管理会計を一体で扱いたい | OBIC7 | 管理会計、配賦、予算、連結をERPの会計システムで扱える |
| 海外子会社を持つグローバル企業 | Workday Adaptive Planning | 計画・予算と決算・連結処理をEPMとして扱える |
企業のフェーズに合わせて、段階的に移行したり、PoCから小さく始めたりする選び方も有効です。数字の分析方法から考えたい場合は、管理会計システムの分析機能も参考にしてください。
ZACが向く企業と向かないケース

ZACが向くのは、案件ごとに売上、原価、工数、外注費を追う企業です。たとえば、システム開発、広告制作、Web制作、コンサルティング、設備工事などでは、月次決算後に赤字案件に気づくのでは遅い場合があります。見込段階から損益を見たい企業には、ZACの考え方が合いやすいです。
また、上場準備や内部統制を意識する会社では、ワークフロー、ログ、申請承認、権限管理の整備も重要です。ZACは公式サイト上で、ベンチャーから上場企業・大手企業まで1,100社を超える導入実績を示しています。案件別損益と内部統制を見たい場合は、候補として検討しやすくなります。
反対に、会計データを取り込んで部門別予算やKPIを素早く可視化したいだけなら、ManageboardやLoglassのような予実管理・経営管理クラウドが合うこともあります。Excel運用をどこまで残すか、既存会計ソフトとどこまで連携するか、現場入力をどの程度変えられるかで判断します。
製品選びの前に導入形態から整理したい場合は、管理会計システム SaaSの向き不向きと、パッケージ・独自開発との違いも確認してください。
ノーコードで補完できる周辺業務

基幹ERPや管理会計システムを入れる前に、すべてを大規模に作り替える必要はありません。申請フォーム、簡易レポート、部門別入力、営業案件の補助台帳、経営会議向けのダッシュボードなど、周辺業務はノーコードで先に検証できる場合があります。
Nocoderiでは、Bubbleを中心としたノーコード開発で、既存のExcelやスプレッドシート業務を見える化し、管理会計システム導入前のPoCや周辺業務の効率化を支援できます。ERP本体の代替ではなく、入力・集計・確認の抜け漏れを減らす補完策として考えると現実的です。ノーコードで周辺業務を補完する選択肢も比較表に入れておくと、段階導入の判断がしやすくなります。
特に、部門から集める数字の形式が毎月ばらつく場合や、承認前の確認作業が属人化している場合は、小さな入力画面や通知フローを先に作るだけでも効果を測れます。
まとめ
ZACを比較するときは、まず自社が「案件別損益」を見たいのか、「部門別予実」を見たいのか、「会計情報を多角的に分析したい」のかを分けます。ZACはプロジェクト型ビジネスの業務統合に強く、案件、工数、販売、購買、経営モニタリングをつなげたい企業に向いています。予実管理を中心に短く始めたい場合はManageboard、Loglass、BizForecastが、大企業やグループ経営ではOBIC7やWorkday Adaptive Planningが候補になります。
費用面では、公式情報で確認できる範囲をもとに比較します。ZACは初期設定費用10万円と保守費用6万円〜/月が公開されており、ライセンス費用は機能とライセンス数で決まります。BizForecastはStandard Editionの3ユーザー年払い50,000円/月(税抜)と標準導入支援500,000円〜(税抜)が公開されています。Manageboard、Loglass、OBIC7、Workday Adaptive Planningは具体額が公開されていないため、同じ条件で見積もりを依頼します。
導入前には、現在の管理方法、会計ソフト、月次締め、配賦ルール、部門階層、見たいレポート、承認フローを整理します。大規模システムを一気に入れる前に、ノーコードで入力フォームや補助ダッシュボードを作り、運用の課題を確認する進め方も有効です。Nocoderiでは、管理会計システムの周辺業務やPoCをノーコードで整理する相談に対応できます。
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