勤怠管理を自動化する方法【2026年版】RPA連携・ツール比較・導入事例

目次

はじめに

勤怠管理システムを導入しても、月末のデータ加工や給与ソフトへの転記が残ることがあります。打刻漏れの確認、未承認申請の催促、部署別の集計をExcelとメールで行っていると、担当者が変わるたびに手順の説明が必要になります。記録を電子化するだけでは、締め処理全体の負担は減らしきれません。

勤怠管理の自動化は、取得・照合・通知・給与連携をつなぐ設計が重要です。RPAは人が行うパソコン操作を代行し、決まった手順の処理を繰り返す仕組みです。ただし、システムの標準機能やAPIで対応できる作業まで、すべて画面操作で自動化する必要はありません。

まずは「誰が、いつ、何を確認しているか」を整理してください。毎日の打刻漏れ通知と月次の給与データ作成では、必要な更新頻度や失敗時の影響が異なります。処理を分けて設計すると、自動化する範囲と担当者が確認する範囲を決めやすくなります。

この記事では、2026年9月24日に確認した公式情報をもとに、勤怠管理システム7製品とRPAツール4製品の比較、実際の公開事例、導入手順を紹介します。機能の有無だけでなく、自社の給与ソフトへ必要な項目を渡せるか、エラーから復旧できるかという観点で選び方を整理します。

既存システムを使い続けながら改善したい企業にも役立つ内容です。打刻の仕組みから見直す場合は、出退勤を自動記録する方法もあわせて確認してください。

勤怠管理におけるRPA連携とは?

キーボードとノートを置いた作業机のイメージ

勤怠管理のRPA連携とは、打刻・勤務実績を取り出し、加工、照合、転記、通知までの定型操作をつなぐことです。API連携はデータを直接受け渡し、CSV連携はファイルを介します。RPAはAPIのない画面や複数の操作工程を補う候補になります。

RPAで自動化できる勤怠管理業務の例

業務自動処理の例人が確認すること
月次集計部署別集計と給与用フォーマットへの変換対象月・締め状況
残業チェック設定した基準を超える対象者の抽出・通知適用ルールと個別事情
未打刻確認未打刻者一覧と催促メール作成休暇・直行直帰との照合
給与連携勤務実績の転送と取込結果照合件数・合計時間・エラー
打刻エラー不整合の抽出と修正依頼本人の説明と承認
シフト照合予定と勤務実績の差分抽出変更申請の有無

通知を送る前には休暇や承認状況を確認し、同じ従業員へ何度も催促しない条件を設けます。給与への転記は、単にファイルが作成されたことではなく、取込先で件数や時間が一致したことまで確認して完了にします。

従業員番号が勤怠側と給与側で異なる場合は、先に対応表を整備します。氏名だけで照合すると同姓同名や表記揺れで誤って結び付くためです。日付をまたぐ勤務や休憩時間の単位も揃え、合計時間が一致することを試験時に確認してください。

勤怠管理×RPA連携の5つのメリット

資料を確認するオフィス会議のイメージ

自動化の効果は、作業時間だけでなく修正件数や確認待ちの減少でも評価できます。導入前の一回分の処理を記録し、導入後も同じ範囲で測定すると、どこに改善があったかを説明しやすくなります。

メリット改善する作業効果を確認する指標
業務時間の削減月末の集計・転記一回あたりの作業時間
ヒューマンエラーの抑制コピー・入力の繰り返し差戻し・修正件数
担当者の負担軽減未打刻・未承認の催促手動連絡件数
法令順守を支える確認残業等の基準超過抽出未確認アラートの件数
働き方改善の材料づくり部署別勤務状況の集計確認頻度・偏りの把握

自動化しても設定が誤っていれば同じ誤処理を繰り返します。削減効果とチェックの正確性を一緒に測ることが、運用を定着させるポイントです。

RPAと連携する勤怠管理システム7選【2026年版】

ノートパソコンと業務資料のイメージ

連携方法は製品名だけで決められません。取得したいデータ、出力形式、実行権限を確認します。表は公式に確認できる機能の比較であり、特定のRPAとの接続を保証するものではありません。

勤怠管理システム公式で確認できる連携の入口選定時に確認する点
KING OF TIMEWebAPI・給与用CSVAPIの利用時間帯・取得項目・レート制限
ジョブカン勤怠管理CSV等の出力、ジョブカン給与計算への連携出力項目と取込先の形式。標準の自動取込で足りるか
マネーフォワード クラウド勤怠月別データのエクスポート締め対象・丸め設定・出力項目の一致
マネーフォワード クラウド勤怠Plus(旧AKASHI)公開API通常のクラウド勤怠と混同せずAPI仕様を確認
CYBER XEED 就業給与ソフト向けCSV出力利用する給与ソフトに合わせた出力設定
Touch On TimeAPI・CSVによる外部サービス連携連携先ごとの対応と実データでの取込試験
楽楽勤怠給与計算に必要なデータの出力出力先の仕様と標準アラートで対応できる範囲

AKASHIは2026年4月1日にクラウド勤怠Plusへ名称変更されています。また、API対応でも常時取得できるとは限りません。KING OF TIMEのように制限が示されている場合は、実行時刻や再取得の間隔を設計に含めます。

RPAツールとの組み合わせパターン

複数の画面で作業する担当者のイメージ

同じ勤怠システムでも、画面操作が中心か、ファイル加工が中心かで構成が変わります。以下の利用例は設計案です。導入済み環境で試し、担当者が修正・復旧できるかまで比較してください。

RPAツール公式情報で確認する特徴勤怠業務で検討する利用例
UiPathStudioによる自動化開発・テスト取得から整形、通知まで複数工程を設計
WinActor国産RPA、集中管理用の関連製品Excel管理表の作成と定型操作
BizRobo!定型業務をロボットで自動化勤怠データ取得・転記工程の試作
Power AutomateデスクトップフローによるWeb・Excel操作ダウンロード後のファイル整理・加工

画面変更で停止する可能性があるため、標準連携で足りる範囲を先に確認することが大切です。夜間実行や複数部署での利用では、実行環境、認証、監視担当もあわせて決めます。

導入事例:勤怠データの集計・チェックを自動化

チームで資料を確認するイメージ

事例1:ペンデル税理士法人が支援したD社

ペンデル税理士法人の公開事例では、従業員200~300名のD社が複数の勤怠データをまとめる管理表作成に毎日2時間以上を費やしていました。WinActorで作成を自動化し、作業時間を半分ほどに短縮したと報告されています。

事例2:SCSKが公開する勤怠チェックの事例

SCSKの公開事例では、勤怠情報の取得、集計、チェック、担当者へのメール通知を自動化しています。通知対象の拡大に伴う負担に対応し、通知頻度や依頼に応じた通知の改善につなげています。

両事例から、自動化対象を具体的な工程に分ける考え方を参考にできます。削減率は企業ごとに異なるため、自社のデータ量と確認工程で検証する必要があります。

RPA連携の導入ステップと運用上の注意点

机を囲んで計画を確認する会議のイメージ

厚生労働省のガイドラインを踏まえ、客観的な記録を基礎に始業・終業を確認します。自己申告と記録に乖離がある場合の確認や、修正理由・承認履歴を残す運用も必要です。RPAのアラートだけで労務判断を完結させません。

  1. 対象業務を洗い出し、頻度・所要時間・例外を記録します。
  2. 締め条件、通知基準、承認者を決め、勤怠システムを正データとします。
  3. 標準機能、API、CSV、画面操作の順に適合性を確認します。
  4. 小さな範囲で実装し、未打刻・休日出勤・締め後修正も試験します。
  5. 担当者、停止時の連絡先、再実行と手作業への切替方法を決めます。

処理履歴と二重登録を防ぐ仕組みを用意し、失敗した箇所から再開できるようにします。従業員番号、対象月、取込件数を照合するチェックを残すと、途中停止による取りこぼしを見つけやすくなります。

障害時は、対象期間と処理済み件数を記録してから停止します。再実行で全件を取り込み直すのか、未処理分だけを送るのかを決めておくと、担当者ごとの判断の違いを減らせます。締め日の直前には、手作業へ切り替える期限も設けてください。

既存SaaSで足りない場合の補完設計と外注判断

ノートパソコンを使う打ち合わせのイメージ

勤怠システムにない部署別チェックリストや通知画面は、ノーコードによる周辺業務の補完も選択肢です。ただし、データの複製先が増えるほど権限や更新管理が複雑になります。必要な項目に絞り、閲覧者と保存期間を決めてください。

複数拠点や給与ソフト連携が絡み、社内で保守できない場合は外注を検討します。ノーコード総合研究所への相談では、利用中の製品、手作業の一覧、実行頻度を共有いただくと、標準機能で足りる範囲と開発する範囲を整理できます。

通知先には詳細な勤怠情報を広く送らず、確認が必要な対象と管理画面への導線を示します。通知を見る権限と元データを閲覧する権限は分けて考えます。部署異動や退職に伴う権限変更、連携用認証情報の管理者も運用開始前に明確にしてください。

まとめ

勤怠管理の自動化は、打刻の電子化に加え、集計、照合、通知、給与連携までをつなぐ取り組みです。日々の未打刻チェックと月末の締め処理を分け、繰り返し発生する工程から着手すると、導入効果を確認しながら範囲を広げられます。最初に自社の作業手順と担当者の役割を整理することが重要です。

ツールを選ぶときは、勤怠システムの標準機能と連携方法を確認してください。APIで取得できる項目、CSVの出力形式、画面操作が必要な箇所を整理すれば、RPAが担う役割を明確にできます。製品名が同じでも利用条件や接続先の仕様によって構成が変わるため、実際のデータで試すことが欠かせません。

効果を測る際は、処理時間だけでなく、修正件数、手動連絡、未確認のアラートも記録します。公開事例の削減率をそのまま目標にするより、自社で負担になっている工程の改善を追うほうが、継続的な運用判断に役立ちます。設定や業務ルールが変わったときの点検も予定に組み込んでください。

また、打刻の根拠、修正理由、承認履歴を残し、例外は人が確認できる状態にします。停止時の連絡や再実行の方法まで決めておけば、自動処理に問題が起きても給与計算への影響を抑えやすくなります。正常に動くことと、失敗から復旧できることを両方確かめましょう。

既存SaaSで対応しきれない部分は、ノーコードで通知や管理画面を補う方法もあります。現在の勤怠・給与システムと残っている手作業を整理し、改善したい工程から相談してください。ノーコード総合研究所では、業務の切り分けから連携・補完アプリの構成まで検討を支援します。

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