スマホ打刻とは?勤怠管理5製品の料金・導入手順【2026年版】
はじめに
スマホ打刻は、スマートフォンのアプリやブラウザで出退勤を記録する方法です。現場への直行直帰、複数店舗の勤務、在宅勤務でも、会社のタイムレコーダーまで戻らずに勤怠を記録できます。紙の出勤簿やメール報告を月末に転記している会社では、入力と確認の流れを見直す選択肢になります。
ただし、スマホ対応と書かれたサービスでも、位置情報の取得方法、顔認証を使える端末、圏外時の扱いは同じではありません。打刻だけできればよいのか、シフト確認や休暇申請、管理者の承認までスマホで完結させたいのかによって、必要な機能が変わります。
料金も一人あたりの単価だけでは判断できません。少人数でも最低料金が発生するサービスや、無料プランに人数・保存期間の制限があるサービスがあります。利用人数と必要機能をそろえて、会社全体の支払額を比較することが大切です。
この記事では、スマホ打刻の仕組み、メリット、主要機能、業種別の使い方と、勤怠管理5製品の料金を整理します。料金・仕様は2026年10月23日に公式情報を確認しています。導入前の試用から社員教育、給与計算へデータを渡すまでの手順も紹介します。
打刻をする従業員だけでなく、修正を承認する上司や月次集計を行う人事担当の操作も確認しましょう。毎日使う画面の分かりやすさと、締め日前に記録漏れを発見できる仕組みを一緒に検討すると、導入後の手戻りを減らせます。
この記事の結論は次のとおりです。
- スマホ打刻は、従業員のスマートフォンから出退勤を記録し、勤怠管理システムへ送る方法です。
- 直行直帰・複数拠点・在宅勤務でも、専用機器に戻らずに勤怠を記録できます。
- 製品選びでは、GPSや顔認証の条件、圏外時の扱い、給与計算との連携を確認します。
- 料金は単価だけでなく、最低料金と課金対象人数を含めた総額で比べるべきです。
スマートフォンによる勤怠打刻の仕組みとメリット

従業員が本人のアカウントで出勤・退勤ボタンを押すと、時刻などの情報が勤怠管理システムへ送られます。GPS打刻を有効にすると、時刻に加えて打刻場所を確認できます。例えばTouch On Timeのモバイル打刻はブラウザ方式で、専用アプリのインストールは不要です。
メリットは、現場での記録と管理部門の確認をつなげられることです。手持ち端末を使えば専用機器の購入を抑えやすく、対応する申請機能も利用すれば紙の提出を減らせます。ただし、通信費や設定作業、操作説明の負担までなくなるわけではありません。
場所を記録できても、勤務の実態や本人性が自動的に証明されるわけではありません。アカウントの共有を避け、修正理由と承認履歴を残すことで、不自然な記録を確認しやすくなります。
従業員にとってのメリット
スマホ打刻は管理部門だけでなく、打刻する従業員本人にも利点があります。対応する製品では、本人が自分の勤務時間や残業時間をスマホで確認できます。月末に集計結果を見て初めて気づくのではなく、日々の勤務を自分で把握しやすくなります。
休暇の残りの確認や休暇・残業の申請をスマホで済ませられる製品もあります。勤務時間や休暇の残りを人事担当へ問い合わせる回数や、紙の申請書を提出する手間が減ります。どの画面をスマホで見られるかは製品とプランで異なるため、試用期間に従業員側の画面も確認しましょう。
スマートフォン打刻に対応した勤怠管理システムの主な機能
各機能は、契約プランと打刻方式を分けて確認します。特に顔認証と写真打刻は別の仕組みです。撮影した写真を人が確認する方式と、登録した顔を照合する方式を混同しないようにしましょう。
| 機能・比較軸 | できること | 選定時に確かめる条件 |
|---|---|---|
| GPS打刻 | 打刻した場所を記録 | 取得タイミング、端末権限、測位できない場合の処理 |
| 顔認証・写真打刻 | 本人確認を補強 | 個人スマホ・共用端末の区別、追加契約、認証失敗時の代替手段 |
| オフライン打刻 | 通信断時の記録を一時保存 | 対応する方式、事前設定、復旧後の送信確認 |
| シフト確認・勤怠申請 | 予定確認、休暇・残業等の申請 | スマホで使える範囲、申請期限、承認経路 |
| リアルタイム確認・通知 | 未打刻などを管理者が確認 | 通信・同期の状態、通知先と頻度 |
| 多拠点管理 | 現場・店舗をまとめて集計 | 勤務所属の選択、拠点別の閲覧権限 |
| 給与計算連携 | 集計値を給与ソフトへ渡す | CSV・APIの対応、締め日、項目の一致 |
例えばKING OF TIMEのMyレコーダーには、ブラウザへの保存とオンライン時の再送を示す履歴があります。オフライン対応は方式ごとに確認し、打刻ボタンを押したこととサーバーへの送信完了を区別してください。
顔認証の例はTouch On TimeのFaceeです。カメラ付きスマホ・タブレット・PCで使える追加オプションで、本体料金とは別に月額100円/人(税別)がかかります。1名・1か月から利用でき、端末の購入やレンタルを選ぶ場合は別途費用を確認します。
提供元の導入例では、株式会社オプトンが約85人・5拠点で、手持ちのカメラ付きPCやタブレットを活用したと紹介されています。個人スマホだけに統一せず、職場の設備に応じて共用端末も検討できます。
専用アプリ型とブラウザ型の違いと対応OSの確認
スマホ打刻には、従業員の端末に専用アプリを入れて使う方式と、スマホのブラウザで打刻画面を開く方式があります。前述のTouch On Timeのモバイル打刻はブラウザ方式の例です。どちらが良いかは、従業員の端末と現場の通信環境で変わります。
専用アプリ型は、従業員ごとにインストールと更新が必要です。その分、プッシュ通知で打刻忘れを知らせたり、通信が切れたときに打刻を一時保存したりする機能を持つ製品があります。ブラウザ型はURLを開くだけで使えるため、配布の手間を抑えられます。通知はメールなど別の手段になることが多く、通信断時の扱いも製品ごとに確認が必要です。
| 観点 | 専用アプリ型 | ブラウザ型 | 導入前に確認すること |
|---|---|---|---|
| インストール・配布 | 従業員の端末にアプリを入れ、更新も続ける | URLを開くだけで使える | 私用端末への導入可否と社内ルール |
| 対応OS | アプリが対応するOSとバージョンに限られる | 対応ブラウザの条件を満たせば使える | 従業員の端末の種類と更新状況 |
| 通信が切れたとき | 一時保存・再送に対応する製品がある | ブラウザへの保存に対応する製品と、非対応の製品がある | 実機・実際の現場での動作 |
| 通知 | プッシュ通知を使える製品がある | メールなど別の手段になることが多い | 打刻忘れの通知方法 |
| 端末紛失・退職時 | アカウント停止に加え、端末側のアプリ削除も必要 | アカウント停止で足りることが多い | 権限削除の担当と手順 |
対応OSは、iPhone(iOS)とAndroidの両方に対応しているか、従業員の端末のOSバージョンが動作環境に入っているかを、各製品の公式の動作環境ページで確認します。古い端末を使い続けている従業員がいると、アプリが更新できず打刻できなくなることがあります。
私用端末を使うか、会社が貸与するかでも手間が変わります。私用端末では端末代はかかりませんが、アプリ導入の同意や、退職時に会社の情報を残さない手順が必要です。貸与端末は会社が一括で配布・更新・回収できる一方、端末の購入と管理の負担が生じます。
スマホ打刻に対応する勤怠管理5製品の料金比較

以下は2026年10月23日に確認した基本料金です。IEYASUは現在のHRMOS勤怠として扱い、freeeは勤怠単体の「freee勤怠管理Plus」を比較対象にしています。
| 製品・公式出典 | 料金と支払周期 | 初期費用・最低条件 | 特徴・追加確認事項 |
|---|---|---|---|
| KING OF TIME | 月額300円/人(税別・月払い) | 初期0円、1名から | 勤怠・人事労務・給与等を含む。打刻機器や有償支援は別途。税区分は公式FAQ参照 |
| ジョブカン勤怠管理 | 月額200〜500円/人(税抜・月払い、機能数で変動) | 初期・サポート0円、有料は最低月額2,000円(税抜) | 出勤・シフト・休暇申請・工数を組み合わせる。工数管理の単独利用不可。機能制限付き無料プランあり |
| HRMOS勤怠(旧IEYASU) | 30名以下の無料プランは月額0円。有料基本は月額100円/人〜(税抜・月額プラン) | 初期0円、有料最低月額3,000円(税抜)。年額プランは最低年額33,000円(税抜) | 無料はデータ保存1年等の制限。有休・届出申請やシフト等のオプションは別途 |
| Touch On Time | 月額300円/人(税別・月払い) | 初期0円、最低利用人数・期間の制限なし | 打刻機器は別途。Faceeなど追加サービスの費用を分けて比較 |
| freee勤怠管理Plus | 月契約は基本1,500円/月、6名以降300円/人/月。年契約は基本15,000円/年、6名以降3,000円/人/年(すべて税抜) | 初期0円、基本料金は5名分で5名未満でも発生 | 年払い・月払いで条件が異なる。導入活用支援は別途有償 |
最低料金を含めた総額で比較することが重要です。例えば月契約で3名がfreee勤怠管理Plusを使う場合、単価を3倍した額ではなく基本料金の月額1,500円(税抜)がかかります。退職者や休職者の課金条件も確認しましょう。
位置情報の取得については、HRMOS勤怠やfreee勤怠管理Plusの公式説明も確認できます。freeeのMyレコーダーではサポート側の内部設定が必要です。価格の安さに加え、自社端末で必要な操作ができるかを試してください。
導入に適した業種・シーン
スマホ打刻は、勤務場所が固定されない職場やPCを持たない従業員が多い職場で検討しやすい方法です。一方、工場内で個人端末を持ち込めない場合などは、共用端末との併用が適しています。
| 業種・シーン | 具体的な使い方 | 導入時の確認点 |
|---|---|---|
| 建設・製造 | 現場の出退勤を記録 | 圏外、端末持込み制限、交替勤務 |
| 介護・医療・訪問サービス | 直行直帰先から入力 | 訪問先情報の閲覧範囲、移動と勤務の記録ルール |
| 小売・飲食 | シフトと実績を照合 | 応援先店舗の選択、忙しい時間帯の操作 |
| IT・在宅勤務 | 自宅で始業・終業を記録 | 休憩・中抜け・残業の申請方法 |
| 派遣・イベント | 短期スタッフの勤怠を集計 | 契約先別の集計、アカウント発行・停止 |
ジョブカンの菓匠禄兵衛の事例でも、店舗・工場のICカード打刻と、外出が多い従業員のスマホGPS打刻を使い分けています。職種に合わせた入力方法を選び、管理側で集計を統一する考え方です。
スマートフォン打刻に潜む課題とその対策
位置情報を利用する際は、取得目的、取得時点、閲覧者、保存期間を従業員へ説明します。常時追跡が必要とは限りません。私用端末の利用が難しい人には、貸与端末や共用端末などの代替手段も用意しましょう。
| 課題 | 対策 |
|---|---|
| 代理打刻・アカウント共有 | IDの共有を避け、必要に応じて本人確認方式を追加。GPSだけで断定しない |
| 圏外・通信障害 | オフライン対応方式を実機で試し、非対応時は時刻を別途記録して修正申請 |
| プライバシーへの懸念 | 打刻に必要な取得範囲へ絞り、閲覧権限と保存期間を説明 |
| 打刻忘れ・誤操作 | 通知と修正申請を組み合わせ、理由・承認履歴を保存 |
| 紛失・情報漏洩 | 端末ロック、アカウント停止、退職時の権限削除。私用端末の遠隔削除は運用条件を慎重に設定 |
勤務場所を取得できないだけで、直ちに不正と判断しない運用も必要です。端末の位置情報権限や通信状態を確認したうえで、本人と承認者が記録を補正できる流れにします。
労働時間の把握と法令対応に活かす
スマホ打刻で集めた記録は、給与計算だけでなく労働時間の管理にも使えます。厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」や「時間外労働の上限規制」の解説を公開しています(2026年10月23日確認)。自社に当てはまる具体的な要件は、これらの一次情報や社会保険労務士に確認してください。
製品を選ぶ際は、残業時間が一定の基準に近づいたときに本人や上司へ知らせる通知機能があるかを確認します。休暇の取得状況を管理者が一覧で確認できるかも見ておきましょう。打刻の記録があっても、締め日まで誰も確認しなければ超過に気づくのが遅れます。
法改正があったときに、提供元がシステムの設定や集計方法を更新する体制かも確認します。更新のお知らせがどこに出るか、設定の変更を自社で行う必要があるかを、契約前に聞いておくと安心です。
スマホ勤怠打刻導入のステップと成功のコツ
全社へ一度に展開する前に、勤務形態の異なる小さなグループで試します。通常の出退勤だけでなく、夜勤、打刻忘れ、圏外、承認者不在、給与出力後の修正まで試すと、運用上の不足が見つかります。
- 現状の課題を整理し、打刻者・承認者・修正担当・締め日を決めます。
- 人数と必要機能をそろえてサービスを比較し、給与ソフトとの連携条件を確認します。
- トライアルで実際のスマホ・勤務場所を使い、打刻から月次集計まで検証します。
- 出退勤・休憩・修正申請の短い操作ガイドを用意し、従業員へ説明します。
- 本稼働後も未打刻や承認待ちを確認し、問い合わせ窓口と設定変更の担当を決めます。
店舗と訪問スタッフが混在する想定例では、出勤・退勤・休憩開始・終了の入力を共通化し、必要な現場にだけ位置情報取得を設定します。次に承認と未打刻通知を整え、最後に給与計算ソフトとの連携を検証します。
既製勤怠管理アプリと自社専用開発の違い
標準機能で打刻・申請・集計ができるなら、まず既製サービスを試す方法が現実的です。独自の現場コードや承認経路がある場合は、設定変更で対応できる範囲と追加開発が必要な範囲を切り分けます。
| 選択肢 | 向くケース | 費用・運用の確認事項 |
|---|---|---|
| 既製アプリ | 標準の打刻・申請・集計で足りる | 人数課金、最低料金、機能範囲 |
| 自社専用ノーコード開発 | 独自の現場入力や承認画面が必要 | 開発費、保守費、権限設計、継続改修 |
| 既製SaaS+補助アプリ | 勤怠基盤は維持して不足部分を補う | API・CSV仕様、二重入力、連携エラー時の処理 |
ノーコード開発でも、複雑な集計や保守の負担が自動的になくなるわけではありません。ノーコード総合研究所では、現場の入力・承認・集計を整理し、必要な画面や連携の開発を相談できます。勤怠管理で既製SaaSとノーコードを選ぶ考え方も参考にしてください。
スマホ打刻のよくある質問
従業員の私用スマホで打刻させても大丈夫ですか?
本人の同意を得て、利用ルールを決めたうえで運用します。取得する位置情報の範囲、通信費の扱い、退職時の対応をルールに書いておきましょう。私用端末を使えない人や使いたくない人には、貸与端末や共用端末を用意します。
パソコンを持たない従業員でもスマホ打刻は使えますか?
スマホだけで打刻から申請まで完結できる製品が多くあります。ただし、申請や承認の一部にPCが必要な製品もあるため、従業員と承認者の両方の操作をスマホで試してから決めてください。
無料の勤怠管理アプリを会社で使っても問題ありませんか?
人数・機能・データ保存期間の制限が月次業務に合うかを確認します。個人向けのアプリには、管理者が従業員の記録を確認・承認する機能がない場合があります。会社で使うなら、法人向けの無料プランや試用期間で管理者側の画面も確かめましょう。
まとめ
スマホ打刻は、現場、店舗、訪問先、自宅などから出退勤を記録し、管理側の確認につなげる方法です。専用端末に戻る負担や紙からの転記を減らせますが、導入するだけで全ての記録漏れや不正がなくなるわけではありません。機能と日々の運用を合わせて考えることが大切です。
製品を選ぶ際は、スマホで打刻できるかに加えて、GPSの取得条件、顔認証の対応端末、通信が切れた場合の処理を確認してください。シフト、休暇申請、承認、給与連携まで使うなら、それぞれの機能が必要なプランに含まれているかも見ます。操作する人と確認する人の両方が試すことが重要です。
料金比較では、表示されている単価だけで予算を決めず、最低料金と課金対象人数、初期費用、機器費、追加支援費をそろえます。無料プランを選ぶ場合も、保存期間や出力制限が月次業務に合うかを確かめましょう。年契約を検討する際は、月契約との支払額の違いも確認してください。
導入は、小規模な試用から始めると進めやすくなります。従業員には簡単な操作ガイドを用意し、管理者には修正理由と承認履歴を残すルールを共有します。圏外や端末紛失などの例外時にも記録を続けられる手段を用意してから、全体へ展開してください。
既製サービスでは現場の入力や他システム連携が合わない場合、補助アプリを組み合わせる選択肢があります。現在の打刻方法、シフト表、承認の流れ、給与計算前の作業を整理すると、開発が必要な範囲を見極めやすくなります。自社に合う勤怠管理を検討する際は、ノーコード総合研究所へご相談ください。
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