RPA ノーコード活用ガイド【2026年版】違い・ツール比較・導入手順

はじめに
業務効率化は、企業が成長し競争力を保つために欠かせないテーマです。その手段としてよく並べて語られるのが「ノーコード」と「RPA(Robotic Process Automation)」です。どちらもプログラミングの負荷を下げて業務を変える技術ですが、得意とする領域は大きく異なります。
RPAとノーコードは目的が違うため、どちらを先に入れるかで導入効果が変わります。RPAは既存システム上の定型作業を代わりに実行し、ノーコードは入力画面、データベース、申請フロー、顧客ポータルといった業務の仕組みそのものを作ります。
RPA ノーコードで検索する人の多くは、「RPAツールを選ぶべきか」「ノーコードで業務アプリを作るべきか」「両方を組み合わせられるのか」を知りたい段階にいます。価格だけでツールを選ぶと、ロボットは作れたのに業務全体は変わらない、という状態になりやすいです。
大切なのは、今ある手作業を残したまま自動化するのか、業務フローそのものを整理してアプリ化するのかを先に決めることです。この判断が曖昧なまま導入すると、RPAの保守が増えたり、ノーコードアプリに不要な機能を詰め込みすぎたりします。
この記事では、2026年時点のRPAとノーコードの違い、両者を掛け合わせるメリット、主要ツールの特徴と公式料金、導入手順、実際の導入事例を順に解説します。最後に、Bubbleなどのノーコード開発とRPAを組み合わせる設計と、失敗しないためのポイントも紹介します。
結論を先にまとめると、次のとおりです。
- RPAは既存システムの画面操作を人の代わりに行う技術で、ノーコードは業務アプリそのものを新しく作る技術です。
- ノーコードRPAツールを使えば、プログラミングなしで転記や集計などの定型作業を自動化できます。
- 例外が多い業務や頻繁に画面が変わるシステムはRPAに向きません。
- 入力画面とデータ管理はノーコードで作り、既存システムへの登録だけをRPAに任せる組み合わせが有効です。
ノーコードとRPAとの違い

両者は似ているように見えますが、得意とする領域は真逆です。
ノーコード:仕組みを「創る」技術
ノーコードは、プログラミングを書かずに新しい業務アプリやWebシステムを構築する技術です。役割は「0から1を生み出す」ことで、これまで存在しなかった業務アプリや顧客向けサービスを新たに作ります。
営業日報アプリ、在庫管理システム、会員制サイトのように、データを蓄積・管理・共有する仕組みに向いています。
RPA:作業を「代行」する技術
RPAは、PC上のクリック、入力、コピー、貼り付け、ファイル操作といった定型作業を、ソフトウェアのロボットが人の代わりに実行する技術です。役割は「1を100にする」ことで、既存のシステムやExcelを使った反復作業を高速化します。
「受信した注文メールの内容を、Excelの管理台帳に転記する」作業は、RPAの典型的な対象です。
ローコードを含めた違いのまとめ
| 比較項目 | RPA | ノーコード | ローコード |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 既存作業の自動化 | 新しい業務アプリの構築 | コード併用で柔軟に開発 |
| 対象 | 既存の業務プロセス | 新しい業務プロセス | 標準機能で足りない業務 |
| 作るもの | 裏方で動くロボット | 画面とデータベース | 画面、DB、独自処理 |
| 得意領域 | 転記、集計、画面操作 | 入力画面、DB、申請、共有 | 複雑な連携、拡張開発 |
| 弱い領域 | 画面変更に弱い | 複雑な独自処理に工夫が必要 | 開発知識が必要になりやすい |
| 担当者 | 業務部門、情シス | 業務部門、開発会社 | 情シス、開発者 |
違いを一言でいうと、RPAは「今ある作業を自動化する」、ノーコードは「業務の仕組みを作り直す」手段です。ローコードはその中間で、標準機能だけでは足りない部分にコードを使います。既存画面をそのまま動かしたいならRPA、業務フローを整理してアプリ化したいならノーコードが適しています。
ノーコードとRPAを掛け合わせるメリット

ノーコードとRPAはそれぞれ独自の強みを持っていますが、組み合わせることで単体では得られない効果が出ます。ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。
技術的知識が不要
ノーコードもRPAも、プログラミングの知識がなくても使い始められるという共通点があります。専門的なITスキルを持たない従業員でも、画面上の操作や記録機能を使って自動化を進められます。
業務部門が自分で改善できるため、情報システム部門や開発会社を待つ時間が減り、ビジネスのスピードが上がります。
迅速なプロセスの自動化
ノーコードで作ったアプリケーションとRPAを連携させると、定型業務だけでなく、業務プロセス全体を短期間で自動化できます。基幹システムにAPIがなくても段階的に進められ、定期的なデータ処理や情報更新など、手作業の部分を大きく減らせます。
コスト削減
ノーコードとRPAを活用すると、システム開発や運用にかかるコストを抑えられます。ノーコードツールを使えば、一からプログラムを書くよりも少ない工数で業務アプリを作れます。
RPAは人件費や入力ミスの手戻りを減らします。入力段階でデータを整え、転記をロボットに任せれば、削減効果はさらに大きくなります。
RPA ノーコードが向いている業務・向かない業務
RPAとノーコードは、すべての業務に向くわけではありません。業務ごとに適した手段を整理すると次のようになります。
| 業務 | 向いている手段 | 理由 |
|---|---|---|
| Excelから既存システムへの転記 | RPA | 画面操作をそのまま自動化しやすい |
| 申請受付・承認・履歴管理 | ノーコード | 入力画面とデータベースを作れる |
| 請求書データの抽出と登録 | RPA + OCR | 書類処理と転記が中心 |
| 顧客向けポータル | ノーコード | UI、権限、データ管理が必要 |
| 基幹システム刷新前の暫定連携 | RPA + ノーコード | APIがなくても段階導入しやすい |
RPAは画面変更や通信遅延に弱い場合があり、ノーコードも大量データ処理や複雑な権限制御では設計力が必要です。業務を小さく分けて、どの工程を自動化するかを決めることが重要です。
おすすめのノーコードRPAツールと料金

ここでは、プログラミングなしでロボットを作れる代表的な4つのツールを紹介します。料金は2026年10月24日時点で各社の公式ページを確認した内容です。変更されやすいため、導入前に最新の公式情報を確認してください。
| ツール | 提供元 | 料金(公式・2026年10月24日確認) | 無料で試す方法 |
|---|---|---|---|
| UiPath | UiPath | Basic 月額25ドルから(月払い・税別/税込の記載なし・初期費用の記載なし)。Standard・Enterpriseは営業へ問い合わせ。公式価格ページ | Communityプランは無料 |
| Power Automate | Microsoft | Premium ユーザー/月 2,248円相当(年払い・税別・初期費用なし)、Process ボット/月 22,488円相当(年払い・税別)、Hosted Process ボット/月 32,233円相当(年払い・税別)。公式価格ページ | 30日間の無料試用版 |
| WinActor | NTTデータ(開発: NTTアドバンステクノロジ) | 実行版 年間300,080円(年間ライセンス・税込)、フル機能版 年間1,098,680円(年間ライセンス・税込)。公式製品ページ | 30日間の無料トライアル |
| RoboTANGO | スターティアレイズ | 基本プラン 初期費用100,000円+1ライセンス月額65,000円(月払い・税抜・最低利用1ヵ月)、リモレクライトプラン 初期費用150,000円+1ライセンス月額95,000円(月払い・税抜・最低利用6ヵ月)。公式料金ページ | 3週間の無料トライアル |
価格だけでなく、実行方式、同時実行数、管理機能、サポート範囲も比べてください。PC上で人と一緒に動かすか、無人実行するかでライセンスの単位が変わります。
ノーコードRPAツールを機能で比べる視点
料金表だけでは、導入後に現場で使い続けられるかは判断できません。ツールの機能を「作る・動かす・管理する」の3つの役割に分けて確認すると、自社に合うかを比べやすくなります。
| 機能の役割 | 確認する機能 | 確認しないと起きやすい問題 | 向いている組織 |
|---|---|---|---|
| ロボットを作る | 操作の録画、画面要素の認識、部品の再利用 | 作成に時間がかかり、現場で使われなくなる | 非エンジニアがロボットを作成する組織 |
| ロボットを動かす | スケジュール実行、夜間実行、例外時の処理 | エラーで止まったまま誰も気づかない | 定時の処理が多い組織 |
| ロボットを管理する | 稼働状況の一覧、ログ、権限管理 | 担当者が分からないロボットが残る | 複数の部門でロボットを作る組織 |
無料トライアルの期間中に、この3つの役割ごとに実際の業務で試しておくと、契約後の「作れたけれど運用できない」を防げます。
UiPath StudioX
UiPath StudioXは、RPAの代表的なベンダーであるUiPathが提供する、ビジネスユーザー向けの自動化ツールです。UiPath公式ドキュメントでは、Microsoft OfficeやGoogle Workspaceとの連携と直感的なインターフェースにより、繰り返し作業を業務担当者自身が自動化できる製品として位置づけられています。
ドラッグ&ドロップでExcel作業やメール処理を組み立てられるため、初めてRPAに触れる部署でも取り組みやすいツールです。
WinActor
WinActorは、NTTアドバンステクノロジが開発し、NTTデータが販売する国産のRPAツールです。公式製品ページによると、全国7,000以上の法人に導入されています。
Excelの表作成やWord文書の編集、業務システムへの入力といった定型業務を自動化できます。自動化したい作業を実際にPCで操作すると、記録機能が手順をシナリオとして保存するため、プログラミングの知識は不要です。
Power Automate
Power Automateは、Microsoftが提供する自動化サービスです。Microsoft 365やSharePoint、Outlook、Teamsとの連携に強く、クラウドサービス同士をつなぐフローと、デスクトップ操作を自動化するRPA機能の両方を備えています。
たとえば、Outlookに届いた添付ファイルをSharePointへ保存し、Teamsへ通知する処理を画面操作で組み立てられます。無人実行が必要な場合は、ボット単位のプランを選ぶ点に注意してください。
RoboTANGO
RoboTANGOは、スターティアレイズが提供するRPAツールです。従業員が手作業で行っていたデータ入力や更新作業などの煩雑な業務を自動化し、業務効率化を図れます。
3週間の無料トライアルがあり、基本プランは最低利用期間が1ヵ月のため、初めてRPAを導入する企業でもスモールスタートしやすいツールです。
ノーコード×RPAツールの導入手順

ノーコードとRPAを効果的に導入するには、最初から全社展開を狙わず、次の4つのステップで小さく始めることが重要です。
1. 自動化したい業務プロセスの選定
最初に、自動化する業務プロセスを明確にします。対象になりやすいのは、データ入力、レポート作成、メールの送受信、在庫管理など、反復的で入力ミスが起きやすい手作業です。
作業時間、発生頻度、ミスの発生箇所を記録して優先順位をつけ、RPA向きの作業、ノーコードでアプリ化すべき業務、手作業のまま残す業務に分けておきます。
2. ツール選定とセットアップ
次に、既存システムとの連携性、導入コスト、サポート体制、社内で保守できるかを比較してツールを選びます。多くのツールには無料試用期間があるため、実際の業務データで試してから契約できます。
セットアップ時は、ベンダーのトレーニングやサポートを受けると社内に使い方が定着しやすくなります。
3. 自動化プロセスの設計と実装
ノーコードプラットフォームでは、ビジュアルエディターで入力画面や承認フローを設計します。RPAツールでは、業務手順を細かく定義し、各ステップを自動化する設定を行います。
業務の無駄を省くことと、例外処理、権限、ログの残し方まで決めてから実装し、動作確認を行います。
4. テストと最適化
テストで正確に自動化されているかを確認し、利用者のフィードバックをもとに手順を調整します。
運用担当者と保守ルールを決めて定期的に見直し、成果が出た業務から他部署へ横展開します。導入の進め方をさらに詳しく知りたい方は、RPA導入の進め方と事例も参考にしてください。
建設会社のように現場帳票や写真の管理が多い業種では、RPAで転記を減らす前に、入力画面をノーコードで整える方が早い場合があります。業種別の進め方は「建設dx」を参照してください。
生成AIも組み合わせて業務を自動化する場合は、対象業務の選び方や効果試算を整理した「RPA×生成AIの導入手順と費用対効果」も参考にしてください。
ノーコード×RPA導入で成功した事例

ツール提供元が公開している導入事例から、成果を出した2件を紹介します。
事例1:日本旅行(RoboTANGO)
株式会社日本旅行は、RPAツールのRoboTANGOを導入し、取引先への自動通知や販売登録作業といった煩雑な作業を自動化しました。RoboTANGOの導入事例によると、月間100時間以上の業務工数削減に成功しています。
単純作業をロボットに任せたことで、担当者が本来取り組みたい仕事に時間を使えるようになりました。
事例2:北見市役所(WinActor)
約113,000人が暮らす北海道北見市の市役所は、申請書を書かずに手続きを済ませられる「書かないワンストップ窓口」で知られています。WinActorの導入事例によると、同市は2019年からこの窓口業務にWinActorを導入し、各種証明書の出力操作や住民基本台帳システムへの入力処理を自動化しました。
2021年度の実績では、証明書の発行操作を年間約51,000件、住民基本台帳システムへの入力を年間約7,000件自動化しています。これにより市民の待ち時間を年間約450時間、職員の業務時間を年間約1,420時間削減しました。窓口の仕組みを整えたうえで、残った定型操作をRPAに任せた点が、ノーコードとRPAを組み合わせる考え方に通じます。
官公庁や自治体がノーコードで業務を効率化した事例を確認する際は、ノーコード開発とは?官公庁でおすすめの業務効率化事例を紹介をご覧ください。
ノーコード/BubbleとRPAを組み合わせる設計

RPAだけで既存業務をなぞると、古い業務フローを温存してしまうことがあります。たとえば、申請内容をExcelで受け取り、担当者が確認し、基幹システムへ転記している業務では、転記だけをRPA化しても、申請内容の不備や承認待ちは残ります。
この場合、Bubbleなどのノーコードで申請フォーム、承認画面、ステータス管理を作り、最後の基幹システム登録だけをRPAに任せる構成が現実的です。業務アプリ側で入力項目や承認ルールを整えると、RPAが処理するデータも安定します。
実務では、経理の請求処理、営業の案件登録、採用候補者の管理、店舗の在庫報告などでこの考え方が使えます。経理領域のRPA活用は、経理 RPAで管理会計を自動化する方法も参考になります。
ノーコードで業務の入口とデータ管理を整え、RPAで既存システムとの橋渡しをすると、短期導入と将来のシステム刷新を両立しやすくなります。
RPAと生成AI・AIエージェントの使い分け
生成AIやAIエージェントが業務に入り始め、「RPAはもう要らないのでは」と考える方も増えています。実際には、RPAとAIは得意な処理が違うため、置き換えるよりも役割を分けて組み合わせる方が業務は安定します。
RPAとAIの得意分野の違い
RPAが得意なのは、決まった画面操作を毎回同じ手順で再現することです。どの画面のどの欄に何を入力するかが決まっている作業なら、ロボットは同じ結果を出し続けます。
一方、AIが得意なのは、文章の読み取りや内容に応じた判断を伴う処理です。メールの本文から用件を読み取る、書類の記載内容を項目ごとに抜き出す、といった「読んで考える」部分を担えます。ただし、AIの出力は毎回同じとは限らないため、決まった手順をそのまま繰り返す作業には向きません。
AIで前処理し、RPAで登録する組み合わせ方
現実的なのは、AIに前処理を任せ、整ったデータをRPAで既存システムへ登録する分担です。
- 問い合わせメールの分類: AIが本文を読んで「見積依頼」「不具合報告」などに振り分け、RPAが顧客管理システムへ起票する
- 書類の読み取り: AIが請求書や申込書から取引先名・金額・日付を抜き出し、RPAが会計システムや基幹システムへ入力する
ここにBubbleなどのノーコードアプリを挟むと、AIが抜き出した内容を担当者が画面で確認・修正してから登録に回す、という流れを作れます。AIとRPAの違いをさらに詳しく知りたい方は、AIエージェントとRPAの違いも参考にしてください。
AIの判断を挟むときの確認手順
AIの判断をそのまま既存システムへ登録すると、誤った分類や読み取りがそのまま本番データに入ります。AIを組み込むときは、次の手順を先に決めておきます。
- 人の承認: 金額や取引先など、間違えると影響が大きい項目は、担当者が確認してから登録に進める
- 誤判定の戻し方: AIの判定結果と、人が修正した内容の両方を記録し、誤って登録したデータを特定して取り消せるようにする
- 判断に迷う案件の扱い: AIが判断しにくいものは自動処理から外し、人の対応に回す
AIに業務データを渡すときの情報管理
AIサービスに業務データを渡す場合は、入力したデータがどこに保存され、学習に使われるかどうかを利用規約や管理者向けの設定で確認してください。顧客の個人情報や取引条件など、社外に出してはいけない情報を扱うかどうかで、使えるサービスや契約プランが変わります。
社内でAIに渡してよい情報の範囲を決め、利用者と利用目的を記録しておくことも大切です。
導入で失敗しないポイント

失敗しやすいのは、「ロボットを作ること」自体が目的になってしまうケースです。自動化対象の業務が例外だらけだったり、入力ルールが部門ごとに違ったりすると、RPAの保守工数が増えます。RPAは画面のレイアウト変更で止まることもあるため、止まったときに誰が気づき、どう手作業に戻すかを決めておく必要があります。
導入前には、対象業務の標準化、データ項目の整理、例外処理、権限、ログ、障害時の手戻しを確認してください。ノーコードで業務アプリを作る場合も、最初から全機能を作り込まず、MVPとして小さく始めることが大切です。
社内だけで進める場合は、誰が保守するかを決めておく必要があります。担当者が異動するとロボットやアプリがブラックボックス化しやすいためです。導入時点で運用責任者、変更ルール、保守範囲を決めることが、RPAとノーコード活用の成否を左右します。
💡 ポイント: 社内で設計や保守の体制を用意できない場合は、業務整理からアプリ開発までを任せられる開発会社を選ぶ方法もあります。選び方はノーコード開発会社の選び方で解説しています。DXとRPAの関係はDXとRPAの違いも参考にしてください。
現場部門がロボットを作るときの管理ルール
ノーコードRPAツールは、業務部門の担当者が自分でロボットを作れる点が強みです。その強みを活かしながら、管理されないロボットが増えないようにするためのルールを整理します。
現場主導で進めるメリットとリスク
現場の担当者が自分でロボットを作る進め方は、市民開発とも呼ばれます。業務をいちばんよく知る人が作るため、細かな手順まで反映でき、情報システム部門の対応を待たずに改善を進められます。
その一方で、誰がどのロボットを作ったかを把握しないまま数が増えると、管理されないロボットが社内に残ります。作成者が異動した後にロボットが止まり、何を処理していたのか誰も分からない、という状態は避けなければなりません。
ロボット台帳を作る
ロボットを1台作るたびに、次の項目を台帳に記録します。
- 目的: どの業務の、どの作業を自動化しているか
- 担当者: 作成者と、止まったときに対応する担当者
- 対象システム: ロボットが操作するシステムやファイル
- 実行時間: いつ、どのくらいの頻度で動くか
台帳があれば、システム更新の影響を受けるロボットの洗い出しや、使われなくなったロボットの停止を素早く判断できます。
作成・変更の承認と情報システム部門との役割分担
ロボットを新しく作るときと、処理内容を変えるときは、業務部門の責任者が承認してから本番で動かすルールにします。
情報システム部門は、ツールの権限設定、操作してよいシステムの範囲、ログの保管といった全社共通のルールを担当します。業務部門は、そのルールの範囲でロボットを作り、日々の稼働を確認します。このように役割を分けると、現場の作りやすさと全社の管理を両立できます。
画面変更を事前に共有するルール
RPAは操作対象の画面が変わると止まりやすいため、対象システムの更新予定を早めに共有する仕組みが欠かせません。システムの管理部門が画面や項目の変更を予定したら、台帳をもとに影響を受けるロボットの担当者へ事前に知らせ、更新日までにロボットを修正・確認できるようにしておきます。
RPA ノーコードのよくある質問
RPAとExcelマクロの違いは何ですか?
Excelマクロは、主にExcelの中の処理を自動化する仕組みです。RPAは、ブラウザや業務システムなど複数のアプリをまたぐ画面操作を自動化できます。Excelの集計だけならマクロで足りることもありますが、Excelのデータを業務システムへ入力するといったアプリをまたぐ作業ではRPAが向いています。
RPAのロボットはパソコンの電源を切っても動きますか?
PC上で動く方式では、ロボットを動かす端末が起動している必要があります。クラウド実行やサーバー実行に対応したツールかどうかで変わるため、導入前に各ツールの公式情報で実行方式を確認してください。
たとえばPower Automateの場合、Microsoftの公式ドキュメントでは、無人で動かす非アテンド型のデスクトップフローには、すべてのユーザーがサインアウトした状態のマシンが必要と説明されています。一方、ホスト型コンピューターを使えば、物理コンピューターを用意せずにデスクトップフローを実行できます。ホスト型コンピューターにはHosted Processライセンスが必要です(2026年10月24日確認)。
生成AIがあればRPAは不要になりますか?
不要にはなりません。決まった手順を毎回同じように再現する作業はRPA、文章の読み取りや判断はAIと、役割を分けて組み合わせるのが現実的です。具体的な分担は、上の「RPAと生成AI・AIエージェントの使い分け」で紹介しています。
まとめ
RPAとノーコードは、どちらも業務効率化に役立つ技術ですが、役割は異なります。RPAは既存システム上の定型作業を代行し、ノーコードは業務アプリやデータ管理の仕組みを新しく作ります。ローコードは、標準機能だけでは足りない部分をコードで補う選択肢です。
両者を組み合わせると、技術的な知識がなくても自動化を進められ、業務プロセス全体を短期間で改善でき、開発と運用のコストも抑えられます。日本旅行や北見市の事例のように、定型作業をロボットに任せることで、月間・年間単位の大きな時間を生み出せます。
ツールを選ぶときは、価格だけでなく、自動化の対象、実行方式、サポート、社内システムとの相性、保守体制を確認してください。Power AutomateのようにMicrosoft環境と相性がよいツールもあれば、WinActorやRoboTANGOのように国内企業のデスクトップ業務に向くツールもあります。
導入は小さな業務から始めるのが現実的です。作業時間が多く、手順が安定し、例外が少ない業務を選び、無料トライアルで効果を確かめます。そのうえで、ノーコードアプリとRPAを組み合わせるか、RPA単体で十分かを判断してください。
nocoderiでは、Bubbleを活用した業務アプリ開発や、既存業務の自動化設計の相談を受け付けています。RPAツールの導入だけでは解決しにくい業務整理、申請フローのアプリ化、既存システムとの段階連携まで相談できます。RPAとノーコードの使い分けで迷っている場合は、まず業務の棚卸しからご相談ください。

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