「Slackでの確認」はもう不要。業務システムに「メッセージ機能」を埋め込む新常識
- 課題:システムとチャットの「分離」が、「往復作業」という非効率を生む。
- ゴール:ノーコードで「データに紐づくメッセージ機能」を組み込み、往復を減らす。
1. なぜ「SaaSとSlackの往復」がDXを阻害するのか?
- 課題①:コンテキストの切り替えによる生産性の低下。
- 課題②:証跡(エビデンス)が分散し、管理コストが増大。
2. ノーコード開発が実現する「データに紐づく」メッセージ機能
- 解決策①:データの真横で会話を完結させ、「往復作業」を減らす。
- 解決策②:業務ロジックと連動した自社専用の機能を実装可能。
- 結論:ノーコードは、要件に合わせた「データと会話の一体化」を検討する手段。
- 位置づけ:「SaaS + Slack」で足りない部分を補う選択肢。
- 結論:ノーコード開発は、「往復作業」という隠れコストを減らす手段になる。
はじめに:「その確認、Slackとシステムを見比べていませんか?」
経費精算システムで部下からの申請をチェック中、領収書の不備を発見。
ため息をつきながら、Slack(あるいはTeams)を開き、部下をメンション。
「〇〇さん、〇月〇日の〇〇費の申請ですが、領収書の写真が不鮮明なので再提出してください」
たとえば、部下からの返信が後になったとします。その頃には、あなたは別の業務に追われており、「何の件だっけ?」と、また経費精算システムを開き直す…。
これは、管理部門で起こり得る「非効率」の典型例です。
勤怠管理システムでの打刻漏れの確認、案件管理システムでの進捗確認、在庫管理システムでの発注確認…。
私たちは、高性能な「業務システム(SaaS)」と、高性能な「チャットツール(Slack等)」を導入しました。しかし皮肉なことに、この2つが「分離」していることによって、「システムとチャットの往復」という、新しい「非効率」を生み出してしまっているのです。

この記事は、まさにその「往復作業」に疲弊している管理部門の責任者様、DX推進の担当者様に向けて書いています。
もし、「経費精算の“その”明細行の真横」に、「勤怠の“その”打刻の上」に、直接メッセージ(=コメント)を残せるシステムがあったら?
その答えの一つが、「ノーコード開発」による「データに紐づくメッセージ機能」の組み込みです。
「SaaSとSlackの往復」というストレスを減らすための考え方を解説します。
1.なぜ「SaaSとSlackの往復」がDXを阻害するのか?
「チャットツールがあるんだから、連絡はそれで取ればいい」
一見、合理的に思えるこの判断が、なぜDXの「阻害要因」となっているのでしょうか。
課題①:コンテキスト(文脈)の切り替えによる生産性の低下
大きな課題は「コンテキストの切り替え」コストです。
前述の経費精算の例のように、
- 【システム】で不備を発見する。
- 【チャット】を開き、「どのシステムの、どの申請の、どの部分か」を言語化(=コンテキストの再構築)して入力する。
- 相手は【チャット】で指示を読み、「どのシステムの、どの申請か」を探しに行く。
- 【システム】で修正し、【チャット】で「直しました」と報告する。
- あなたは【チャット】で報告を受け、【システム】で再確認し、承認する。
1つの「差し戻し」のために、これだけの「往復」と「コンテキストの再入力」が発生しています。件数が積み重なれば、確認にかかる時間も増えます。
課題②:証跡(エビデンス)の分散による管理コストの増大
「勤怠の打刻漏れ、Slackで部長がOKしたから修正しました」
この時、「修正した」という事実は【勤怠システム】に、「OKした」という証跡(エビデンス)は【Slack】に残ります。
後日、監査や労務トラブルで「なぜこの打刻が修正されたのか」を追跡する必要が出た時、2つのシステムを横断して証拠を探すという、手間のかかる作業(=管理コスト)が発生します。
課題③:既製SaaSでは「業務」と「会話」が分離している
既製のSaaSにも、申請に紐づくコメントやチャット連携があります。マネーフォワード クラウド経費は、申請へのコメントなどをSlackやChatworkへ通知し、リンクから該当申請を開く機能を案内しています(公式のお知らせ、2026年10月19日確認)。freee経費精算もSlack連携とスマホからの承認を案内しています(公式機能ページ、2026年10月19日確認)。
まずは利用中の製品で、コメントを付けられる単位、通知条件、承認との連動が業務に合うかを確認します。標準機能や連携設定で足りない場合に、自社専用のメッセージ機能を検討します。
2.ノーコード開発が実現する「データに紐づく」メッセージ機能
この「SaaSとSlackの往復」という課題を見直す手段の一つが「ノーコード開発」です。ノーコードとは、プログラムコードを書かずに、システムを構築する手法です。
解決策①:業務フローの「断絶」をなくす
ノーコード開発では、画面やデータ構造、処理の流れを自社の業務に合わせて設計します。実現できる範囲はプラットフォームの仕様に、費用や期間は要件に左右されます。
これにより、SaaSの標準機能では合わなかった形の「データに紐づくメッセージ機能」を、業務システムの「中」に埋め込むことが可能になります。
- (例:経費精算) 不備のある明細行の「横」に、「コメントボタン」を設置。
- (例:勤怠管理) 打刻修正の申請画面「内」に、「申請理由(メッセージ)」と「承認者のコメント(メッセージ)」を、時系列で記録する。
- (例:案件管理) 各案件のページ「内」に、関係者だけの「チャットスレッド(メッセージ機能)」を設置する。
これにより、「このデータについて」話したい時、別のツールを開くことなく、そのデータの真横でコミュニケーションが完結します。対象業務での「SaaSとSlackの往復」と、コンテキスト切り替えの手間を減らせます。
メッセージを対象データに関連付けて保存する設計が必要です。関係者だけに見せるには閲覧権限も設定します。たとえばBubbleでは、非公開データにPrivacy rulesを設定し、権限のない利用者への公開を防ぎます(Bubble公式ドキュメント、2026年10月19日確認)。
解決策②:SaaSの標準機能では作り込みにくい「自社専用」のコミュニケーション基盤
ノーコード開発なら、「ただのコメント機能」以上の、自社の業務フローに合わせた「メッセージ機能」を実装できます。
「特定の申請(例:社内で定めた金額以上)の場合のみ、メッセージに部長の“確認印(既読)”を必須にする」
「案件が“失注”ステータスになったら、自動で“反省点”を投稿するメッセージ欄を表示する」
といった、「業務ロジックと連動した」メッセージ機能(=コミュニケーション基盤)を、利用するツールの仕様と照らし合わせながら設計します。
3.【比較表】開発手法別「業務と会話の一体化」
「業務」と「会話(メッセージ)」が、いかにして一体化できるか、3つの手法を比較します。
| 比較項目 | ① 既製SaaS + Slack | ② フルスクラッチ開発 | ③ ノーコード開発(貴社) |
| 導入コスト | 利用料・連携設定費用を確認 | 要件ごとに見積もり | 利用料と開発・運用費用を確認 |
| 導入スピード | 契約・設定・運用準備が必要 | 設計・開発・検証の範囲による | 要件とツールへの適合度による |
| データと会話の紐付け | コメント・Slack連携を備える製品もある | 設計次第で可能 | 設計次第で可能 |
| 業務へのフィット感 | 標準機能と連携設定の範囲 | 要件・予算に合わせて設計 | 要件とプラットフォームの仕様の範囲 |
| コンテキスト切替 | 連携で減らせる場合もある | 画面・業務設計次第で削減 | 画面・業務設計次第で削減 |
| 証跡(エビデンス) | 保存先・履歴の仕様を確認 | 関連付け・履歴・権限を設計 | 関連付け・履歴・権限を設計 |
結論:
「SaaS + Slack」の標準機能や連携で確認業務が完結するなら、その活用を先に検討できます。足りない条件がある場合は、フルスクラッチとノーコードで実現範囲、開発費用、運用負担を比較します。
「ノーコード開発」は、自社の業務に合わせた「データと会話の一体化」を検討する選択肢の一つです。外注費用も比較したい場合は、システム開発の費用相場で規模・開発方式ごとの目安を確認できます。
(※生成AIを業務フローの整理やデータベース設計、ロジック構築の下書きに使う場合も、要件との一致や動作の検証は必要です。本記事でのAI開発とは、ChatGPT等の生成AIツールによる開発支援を指します。)
まとめ:「システムの“中”で会話する」という発想
本記事では、「SaaSとSlack(チャットツール)の往復」という、企業が抱えがちな「見えない非効率」を取り上げ、その解決策の一つとして「データに紐づくメッセージ機能」の重要性を解説しました。
「勤怠の確認」や「経費の差し戻し」のために、システムへのリンクをコピーし、チャットツールに貼り付け、状況を一から説明する…。
その「往復作業」に費やしている時間こそが、貴社のDXを妨げる「隠れコスト」になり得ます。
まずは既製SaaSのコメント機能やSlack連携で、確認業務をまとめられるか検討します。それでも不足する場合は、システムの「中」で会話を完結させる設計が選択肢になります。
既製SaaSの機能で足りない場合も、フルスクラッチとノーコードのどちらが適するかは、必要な機能、予算、運用体制によって変わります。
「ノーコード開発」では、「自社専用の業務システム(データ)」と「それに紐づく会話(メッセージ機能)」を、ツールの仕様を踏まえて設計します。
私たちノーコード総合研究所は、ノーコード開発に特化した受託開発企業です。
SaaSではフィットしなかったお客様独自の「業務フロー」をヒアリングし、「非効率な往復作業」を減らすシステムを検討します。
「このSlackでの確認作業、もうやめたい」
「勤怠データと修正理由(メッセージ)を、一元管理したい」
こうした要件なら、要件整理から相談できます。
貴社が「どの業務」で「どのツールとの往復」に疲弊しているか、ぜひ一度、私たちにお聞かせください。
「システムの中で会話が完結する」業務フローを、ノーコードでご提案します。
業務の連絡をチャットツールと業務システムの往復で行うと、やりとりの履歴が分散しやすくなります。当社では、予約・チャット・決済・カルテなどの業務機能を一つのシステムに集約し、顧客向けとスタッフ向けのチャットをシステム内に統合して、コミュニケーション履歴を一元管理できる業務基盤を開発しました。業務データとやりとりを一か所にまとめたい段階からご相談いただけます。
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